2009年1月20日 (火)

再び「ザ・ムーン」

  また感動を味わいに,再び「ザ・ムーン」を見に行った.

  今度は2回目ということもあって,登場する宇宙飛行士の顔と名前,そして何号で何をした人なのかが大体解って,前回よりもより楽しめた.サターンロケットの打ち上げでは思わず緊張してしまったし,月着陸船イーグルが無事月面に着陸した時はまるでその時管制室に居合わせたように(学生時代,太陽観測衛星「ようこう」の運用にも関わっていて,内之浦宇宙空間観測所で合計3ヶ月あまりを過ごした経験があり,衛星運用卓(机の上にモニターがあって,その横にボタンがいろいろ並んでいる)にも座ったことがあるので,管制室の雰囲気を少しは知っている)思わず拳を握りしめて素直に「やった!」と思った.

  そういえば・・・
  登場した宇宙飛行士の誰が言ったのか失念してしまったが,
「(故障を想定した訓練を何度もやったので)もう少しで故障を期待するところだったよ」
妙に共感.「ようこう」の運用中でも再三,衛星がエラーを起こし,リカバリーのオペレーションを何度も経験した.リカバリー中の緊張感と衛星が正常に戻ったことを確認できた時の「よし!」という感覚は快感.私も運用中にエラーが起こらないかとずいぶん期待してしまったものだ.

  この映画,予想通り1度目より2度目の方が面白かった.もしかして3度目はもっと面白いのかも・・・また見に行きたいぞ.

  Nobody, nobody can erase my footmarks on the moon.
  (誰も,誰も月面にある私の足跡を消すことはできない)
ジーン・サーナン(アポロ17号船長.月面を歩いた最後の人間)
・・・かっこいい・・・(記憶している英語は違っていたかもしれないけど)

  明け方,今朝もまた鹿林彗星を狙おうと外に出た.
2009年1月20日 自宅にて
今朝の月は鹿林彗星のすぐ近く.「これじゃあ(彗星は)無理か」ということで撮影は断念.「ザ・ムーン」のおかげで以前よりずっと月が好きになったけど,やっぱり天体写真にとって邪魔ものであることに変わりはなかったのであった.

SETI@home 現在の順位 世界…78,373位(/930,682人)国内…2,838位(/25,660人)
Einstein@home 現在の順位 世界…13,481位(/219,138人)国内…262位(/3,240人)

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2009年1月17日 (土)

ザ・ムーン

  昨日(16日)から公開の映画「ザ・ムーン」を見に行った(つい先日は「地球が静止する日」を見たが,10日も経たないうちに映画館で2本の映画を見たのは実は我が人生初!).

  すばらしい.

  この映画,俳優もなし.ナレーションもなし.しかし,アポロ11号から17号まで,事故により月に着陸できなかった13号(帰還は絶望視されていたが,宇宙飛行士は全員無事生還,後に「輝かしい失敗(Successful failure)」と呼ばれることになり,船長だったジム・ラヴェルの著書“Lost Moon”をもとに映画化されたのが「アポロ13」である)を含めて7機の月着陸船で月へ行った宇宙飛行士のうち10人もが登場する豪華さ!
  CGを使った「リアルな」映像が多く使われる映画が多い中,そのようなものは一切なく,「リアリティーがある」ではなく「リアル(現実)そのもの」の映像の迫力!実際に宇宙船で月に行った宇宙飛行士たちが語る言葉の重さ!

  時々陰謀説が囁かれるアポロ計画だが,実際に月に行った宇宙飛行士の
「誰も私の足跡を消すことはできない」
という言葉にはもの凄く説得力があった.

  月面を子供のように(と言ったら失礼か?)走り回る宇宙飛行士たちの姿・・・気持ちいいんだろうなぁ・・・やっぱり行ってみたいぞ・・・無理だけど.
「遠くに小さく見える地球には30億の人が暮らしているが,この広大な世界(月)には2人しかいない」
そんな気分も味わってみたい.

他にもいくつも心に残った言葉があったが,ネタバレになりそうなのでこの辺で(しかしそのうちのいくつかは誰が言ったか覚えていない・・・また見たいぞ).

  帰宅後はやっぱり月の写真を撮りたくなった.いつもはポタ赤&望遠レンズで済ませるところだが,こういう経験をした直後というのは気合が入るもので,きっちりEM-400とR200SSを持ち出して撮影.
月齢20.3 2009年1月17日
(クリックで拡大,600 × 600 pixel,46kb)
あそこを歩いた人がいるんだよねぇ...

  ついでに鹿林彗星も同じ機材で.導入には結構苦労したけど.
鹿林彗星 2009年1月17日
う〜ん,でもやっぱり尾は良くわからないなぁ.

  「ザ・ムーン」に感激,そして月と鹿林彗星を撮影.いやなかなかエキサイティングな夜だった.

SETI@home 現在の順位 世界…78,266位(/929,550人)国内…2,831位(/25,627人)
Einstein@home 現在の順位 世界…13,467位(/218,876人)国内…262位(/3,235人)

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2007年12月 9日 (日)

宇宙の果て

  土曜の25:00(つまり日曜の午前01:00)から「芸能界宇宙部」(チャンネルは忘れた)という番組が放送されているのをご存知だろうか.
  この番組,数人の芸能人が「宇宙」をテーマに研究発表をし,専門家がそれについてコメントするという,番組の企画としてはごく平凡と言ってもいいバラエティー番組なのだが...
  普通,このテの番組だと,その「研究発表」の内容がごくありふれていてちょっと天文をかじった人ならだれでも知っているものだったり,奇をてらった「エセ科学」だったりするのだが,この番組では最新の天文学にまで踏み込んでいて,ちきんと科学の裏打ちのある内容が扱われ,専門家がこれまた専門的見地からきちんと解説やツッコミをしてくれる.
  先週の第1回が「ブラックホールについて」,「宇宙人について」他.ブラックホールも安易にSF的な見方をせず,相対性理論まで踏み込んで議論がなされていたし,宇宙人もUFOや安直な宇宙人の怪しい画像などを持ち出すことをせず,太陽系外惑星探査の話や,生命が存在できる「ハビタブルゾーン」についての話題など,天文に詳しい人が見ても実に面白いと思う内容.この番組,是非ゴールデンタイムに放送して欲しいと思った.
  そして今回は第2回.今回もまた濃く深い内容の研究発表がなされていた.「タイムマシーンは実現可能なのか?」ではアインシュタインの相対性理論から,「運動の速度が大きければ大きいほど時間が進むのが遅いから,未来へ行くタイムマシーンは可能」という結論.つまり,未来へ行くタイムマシーンなら,可能な限り高速なロケットを作れば良いということで(それそのものは難しいのだろうが),別に特別はことをするわけではないから理論的には簡単.ただし(ここのところが安易なバラエティー番組と違うところ),光速を越えることはできないから過去へ行くタイムマシーンは不可能(もし光速を越えられれば時間軸の−の方向に運動することになるので過去に遡ることになる)と結論していた.
  そして一番印象に残ったのが「宇宙って何?」という内容.地球の大きさから始まり,太陽系や銀河系の姿.「天の川銀河」を含む局所銀河群(という言葉そのものは出てこなかったが),そして銀河団や超銀河団へ.さらにその先は?・・・「分からない」という研究発表だったが,そこは専門家がコメントをして,「知っているところまでが宇宙」という結論.
  一見,この結論はあまりに乱暴で,まやかしのような気がするだろうが,私自身,これと同じ様な話を5,6年前,当時国立天文台の台長だった海部先生の講演会で聞いた.その時は「宇宙の果ては認識の果て」という言い方だったが,つまりは「知っているところまでが宇宙」という言い方をしても本質的には違わない.もう少し科学的な匂いのする言葉を使えば「お互いに何の因果関係も及ぼさないものはお互いに存在しないのと同じ」ということなのだ.やや分かり易い例えを持ち出せば,北海道にいる蟻にとって,沖縄にいる蟻など存在しないのと同じ」ということだ.現在考えられている宇宙の年齢は137億歳.137億光年先からやってくる光は地球に届くまで137億年かかってしまうから,その先がもし存在していたとしても現在の我々にその光が届くことは決してありえない.宇宙で光より速いものは存在しないから,137億光年より遠いところからは何の情報も届かない,したがって,我々とは何の因果関係もないので「存在しない」と同じことになるのだ.
  ・・・というのは天文学上での話.もう少し我々の日常に沿って考えてみると・・・
  普通に生活していれば,夜空に見える星はもとより,月や太陽までの距離だって意識することはない.乱暴な言い方をすれば,空に見えるのは月や太陽や星だけでなく飛行機だって「空に見えている」だけで何の違いもない.つまり,距離を意識し,それを実感しない限り,その人にとっての宇宙の果ては地上せいぜい十数kmということになる.それが月までの距離を何らかの方法で実感することができれば(「月までの距離が大体35万〜40万km」とかいう数字を知っていてもそれが実感(というか頭の中でイメージ)できなければやっぱり同じ)宇宙の果てまでざっと40万kmに広がり,太陽までの距離を同様に実感できれば宇宙の果ては1億5000万km.さらに遠い天体までを実感できるようになればその人にとっての宇宙の果てはどんどんと広がっていくことになるのだ(そして究極には137億光年まで広がる訳だ).
  「お互いに因果関係を持たなければ存在しないのと同じ」という考え方,実は私が天文に関わっている原点だったりする.星を見続けるのも,天体写真を撮るのも,自作プラネタリウムを作るのも.「見たことがない」天体は私にとって「存在しない」ことと同じだから,たくさんの天体を見てみたい.見ただけではその天体が私にとってあまりに「存在がうすい」から,たくさんの天体を写真に撮り,その天体について調べ,その「存在感」を感じたい.自作プラネタリウム“PPLS-1では遂に8.5等星まで,約65,000個の星の穴を開けたから,その全てと私の間には小さいながらも因果関係があることになり,双眼鏡でなければ見えない星に至るまで,夜空に見えている全ての星は私にとって間違いなく存在している星ということになる.
  さらに,「認識の果ては宇宙の果て」だから,遠い天体を認識することで私にとっての宇宙の果てが広がることになるから,より遠い天体に憧れる.せっかくだから自分のこの「目」で遠い天体を捉えたい.それが無理ならせめて写真で.現在までで,眼視ではおとめ座銀河団のいくつかの銀河が最遠でその意味では宇宙の果てまで約6000万光年.写真ではしし座銀河団の2億7000万光年,ペルセウス座銀河団の2億3000万光年,コンパクト銀河群HCG56の4億光年(クエーサー 3C273 の20億光年なんてのもあるけど,これはやや特殊なのでここではちょっと除外)などで,こちらでは宇宙の果ては2〜4億光年といったところか.天文学上の宇宙の果ては137億光年,私にとっての宇宙の果てはせいぜい4億光年.私自身が生きている間に「私にとっての宇宙」をどこまで広げられるのか...可能な限り,挑戦を続けていきたいと思っている.

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実はまだ書きたいことがあるので今日の記事はもう一つ!・・・たぶん・・・

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