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2016年11月30日 (水)

フライト LF-1

  ペーパークラフト国際宇宙ステーションシリーズ,第50回の今回は,フライト LF-1.「コロンビア号空中分解事故」後の飛行再開ミッションでもある.

  2005年7月28日,STS-114ミッションのスペースシャトル「ディスカバリー」がドッキングした.なお,このフライトでは,ミッション・スペシャリストとして,日本の野口聡一宇宙飛行士が搭乗していた.
  このフライトまで2年と5ヶ月に及び,スペースシャトルの飛行を凍結させることになった,「コロンビア号空中分解事故」は,打ち上げ時に燃料タンク上部の「バイポッド・ランプ」から断熱材が落下,「コロンビア」の熱防御システムを損傷させていたことが原因であった.再びこのような事故が発生することを防止するため,このフライトから,ペイロード・ベイ右舷側に「オービター・ブーム・センサー・システム(Orbiter Boom Sensor System : OBSS)」が搭載された.これは,先端にテレビカメラとレーザー・センサーを取り付けた延長ブームで,軌道上でオービターのロボットアーム(Shuttle Remote Mamipulator System : SRMS)の先端に接続,機体の熱防御システムを検査するためのものである.また,ISSにドッキングする直前にISSの近くで機体を一回転させ,ISSから滞在クルーが機体の詳細をデジタルカメラで撮影する「ランデブー・ピッチ・マヌーバ」もこのフライトから行われることとなった.
  7月26日の打ち上げの際に撮影された映像から,打ち上げ後に外部燃料タンクから数度に渡って断熱材が落下していたことが学人され,(少なくとも)そのうちの1つがオービターの右翼に衝突していた.OBSSを用い,レーザースキャンと画像診断を行った結果,このフライトでは問題がないことが確認されたが,後のフライトでも打ち上げ時に同様の状況が発生した場合,オービターの熱防護システムに損傷を及ぼす危険性があると考えられたため,7月27日,外部燃料タンクからの断熱材落下の問題が解決するまで,スペースシャトルの全ての飛行が延期されることが決定された.

  まずはSTS-114「ディスカバリー」↓.
1/100スケールペーパークラフトによる STS-114「ディスカバリー」 ペイロード・ベイ右舷側にOBSSが搭載されている.

  「ユニティ」船首側の「PMA-2」にドッキングして↓.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2005年7月28日の状態)
ドッキングした状態の「ディスカバリー」↓.
国際宇宙ステーションにドッキングした STS-114「ディスカバリー」

  7月29日,「ディスカバリー」のペイロード・ベイから多目的補給モジュール「ラファエロ」が取り出され, 「ユニティ」地球側の共通結合機構の取り付けられた.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2005年7月29日の状態)  「ユニティ」地球側に取り付けられた「ラファエロ」↓.
「ユニティ」地球側に取り付けられた「ラファエロ」 このフライトから,側面のビジュアル・ターゲットが無くなっている.
↓こちらは,フライト 6A (2001年4月24日)のラファエロ.
「ユニティ」地球側に取り付けられた「ラファエロ」(2001年4月24日)

  7月31日,船外作業により,フライト 7A.1 で取り付けられた2つの材料曝露実験装置(MISSE-1およびMISSE-2)が回収された.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2005年7月31日の状態)MISSE回収後の「クエスト」↓.
MISSE回収後の「クエスト」こちらが回収前(と言うか取り付け時)↓
「クエスト」に取り付けられた2つの「MISSE」

  8月4日,「船外保管プラットフォーム-2(ESP-2)」が「クエスト」船首側の外壁に取り付けられ,さらに,新たな材料曝露実験装置(MISSE-5)が「P6トラス」上端部右舷側に取り付けられた.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2005年8月4日の状態)クエスト」船首側外壁に取り付けられた 「ESP-2」↓.
「クエスト」船首側外壁に取り付けられた「ESP-2」P6トラス」上端部右舷側に取り付けられた「MISSE-5
「P6トラス」上端部右舷側に取り付けられた「MISSE-5」

  8月5日,「ラファエロ」が取り外され,「ディスカバリー」のペイロード・ベイに格納された.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2005年8月5日の状態)

  8月6日,STS-114「ディスカバリー」分離.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2005年8月6日の状態) 前述のように,この後のスペースシャトルの全ての飛行が延期されることとなったため, 次にスペースシャトルがドッキングするのは2006年7月6日(STS-121「ディスカバリー」)のことである(この時点では未定).

「フライト LF-1」としてはここまでだけれど,次の「フライト 19P」の前に,

  9月7日,プログレス補給船(M-51)が分離.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2005年9月7日の状態)

・・・というわけで,実に久しぶりのスペースシャトルのフライト.
がしかし,この後またしばらく「ソユーズとプログレスを付けたり外したり」に逆戻り.

はぁ,先は長い.

完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ→ “Flight LF-1

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2016年11月11日 (金)

US V-2 No.59

  ペーパークラフトロケットシリーズ,今回は
1/100スケールペーパークラフトによる US V-2 No.59 第二次世界大戦後,アメリカで実験に用いられた“V-2”ロケットの中の1機.型紙は”Niels papermodels ”から.

  第二次世界大戦終結後の1946年3月から,アメリカでは,ホワイトサンズの実験場で,ドイツから持ち帰った“V-2” ロケットを用い,様々な実験が行われていた.
  モデルはその”No.59”.上層大気のサンプルを回収するための容器合計7つ(500立方インチ(8.19リットル)×6個,2100立方インチ(34.41リットル)1個)が3本のキャニスターに収められ,もともと弾頭が取り付けられていた先端部に取り付けられていた.
  1952年5月20日に打ち上げられたこの機体は最高高度122kmに到達,ノーズコーンの射出ロケットが作動しなかったものの,サンプル容器は無事本体から分離,パラシュートによって回収された.
  ホワイトサンズでの“V-2” ロケットを用いた実験は1952年まで続けられ,合計67機が打ち上げられた.打ち上げの成功率は70%程度にとどまったが,失敗に終わった打ち上げからも貴重な経験と情報が得られ,打ち上げの成功・失敗を問わず,後のロケット開発への貴重な資産となっていったのである.

  というわけで,”No.3”に続いてNo.59.”No.3”がほぼ「そのまんま」だったのに対し,こちらはアンテナ(フィンの下の方)が取り付けられたり,先端に回収容器が取り付けられたりと,だいぶ改変され,飛行状態の確認や実験だけでなく,上層大気の研究にも役立てられていた.

  で,“V-2”ロケットご家族御一同様の集合写真.
1/100スケールペーパークラフトによる V-2 ファミリー
左から,“A4(V-2)”,“US V-2 No.3”,No.59,“バンパー-Wac”.

   「第二次世界大戦後,“V-2” ロケットはアメリカにも渡り,それがアメリカでの宇宙開発の出発点となった」ということは広く一般的に知られているけれど,「どのように」ということはあまり知られていない.なので,こういう機体が「立体」として見られるということは,結構貴重な資料になるのではないかと自画自賛.

完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ.→US V-2 No.59

ロケットのペーパークラフトは是非↓こちらもご覧ください
PASA : Papercraft Aeronautics and Space Administration

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