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2016年8月10日 (水)

デルタ IV ヘビー (オライオン EFT-1)

  ペーパークラフトロケットシリーズ,今回は久々に大物.
デルタ IV ヘビー (EFT-1) アメリカの次期有人宇宙船「オライオン(オリオン)」,その最初のテスト飛行である “EFT(Exploration Flight Test-1” ミッションの打ち上げに使われたロケット,デルタ Ⅳ ヘビー.型紙は “AXM Paper Space Scale Models”から.
  デルタ IV ロケットは,アメリカ空軍により1994年から始まった,「発展型使い捨てロケット(EELV)計画」によりアトラス Ⅴ と共に開発・実用化されたロケットである.
  デルタ Ⅳ ロケットの第一段は,液体酸素と液体水をを用いるエンジンとしては2016年現在世界最強の推力を発揮する “RS-68” エンジン1基を持ち,「コモン・ブースター・コア(CBC)」と呼ばれる.デルタ Ⅳ ロケットには,1基のCBCに第二段としてデルタⅢロケットの第二段を加え,直径4mのフェアリングを用いる,最も基本的な「デルタ Ⅳ ミディアム(デルタ 9040)」の他,これにアライアント・テック・システムズ社製の固体燃料補助ロケット「GEM-60s」2基を加えた「デルタ Ⅳ ミディアム+(4,2)(デルタ 9240)」,第二段の液体水素タンクの直径を5mとし,液体酸素タンクも延長,直径5mのフェアリングを用いる「デルタ Ⅳ ミディアム+(5,2)(デルタ 9250)」,さらに2基の「GEM-60s」を加え4基とした「デルタ Ⅳ ミディアム+(5,4)(デルタ 9540)」,そしてCBCを3基束ねた「デルタ Ⅳ ヘビー(デルタ 9250H)」という派生型が存在する.中でもこの「デルタ Ⅳ ヘビー」は,2016年現在,現役のロケットとしては世界最大・最強を誇る.
  液体酸素・液体水素を用いたエンジンは,比推力は非常に大きいものの,固体燃料ロケットに比べ瞬発力に劣る.そのため,固体燃料ブースターを用いないデルタⅣヘビーロケットは打ち上げ直後はゆっくりと上昇して行く.現時点で世界最大のロケットがゆっくりと上昇して行く姿は迫力満点である.また,打ち上げの際には,機体の端から帰化して漂っている水素に引火,機体全体が炎に包まれるように見え,また,時には第一段の断熱材にも引火,機体が炎から抜けだした時には,第一段が黒焦げになっていることもある.
  「EFT(Exploration Flight Test-1」は,オライオン宇宙船の最初の無人試験飛行である.最初はアメリカ東部標準時2014年12月4日午前07時05分(日本時間同日21時05分)に打ち上げ予定だったが,打ち上げ危険海域に小型船舶が侵入したため12分延期(Hold),07時17分(同21時17分)と07時55分(同21時55分)は風速が上限を越えたため延期(Hold),さらに08時26分(同22時26分)に再設定された打ち上げ時刻の03分09秒前に第一段の「ドレイン・バルブ」に異常が発見されさらに延期(Hold),一時は打ち上げ時刻が09時44分(同22時44分)と発表されたが,それまでに問題は解決せず,翌日に延期となった(Scrub).結局翌12月5日午前07時05分(同21時05分)に打ち上げられ,3時間05分後,「オライオン」は最高高度5,800kmに到達した.さらに,打ち上げから4時間13分後に「オライオン」先端のカプセルが大気圏に突入,その7分後にパラシュート展開,そして,打ち上げから4時間24分46秒後のアメリカ東部標準時12月5日11時29分(日本時間翌6日午前1時29分),太平洋上に着水した.
  なお,今回はテストのため無人での飛行ではあったが,最高高度は5,800km,「アポロ計画」以来,最も地球から遠くまで到達した「有人宇宙船」となった.

  この打ち上げ,職場でネットのライブ中継を見ていたのだけれど,21時05分に打ち上げられるはずがどんどん延期,遂にみんな帰ってしまったがそれでもこの歴史的な打ち上げを見逃すまいと一人で粘っていた.22時26分の延期の後,「さすがに今日はもうダメか」と帰り支度を始めたところで「22時44分に再設定」との情報が入り,さらにそこまで粘っていたのだけれど,この日は結局打ち上げ中止.

  で.

  翌日の打ち上げ予定時刻は丁度観望会の終わり頃だった.観望会参加者も皆その時刻まで粘り,即席の「パブリックビューイング」となったのだが,肝心の「カウントダウン0」の直前にNASAの映像が途切れ,映像が戻った時には「行っちゃった後」.散々振り回された挙句,結局「歴史的な打ち上げの瞬間」は見られなかったのであった.

  それはともかく…

  まずはオライオン宇宙船(デルタⅣ2段目つき)↓
1/100スケールペーパークラフトによる オライオン宇宙船 コイツの工作の難しかったこと!

  先端のカプセルは分離できるしかけ.
オライオン宇宙船のカプセル
パーツ差し替えでこんな遊びもできます.
デルタ Ⅳ ヘビー ロケット本体,オライオン宇宙船とLES
エンジン部分↓.
デルタⅣヘビー エンジン部分 ここも難しかった!
ペーパークラフトをやる方はわかるとおもうのだが,こういう複雑な曲面が一番難しい.特に,凸面はともかく,凹面を綺麗に保つのはと〜っても大変.
  さらに,オリジナルの型紙の通りでは,
CBC同士のつなぎあわせの部分の強度が確保できるとは思えず,実機の写真を参考にほぼ自作.

  そんなこんなで,かなりの苦戦を強いられたが,なんとか完成できたので,打ち上げロケットとオライオン宇宙船を並べて一枚.
デルタ Ⅳ ヘビー と オライオン宇宙船

  ところで,見ての通り,デルタⅣはデルタⅢまでと似ても似つかないロケット.で,
「これのどこがデルタやねん!」
と思っていたら,2段目がほぼデルタⅢと同じ(または発展型).

  もともと,デルタロケットというのは,「ソー・デルタ」が元で,NASAが「純粋な科学目的のロケットに弾道ミサイルの名前(ソー)が使われているのは嫌だ」というので,二段目の名前をとって「デルタロケット」と呼ぶようになった.ならば,デルタⅢと2段目がほぼ同じならこれもまたデルタというのもある意味「デルタらしい」とも言えるのかも.

完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ.→Delta Ⅳ Heavy (EFT-1)

ロケットのペーパークラフトは是非↓こちらもご覧ください
PASA : Papercraft Aeronautics and Space Administration

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