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2015年8月18日 (火)

J-I

  ペーパークラフトロケットシリーズ,今回は
1/100スケールペーパークラフトによる J-ⅠH-Ⅱの固体燃料ブースターとΜ-3SⅡの上段を用い,日本で初めて既存のロケットを組み合わせて開発された小型衛星打ち上げ用ロケット,J-Ⅰ.型紙は非公開(種子島在住の@mageshiman1025さん作).
  日本では,
H-Ⅱロケットにより,大型ロケットの純国産化に成功したが,今後予想される小型衛星打ち上げの需要に対応するため,合わせて小型ロケットも保有する必要があるとされた.当時,宇宙科学研究所によって開発されたミュー・ロケットシリーズがあったが,これらは科学衛星打ち上げのためのもので,打ち上げる衛星に合わせた使用の機体に仕上げる必要があった.
  このため,実用小型衛星打ち上げに対応する小型ロケットの開発が検討されたが,開発・製造の費用を抑えるため,既存のロケットを組み合わせて開発する手法がとられた.そして,第一段にH-ⅡSRBを,第二段および第三段にはΜ-3SⅡの上段という組み合わせが決定された.
  しかし,SRBは本来コア機体の側面に取り付けられる補助ブースターであるためにロール(機体の進行方向に対する回転)制御機構がなく,独立したロケットの第一段として用いるには,この制御機構を新たに開発しなければならなかった(機体下部左右に見える円筒形のものが,ロール軸制御のためのサイドジェット装置である).また,H-ⅡΜ-3SⅡでは,打ち上げ・誘導方式,さらには飛行マヌーバも違い,これらを組み合わせるためには,格段の誘導制御装置に大幅な改変を加える必要があった.

  そのサイドジェット装置がこちら↓.
J-Iロケット下部のサイドジェット装置
  こうした様々な問題を乗り越え,1号機が完成,1996年2月21日,大気圏に突入する実験を行うための「HYFLEX」を搭載して打ち上げられた.打ち上げは成功,「HYFLEX」の機体そのものの回収には失敗したものの,大気圏再突入のデータは無線で取得することに成功した.
  既存の技術を組み合わせて開発することで開発費用を抑えるはずだったが,結局高額なロケットになってしまったことなどから,打ち上げられたのはこの1号機のみで,2001年に計画は中止されてしまった.

  ・・・というわけで,やや(かなり?)マニアックな機体.それにしても,@mageshiman1025さん作の型紙は容赦なく難しい.でもその分,難しさをクリアすることができれば,非常に精密感の高い作品に仕上がるので,頑張る甲斐があるというもの.
  で,その@mageshiman1025さんにたくさんの日本のロケットの型紙を頂いたので,今後はISSの製作と並行して日本のロケットのラインナップを充実させて行くことになる・・・はず.ちなみに,現在明石市立天文科学館で開催中の「紙の宇宙博2015」では,@mageshiman1025さんご本人の製作による作品がたくさん展示されています.
@mageshiman1025さんによる日本のロケットたち

  こういうところの作り込みが半端じゃないです.
半端じゃない作りこみ
  お近くの方,興味のある方は是非どうぞ.必見!

完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ.→J-Ⅰ

ロケットのペーパークラフトは是非↓こちらもご覧ください
PASA : Papercraft Aeronautics and Space Administration

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