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2014年6月17日 (火)

デルタ II 7925-298(スピリット)

  ペーパークラフトロケットシリーズ,今回は
1/100スケールペーパークラフトによる デルタ Ⅱ-7925-298 (「スピリット」打ち上げ機) 1986年のチャレンジャー号空中分解事故の後,廃止されていたデルタロケットの後継として運用されていたアメリカの衛星打ち上げロケット,デルタ .型紙は “Aries Paper Models” から.
  大陸間弾道ミサイル「ソー」を第一段とし,上段に「デルタ・ロケット」を用いた「ソー・デルタ」.後に全体が「デルタ・ロケット」と呼ばれるようになり,改良・発展しつつ,アメリカの主力ロケットとして活躍していた.
  1981年にスペースシャトルが初飛行に成功,これにより,アメリカではそれまでに用いられていた全ての使い捨てロケットが廃止された.しかし,1986年1月,スペースシャトル「チャレンジャー号」が打ち上げに失敗,空中分解して失われ,スペースシャトルの打ち上げは当分凍結された.これにより,アメリカは一時,全ての人工衛星打ち上げ能力を喪失するという事態に陥ったため,使い捨てロケットの生産が再開されることとなり,「タイタン」,「アトラス」等とともに,「デルタ」も歴史の舞台に再登場することとなった.
  スペースシャトル登場前に運用されていた「デルタ」(1000,2000,3000,4000,5000の各シリーズ,この「デルタ 」の登場により,「デルタ 」と呼ばれるようになる)の第一段タンクを延長したのがデルタ 6000シリーズであった.そして,主エンジンを改良,SRBをキャスターⅣAからGEM-40に変更,打ち上げ能力の強化が図られたのがデルタ 7000シリーズである.
  デルタロケットシリーズは,型名として4桁の数字が用いられる.1桁目(千の位)はコアステージを表し(6000シリーズならば“6”,7000シリーズならば“7”),2桁目(百の位)がSRBの数,3桁目(十の位)は2段目エンジン種類(モデルによって0〜2),4桁目は3段目の固体ロケットモータの種類(モデルによって1〜6,3段目が用いられない場合は0)である.また,機体側面には青い三角形と,その中に番号が描かれているが,青い三角形は無論「デルタ」の意,番号はソー・デルタ 1号機から起算した通し番号である.
  モデルは2003年6月10日,火星探査車「スピリット」を打ち上げた時のもので,デルタ 7000シリーズ, SRBが9基,2段目のエンジンは再着火可能な “AJ-10”,3段目のロケットモータは “Star 48B”,そして298番目の機体であることから,“Delta -7925-298”ということになる(ちなみに,「スピリット」と双子の探査車「オポチュニティ」の打ち上げが299番目,300番目は「シュピッツァー赤外線望遠鏡」であった).
  打ち上げから7ヶ月後の2004年1月4日,「スピリット」は,火星のクゼフ・クレーターに軟着陸に成功した.計画では活動期間は3ヶ月だったが,それを大きく超え,5年以上にわたって活動を続け,火星表面を移動しながら貴重なデータを地球に送り続けていた.しかし,2009年5月,砂地に車輪を取られて動けなくなり,唯一の電源である太陽電池で充分な発電を行う位置に移動することや姿勢をとることができなくなったため,2010年3月22日を最後に通信が途絶,2011年5月11日,運用終了が正式に宣言された.
  なお,「スピリット」に取り付けられているミドル・ゲイン・アンテナの裏には,打ち上げ直前に起こった「コロンビア号空中分解事故」によって亡くなった7人の宇宙飛行士を記念するプレートが取り付けられており,「スピリット」の着陸地点も「コロンビア・メモリアル・ステーション」と名付けられている.

  ↓機体側面に描かれた“デルタ”と“298”,そして「スピリット」
機体側面に描かれた「スピリット」

↓エンジン部分.
Delta Ⅱ-7925 エンジン部分 9本あるSRBのうち,120°ごとに配置された3本だけノズルが大きい.
  別段,難しい作業というわけでもなかったけれど,ほぼ同じものを9つも作るというのは結構飽きるもので・・・

  とにもかくにも,「コレクションとして欠かせない一機」が完成してちょっと安心.

完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ.→Delta Ⅱ-7925-298 (MER A “Spirit”)

ロケットのペーパークラフトは是非↓こちらもご覧ください
PASA : Papercraft Aeronautics and Space Administration

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2014年6月 6日 (金)

アンタレス(ロケット)

  ペーパークラフトロケットシリーズ,今回は
1/100スケールペーパークラフトによる アンタレス  アメリカの民間企業「オービタル・サイエンシス」が開発・運用を行っている(「オービタル・サイエンシス」は2014年4月末,ATK社の航空宇宙・防衛部門と合併の上「オービタルATK」という社名になることに合意が成立した)中型ロケット,「アンタレス」.型紙は “AXM Paper Space Scale Models”から.
  やはり「オービタル・サイエンシス」が開発・運用していた「トーラス」の後継機として,「トーラス」という名前で計画されていたが,2011年12月に「アンタレス」という名前に変更された.ただし,「トーラス」が全段固体燃料ロケットであるのに対し,この「アンタレス」は第一段には液体燃料を用いる.
  その第一段に用いられている “AJ26-62” エンジンは,旧ソ連の「N-1」ロケットの第一段に用いられていた “NK-33” をアメリカのエアロジェット社が購入・改修したものである.第一段下部には2本のノズルがあるが,ロシア系のエンジンに良く見られるように「これで1基のエンジン」ではなく,見た目の通り,第一段のエンジンは2基である.また,第一段のタンクは「ゼニット」ロケットの第一段タンクを延長したものである.第二段は固体燃料ロケットで,大陸間弾道ミサイル「ピースキーパー」に第一段に使われていたロケットモーターに起源をもつ「キャスター30」が用いられている.
  初の打ち上げは2013年4月21日.この時は国際宇宙ステーション補給機である「シグナス」のダミーペイロードの他,4機のキューブサットを搭載していた.打ち上げは成功,4機のキューブサットも予定通りの軌道に投入された.その後,同年9月の打ち上げでは「シグナス」が初飛行,そして2014年1月には「シグナス」の最初の商業補給飛行に成功している.なお,3回めの打ち上げから,2段目のロケットモーターを「キャスター30B」に変更,打ち上げ能力が強化されている.

  1/100スケールペーパークラフトによる アンタレス(エンジン部分)エンジン部分.上に書いたように,ロシア系のエンジンではあるが見た目の通りエンジンは2基.

  ファルコン9にしろ,このアンタレスにしろ,民間が開発したロケットというのは形が単純.多くの部品を共通にしてコストを下げるためだろうか.

  まぁ簡単と言えば簡単だ.あまりに簡単すぎて模型としての面白味には欠けるがな・・・(○ルターク少佐風・・・謎)

完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ.→Antares

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PASA : Papercraft Aeronautics and Space Administration

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