ゼニット-2
ペーパークラフトロケットシリーズ,今回は かつてはエネルギア・ロケットのブースターとしても用いられた,ロシア・ウクライナの現用衛星打ち上げロケット,ゼニット-2.型紙は“Ariespapermodels”から.
ゼニット・ロケットの開発は,エネルギア・ロケットのブースターとして用いることの他,最初から単独の衛星打ち上げロケットとして用いることも想定して1976年に始まった.
エネルギア・ロケットの開発が遅延したため,最初の打ち上げは2段目を加えた「ゼニット・ロケット」として,1985年4月に行われた.この最初の打ち上げは失敗してしまったものの,6月に行われた打ち上げで弾道飛行に成功,そして10月に行われた3度目の打ち上げで,人工衛星の軌道投入に成功している.その後,単独で数回人工衛星を打ち上げた後,1987年5月,「ポリウス」を搭載したエネルギア・ロケットのブースターとして,そして,同年11月には,「ブラン」を搭載したエネルギア・ロケットのブースターとして打ち上げられている.
エネルギア・ロケット開発の延長線上には,「ブラン」のシステムを発展させた「ウラガン」,エネルギアを縮小してメイン・エンジンを一基とし,ブースターの数も減らした「エネルギア-M」,エネルギアをコアステージとして用い,逆にブースターの数を増やし,さらに上段を加えて巨大ロケットとする「ヴァルカン」等,様々な発展型の計画があったが,1991年にソビエト連邦が崩壊,計画は全て凍結されることとなった.
しかし,ブースターとして用いられたロケットの生産はその後も続けられ,2段目を加えたこの「ゼニット-2」をはじめ,3段目が加えられてシーローンチ社が海上プラットフォームから打ち上げる「ゼニット-3SL」,さらに増強型でバイコヌール宇宙基地から「ランド・ローンチ」として打ち上げられる「ゼニット-3SLB」など,2013年現在でも現役で活躍中である.
↓ロケットの最下部. やっぱりロシアのロケット.エンジンはクラスターである.ただし,燃焼室とノズルは4つだが,ターボポンプは1つ,これで1つのユニットである.
さて,製作で最も苦労したのがこちら↓. 第一段と第二段をつなぐトラス部分.この部分,もともとのキットではテクスチャで表現されており,オプションとして切り抜くようになっていた.しかし,そのオプションのトラスはちょっと細部のディテールに欠けていたので,もともとのテクスチャを切り抜いて作ってみた.
寸胴な姿のため写真では小さなロケットに見える(私も製作にかかるまでそう思っていた)が,実は全長57m,かなり大きなロケットである(第一段はエネルギアのブースターでもあるので当然と言えば当然なのだが).こうして,平面的な写真では気づかないことも立体にすることで実感できるのも,模型製作の面白さではある.
完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ.→Zenit-2
ロケットのペーパークラフトは是非↓こちらもご覧ください
PASA : Papercraft Aeronautics and Space Administration
| 固定リンク
「ペーパークラフト」カテゴリの記事
- フライト ULF-1.1(2017.06.13)
- ペガサス-XL(2017.04.23)
- フライト 22P(2017.03.22)
- ファルコン 9 v1.2 フル・スラスト(2017.03.21)
- フライト 21P(2017.03.08)
コメント