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2013年2月16日 (土)

小惑星 2012DA14

  今朝早く,2012DA14という小惑星が地球のすぐそば,しかも静止衛星軌道より内側を通り抜けて行った.

  この情報は事前に話題になっていたので,その軌道を調べ,
「午前5時頃しし座δ星のあたりに網をはっていれば捕まえられるはず」
と思っていた.
  で,昨日の昼間,星図を見ていて気がついた.
「そこって,系外銀河トリオのすぐ近くじゃん」
ここは一つ,三つの銀河と共に小惑星の軌跡を写真に写してやろうという作戦を立てた.

  そして夕方.

  昨日の晩は市内某小学校で観望会の予定があったのだが,夕方は雨で,この観望会は屋内での天文教室となった.
(これ,朝までに晴れるのか?~)
  ベテルギウスの超新星爆発の話題など話しながら,心の片隅では翌朝の天気を心配していた(参加者の皆様,ごめんなさい)

  でも,天文教室が終わった頃には月がうっすらと見え出し,後片付けが終わって帰宅する頃にはかなり晴れ間が広がっていた.
「こりゃいけるかも!?」

  寝過ごしてしまわないように注意して,とりあえず就寝.

  目が覚めたのは午前3時頃.天気は・・・快晴!

  とにもかくにもポタ赤と望遠レンズを用意.
  まずは,狙ったあたりにカメラを向け,テスト撮影.
「よし,これでちゃんと写る!」
カメラのモニターに写し出された画像には,件の銀河たちが確かに写っている.
  そして,画像と星図を見比べ,小惑星の軌道がきちんと中央を通るように微調整.

  04:40頃.
  いよいよ撮影を開始.

  え?

  いきなり線になって写る天体があった.まだ早いじゃないか・・・って,これは人工衛星か・・・

  そして04:51.
「来た!」
画像には確かに南から北に移動する天体が写っている.いやぁ,カメラの画角に入ってきた時は感動した.

  そのまま,小惑星が画角から出て行くまで,30秒の露出を繰り返す.
  05:02頃,小惑星2012DA14は画角の北へと去って行った.

  撮影終了.満足して後片付けに入ったのだが,このタイミングで急に強い風が吹き始めた.
  何というタイミング!
  今朝使ったのはポタ赤.強風下ではブレてとても望遠レンズでの撮影なんぞできる訳がない.風が吹き始めるのが30分早かったらアウトだった.

  そして夜が明け,撮影した画像を「比較明」で合成したのが↓.
2012da14_130216_2 (クリックして是非大きな画像でご覧ください.1200 x 1800 pixel,884kb)
上下にまっすぐ貫いているのが小惑星2012DA14の軌跡,横切っているのが直前に見られた人工衛星,そして,右上の方には,フレアを起こしたとみられる人工衛星も写っている.また,小惑星の右側には,狙い通りM65,M66,NGC3628の3つの銀河たちもきっちり写っている.

・・・そういえば・・・

以前に撮った写真には↓こんなものも.
Ngc3628_030108 銀河はNGC3628,中心やや下に写っている線は,丁度通りかかった小惑星「アクィタニア」.

  ・・・「NGC3628の近くを小惑星が通過する」って,私には結構縁があるのかねぇ.

  ところで.

  この小惑星の撮影が終わり,「さっそくネットにアップ♪」と思ったところで,「ロシアで隕石が落下」というニュースを見つけた(遅い?).隕石の落下で多数のけが人が出たというのは多分史上初めての出来事.この隕石は北から南に向かう軌道で,2012DA14は南から北に向かう軌道なので両者には全く関係はないのだが,史上初めての出来事と,小惑星の「超接近」がほぼ同じ日に起こるなんて,こんなこともあるもんなんだねぇ.

  とにもかくにも,ロシアで被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます.

 

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2013年2月 8日 (金)

素数

  学生時代,私の身の回りで,「素数」がブームだった.駅のコインロッカーの前で,飲み屋や銭湯の下駄箱の前で,しばし考え込む.
「これ,素数だろうか?」
ロッカーや下駄箱で,自分が使うものの番号が素数かどうか確認するのである.もし素数を見つけたら,その番号の場所に自分の荷物や靴を入れるのである.会話の最中に,何らかの数字が話題に登ると,
「だってそれ素数じゃないじゃん」
とかいう無意味なツッコミが入ったりするわけだ.実に妙なブームではある.

  1999年,「コズミック・コール・プロジェクト」によって,近隣の星に向かって,あるメッセージが送信された.メッセージ全文はそこそこ長いものだったらしいが,その「表紙」には,そのメッセージを解読するためのヒントが書かれていた.それは,十進法と二進法で表した数字,その下に素数が小さい順にいくつか,そして,一番下には,1999年の時点で見つかっていた最大の素数が記されていた.↓このように.
2の3021377乗-1 これは1998年に発見された素数で,これの意味するところは,23021377-1,90万9526桁の素数である.つまり,我々の文明は,「これだけの大きさの素数を見つけられるレベル」ということでもあるのだろうか.
  その後も「最大の素数の発見」は続き,ついこの間まで,最大の素数は2008年に発見された243112609-1,1297万8189桁の素数であった.これを同様に表すと,
2の43112609乗-1 こうなる.そして,つい最近,さらに大きな素数が見つかったらしい.その素数とは,257885161-1,1742万5170桁の素数.これも同様に表すと
2の57885161乗-1
・・・

  どうやら,我々の文明も着実に進歩しているらしい.

 

この記事を読んで,「『最大の素数の発見』というニュースを見て,そんな画像作っているなんて,アンタ結構暇人?」と思った方,いやそうでもないんですよ.とりあえずこちらをクリックして応援(?)の投票をお願いします.→にほんブログ村 科学ブログ 天文学・宇宙科学・天体観測へ

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2013年2月 5日 (火)

片道切符

  今さら宇宙飛行士になれるわけないが,やっぱり宇宙には行ってみたい.生きているうちに一度でいいから,微小重力の環境でふわふわ漂いながら,眼下に「青い地球」を眺めてみたい.

  天文教室などの折にも,
「あと20年くらい生きた後ならば,『帰れる可能性が半分くらい』でも(宇宙に)行っちゃうかも」
なんて話をすることがある.いやもちろん半分は冗談なのだが,半分は本気.
  もうすぐ始まる商業宇宙旅行,もちろん現時点では私なんぞに届くお値段ではないが,もしかして生きているうちに「どうにかこうにか手が届く」くらいのお値段で行けるようになった場合に備えて,実は貯金もしていたりもする(まぁ行けなかったら行けなかったで,その貯金で「宇宙葬」でもしてもらうさ).

  こういう私は,かなり「いっちゃってる人」だと自分でも思っている.

  が,しかし!

  あまり一般的に広がってはいない話題だが,オランダの民間企業が企画している「火星移住計画」が実際に進んでいる.
  この火星移住計画は「マーズワン・プロジェクト」と呼ばれるもので,現状のロードマップでは,2022年に最初の宇宙飛行士が火星に向けて出発する予定ということになっている.そして2023年以降,2年ごとに2人の宇宙飛行士が火星に向かい,2033年には20人以上が火星で居住することになる・・・のだそうな.

  ただし!

  今のところ,地球に帰る方法はない.2033年か,あるいはその先になれば,どうにかして地球へ帰る方法が確立されるかもしれないが,その保証はどこにもない.現状では,基本的に「行ったきり」の「片道切符」.火星に無事到着したら,火星で人生を終えることになるということだ.そのあたりがマーズ「ワン」プロジェクトというわけだ.
  倫理的に問題があるんじゃないかという気がしないでもないが,実際にこのプロジェクトで火星に行く人を募集したところ,全世界から4万人近い応募があったとか.

  いや私だって,「スピリット」「オポチュニティ」,そして「キュリオシティ」が送って着た画像を見ていると,
「この光景を自分の目で見てみたい」
とつくづく思うし,上に書いたように,あと20年も生きた後なら,「帰れる確率は半々」でも宇宙に行ってみたいとは思わないでもないが・・・それはあくまで月くらいのとこまでの話で.

  火星まで行って,しかも帰れる可能性はほとんどない

  となるとねぇ.さすがに文字通り「火星に骨をうずめる」ほどの覚悟はないなぁ.

  世の中には,私以上に「いっちゃっている人」が実はたくさんいるらしい.

 

この記事を読んで,「いや確かに火星に行けるなら行ってみたいけど,『行ったきり』ってのはやっぱりちょっとねぇ」と思った方,こちらをクリックして共感(?)の投票をお願いします.→にほんブログ村 科学ブログ 天文学・宇宙科学・天体観測へ

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