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2013年1月31日 (木)

羅老號打ち上げ成功

  昨日(30日),韓国では羅老號の打ち上げに成功した.過去二回は打ち上げに失敗,打ち上げ前のトラブルで打ち上げが延期になったことも含めると,実に11回目の挑戦で遂に「自国から人工衛星の打ち上げに成功した11番目の国」ということになった(ちなみに,1958年の今日,つまり1月31日には,アメリカが「自国から人工衛星の打ち上げに成功した2番目の国」になった日だったりする).

  昨日打ち上げられた「羅老號」とは↓これだ.
1/100スケールペーパークラフトによる KSLV-1(羅老)第一段はロシアで開発中の「アンガラ」ロケットそのもの,第二段の固体燃料ロケットは韓国独自開発のものである.そして,実際の打ち上げに関わったのはロシアの技術者が多いらしい.「自国から打ち上げた」とは言え,そのロケットは独自開発したとは言い難く,「他人の褌で相撲をとった」感がないわけではない.
  それでも,とにもかくにも人工衛星の打ち上げには成功したわけで,とりあえずは喜んで良いのではないか.何をやるにも,「一度も成功していない」のと「一度だけでも成功した」のでは全然違う.少なくとも,現場で打ち上げに関わった技術陣の脳裏には,空に向かって上昇してゆくロケットの姿は刻み込まれただろう.それは,今後韓国にとっての「自前のロケット」開発においては大きな大きな推進力になるに違いないと思う.

  一連のニュースの中で,
「最後の打ち上げを控え、彼らにはもう後がなかった。打ち上げ日が決まると、羅老宇宙センターは悲壮感が漂った。また失敗するのではという思いから、ひげも剃らず、下着も着替えず、準備に没頭した研究員も多かったという。」
という記述もあった.「宇宙開発」という難題に挑む科学者・技術者の想いは,古今東西皆一緒なのかもしれない.

 

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2013年1月30日 (水)

フライト 7A

  ペーパークラフト国際宇宙ステーションシリーズ,第21回の今回は,フライト 7A.

  2001年7月14日,STS-104ミッションのスペースシャトル「アトランティス」がドッキングした.このミッションでは,「クエスト・ジョイント・エアロック」が取り付けられる.

  まず,STS-104「アトランティス」.
1/100スケールペーパークラフトによる スペースシャトル「アトランティス(STS-104)」 ペイロード・ベイ前方には2つのスペースラブ・パレット,そこに取り付けられているのが,高圧ガスタンク(酸素用×2,窒素用×2).そして後方には「クエスト・ジョイント・エアロック」.

  「デスティニー」前方の「PMA-2」にドッキングして↓.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2001年7月14日の状態)  7月15日,「ユニティ」右舷側の共通結合機構に「クエスト・ジョイント・エアロック」が取り付けられ,続いて「クエスト」のクルーロック側面に船外作業用の足場が取り付けられた.
  「クエスト」は「装備ロック(Equipment rock)」と「クルーロック」の2つの円筒形のチャンバーが結合した(ジョイントした)モジュールで,アメリカの船外用宇宙服(EMU)とロシアのオーラン宇宙服に対応できる.宇宙飛行士が船外に出る際に用いるハッチは「クルーロック」の地球側に設けられている.このハッチは,基本的にはスペースシャトルのものと同様の構造だが,スペースシャトルのハッチは船外に出る時にエアロック内の空気がすべて船外に放出されてしまうのに対し,「クエスト」ではエアロック内部の9割の空気を回収することができる構造になっている.
  また,クルーロックの船首側には,2つの船外活動用工具箱も設置されている.

  「ユニティ」右舷側の共通結合機構に取り付けられた「クエスト」↓.
「ユニティ」右舷側に取り付けられた「クエスト」

  「クエスト」の側面には,酸素用が2個,窒素用が2個,計4個の高圧ガスタンクが取り付けられる.これらは,ハッチを開放した際に船外に流れ出す空気をISS内に補充するためのものである.
  7月18日に行われた船外作業では,酸素タンクと窒素タンクを一つずつ取り付ける予定だったが,作業が予定より順調に進んだことから,もう一つの酸素タンクが前倒しして取り付けられた.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2001年7月18日の状態) 3つのガスタンクが取り付けられた「クエスト」↓.
3つのガスタンクが取り付けられた「クエスト」

  7月21日,「クエスト」側面に,最後に残った窒素用の高圧ガスタンクが取り付けられた.
  こうして,「クエスト・ジョイント・エアロック」が取り付けられたことにより,スペースシャトルがドッキングしていない時でも,アメリカの宇宙服を着用した船外活動ができるようになった.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2001年7月21日の状態)高圧ガスタンクがすべて取り付けられた「クエスト」↓.
高圧ガスタンクがすべて取り付けられた「クエスト」

  7月22日,STS-104「アトランティス」が分離.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2001年7月22日の状態)

・・・というわけで,久々に新しいモジュールを取り付けたわけだが,これに先立って,実は「ユニティ」を作り直した.
作りなおした「ユニティ」 今回は,シリンダーの中心に貫通穴を開けてある.この先,船首側に「デスティニー」「ハーモニー」とつながって行くので,その中心に心棒を通すことができるようにするためである.さらに,共通結合機構の内側には小さな磁石が仕込んであり,ここに結合するモジュールは,磁石でくっつけることができる(上の「クエスト」もそうして結合している).

  今回,一番苦労したのは,実は「クエスト」側面に取り付けられた高圧ガスタンク.ただし,苦労したのは作ることじゃなくて,どういう順番で取り付けられたのかを調べること.最初に3つ,後日改めてもう一つというのはわかるのだが,「どれ」なのかははっきりと記述してある資料を見つけることができなかった.どうにかこうにか,ガスタンクが3つ付いている写真を発見,その位置から上述したような順番だろうということにしたのだが・・・間違っていたらツッコんでやってください.

  完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ→ “Flight 7A

 

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2013年1月28日 (月)

フンコロガシ

  スウェーデンなどの研究チームがプラネタリウムを使った実験を行い,フンコロガシ(コガネムシ科タマオシコガネ属の昆虫)が,月のない夜には天の川の光を頼りにしながら糞の玉をまっすぐ転がしているという結果を得たというニュースがあった.
  フンコロガシは,あのファーブルが熱心に研究した対象で,太陽や月の位置を手がかりにしていることは知られていた.しかし,太陽も月も出ていない時,一体何を手がかりにしているのかは知られていなかった.
  渡り鳥やアザラシの中に,星をたよりに方向を知る動物があることは知られていた.また,サンゴ虫が月の満ち欠けを「見て」繁殖の時期を判断しているということも良く知られている.

  こうして「天測」をしている生物は他にもたくさんいるらしい.

  実験では,プラネタリウムで満天の星を写したり,天の川を写したりした場合には,フンコロガシはまっすぐに糞の玉を転がすことができたが,星の数が少ないとまっすぐに転がすことができなかったとのことだ.
  我が水戸市も,空は相当明るく,見える星の数は少ない.こうして「天測」をしている生物はさぞ難儀していることだろう.やっぱりね,夜は自然のまま暗い方がいいんですよ,きっと.
  生活や安全のための明かりは仕方ないとして,それ以外,ネオンサインなんかはもっと減らせないものかねぇ.いやせめて,「ライトアップ」はもっともっと減らせる & 減らした方がいいと思うんだけど・・・

 

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2013年1月24日 (木)

公開天文台協会第一回全国研修会

  20日と21日は長野県はうすだスタードームで行われた,公開天文台協会第一回全国研修会に参加.

  この研修会,過去に行われた公開天文台協会総会(の間に行われた「ナイトセッション」)で話題になった,
公開天文台協会として,全国の公開天文台で,より良い観望会が行えるように,また,若いスタッフが観望会の技術を習得する場が作れるように」
という話から協会の内部に立ち上がった,「公開プログラム研究ワーキンググループ」(私もその一員)の企画によるもので,今回が第一回.

  20日の朝水戸を出発して,昼過ぎに会場近くの臼田駅に到着.ちなみに,長野新幹線は初体験.
Japos13_usuda_01想像していたよりずっと寒くなくて一安心.
  ここから,用意していただいたバスに乗って,会場のうすだスタードームへ.
Japos13_usuda_02 開会行事のあと,うすだスタードームの施設見学.↓これが「ご本尊」の60cm反射望遠鏡.
Japos13_usuda_03 この望遠鏡が収められているドームは珍しい「アイリッド(まぶた)型」.
Japos13_usuda_04 このタイプのドームは開口面積が広く,ドーム内から空の広い範囲が見える.望遠鏡で星を見ながら,それがどこにあるのかわかりやすいというメリットがある.実際,良くあるスリット型のドームだと,慣れていてもどこを見ているのか混乱することがあるのでこれは使い安そうだ.
  そして,スライディングルーフになっている別の観測室.ここには20cm屈折望遠鏡が2台.
Japos13_usuda_05 あぁ,うらやましい・・・

  この後,研修室でうすだスタードームの坪根氏によるスライドショーの実演.晴れなかった夜を想定したネタの実演というわけだ.

  いやしかし・・・

  やや早口な口調,次々と繰り出される小ネタ.私の「芸風」と良く似ていて驚いた.
  こと座の神話のところで,
「結局は奥さんに決定権があるんですよね」
(オルフェウスが死んだ妻エウリディケを返してくれと冥界の王プルートンに懇願するが,プルートンは頑として緩そうとしない.そこをプルートンの妻ペルセポネが「あなたなんとかしてあげなさいよ」ととりなしてくれて,とりあえずエウリディケを返してもらえることになったというわけだ)
というところまでおんなじ.

  そして,これをたたき台としたディスカッション,そして,各施設の事例発表.
Japos13_usuda_06 「木星を望遠鏡で見せる」ということだけとっても,スタッフはこれだけ考えているわけですよ(いやとりあえず私だって結構考えているんですよ,念のため).

  夕食の後は,観望会の実演.

  が.

  月が見えそうで見えない天気.観望会としては最悪の天気だが,そこはそれ,研修会としては理想的な天気ではある.一番やりづらい天気の中,どうやって場を盛り上げ,観望会として成功させるか,ベテランの腕の見せどころであり,新人としては一番知りたいところでもある.
  ここでも坪根氏の技が冴え渡る.時折空を見上げながら繰り出される小ネタの応酬.あっという間に時間が過ぎて行き,曇り空の下でも,参加者が「来る前はわからなかったことが,観望会が終わった頃にはわかるようになった」と思うことができるような話の組み立てに(研修会の)参加者一同感心.

  そしてその後は・・・もちろんお決まりのコース.
Japos13_usuda_07 いや実は,公開天文台協会ではこれこそが「本番」と言われるのだが・・・

  翌日も朝から事例発表会,そして,プログラムの組み立て方の実習.

  とりあえずいつも頭の中では
「アレを見せてこんな話をして,次はアレでその次はアレで・・・」
ということを考えてはいるのだが,あらためてじっくりと組み立てを考えてみると結構新鮮.

  そんなこんなで,お昼頃閉会.

  今回参加したメンバーは新人半分ベテラン半分といったところか.いずれにしても,みんな「少しでも良い観望会を」と思っている人たちで,こういう人たちと交流できるのは刺激的で意欲に火をつけられる.

  さぁて,私も頑張らなきゃねぇ!

 

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2013年1月19日 (土)

みてくれでは

  昨日(18日)は市内某小学校で観望会.

  実はこの学校,毎年何度かお邪魔しているのだが,なかなか晴れてくれない.
  でも!昨日は久々に見事な快晴!ちょっと風があって,めちゃくちゃ寒かったけれど.

  昨日の参加者は児童,ご父兄合わせて200人近かったので,主砲の30cmカセグレンの他,BORGの45EDも持ち出してみた.そして,ご父兄の中のお一人もご自分の望遠鏡(結構古い,口径5cmF15くらいの経緯台式)も持ってきてくださって,会場には3台の望遠鏡が並んだ.
  主砲の30cmは木星に,45EDは月に,そしてもう一台の望遠鏡も月に向いて観望会開始.開始前,特に「こういう順番で見てください」というようなことは言わなかったのだが・・・

  30cmカセグレンの前には長い列ができた.
  まぁこれは当然.目の前に3台の望遠鏡が並んでいて,一台だけ飛び抜けてデカいとなれば,そのデカい望遠鏡を覗きたいと思うものでしょう.
  そして,ご父兄の持ってきてくださった望遠鏡の前にもそこそこの列.

  ・・・なのに・・・

  45EDの前にはなぜか列ができない.
  ・・・一番小さいから・・・ということか.

「はい,ここ列がないのですぐ見られますよ〜.これは月に向いてます」
と声をかけてみると,何人かの人が覗きにきた.そして,実際に覗いてみて,
「うわ〜!これ良く見えますねぇ.あっちの(5cm屈折)より良く見えるかも」
そりゃそうです.これでもきっちりEDレンズのアポクロマートですから.「小さい」というみてくれで判断しちゃいけません.
  そのうち,何度かこの望遠鏡を覗いていたお母さんが,
「このくらいなら・・・」

  でもね,ベルボンの三脚,タカハシのスカイパトロールII,BORGの45ED.
「実は結構なお値段ですよ」
何事もみてくれで判断しちゃいけません.

  ・・・というわけで,大小3台の望遠鏡で,観望対象は木星に月,そして昴とオリオン大星雲.
  まぁそこそこ盛り上がった観望会ではあった.

  参加された皆さん,風邪を引かないように注意してくださいね.

 

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2013年1月15日 (火)

導入

  やや(かなり?)記事のタイミングを外してしまったのだが・・・

  11日(金)は今年初の「定期観望会」.天気は快晴.
  昨年末,昨年最後の定期観望会で,寒い中集まってくださった参加者の皆さんに,暖かい飲み物を・・・と思って用意したのだが,なんとお湯がぬるくて・・・というミスをしたので,この日はきっちりと熱いお湯を用意して会場へ.

  参加されたのは常連の方が二人だけ.

  まぁね,年が明けたばかりだし,めちゃくちゃ寒かったし,仕方がないでしょう.それでも,こうして常連の方が来てくださるというのは嬉しいもの.

  観望対象は,最初にオリオン大星雲,そしてぎょしゃ座の散開星団.いつもなら,最初に木星なのだが,電源のない場所での観望会,寒さもあってバッテリーに不安があったので,とりあえず赤道儀の電源を切ったまま見られる(星雲・星団を見るのは低倍率なので,少人数であれば追尾しなくても何とか見られる)ものを先に見てみたわけだ.1時間ほど経って,他に参加者が来る気配がなかったので,赤道儀の電源を入れ,木星を見てみる.
  この日は上空の気流も安定していたらしく,なかなか締まった木星の姿を見ることができた.

  そして,しばし雑談.
  「観望会」としてそれでいいのかどうかはやや疑問もあるけれど,常連の方とはいつもこういう展開になる.でもまぁ,雑談ができるというのは,それなりに親しくなったということでもあり,常連の方がそれを楽しんでくださっているならそれもそれでありか.

  とは言え,寒い中,目の前に望遠鏡があるのに何も見ないというのもなんなので,かに星雲でも見てやろうと思った.
  望遠鏡を操作して・・・「ない・・・」
  どうにもかに星雲が見つからなかった.ちょっと屈辱.
  仕方がないので,「他に見られるものがないか」と思っていたところ,冬の大三角の話になったので,
「じつは冬の大三角の中に,いっかくじゅう座という星座がありまして,星座としては目立たないのですが,ばら星雲とか,コーン星雲とか,面白い星雲があるんですよ」
  と言って,ばら星雲のあるあたりに望遠鏡を向けてみる.
「あ,いた!」
  すぐに,ばら星雲の中心付近にある散開星団が視野に入った.
「残念ながら,星雲の部分はほとんど見えないんですけどね」

  そしてまた雑談.気がつけば22:00近くになっており,ここで解散.

  あ,結局暖かい飲み物出すの忘れた・・・

  翌日(12日土曜日).

  夕方からは城里町ふれあいの里天文同好会の例会.
  この日も良く晴れていたので,天文台の望遠鏡でいろいろ眺めてみることに.
  最初に木星.そして,「他に何か」ということになったので,
「実は昨日,かに星雲が導入できなくて悔しかったので,練習してみていいですか?」
と言って,かに星雲を導入してみる.
「なんだ,あるじゃないか」
ほんの数分で視野に導入.こういうものなんだよねぇ.

  まだ時間があったので,ぎょしゃ座の散開星団を導入してみる.実は私,ぎょしゃ座にある3つのメシエ天体の散開星団(M36M37M38 )が結構苦手.写真撮影の際にも,何度も何度も失敗したものだ(どれだかは忘れたが,露光中に地震があったことも!).
  やや苦戦したものの,数分で無事導入.うん,コイツらもスムーズに導入できるようにしておかなきゃねぇ.

  そんなわけで,この週末は,「手動で対象を視野に導入する」という練習になったし,その快感も味わえた.
  やっぱり,機械(自動導入装置)に頼らず,手動で次々に対象天体を導入する「カッコいい(人がどう思うかはわからないが)人」でありたいなぁ.

 

この記事を読んで,「『次々に対象天体を手動で導入する』のはカッコいいかもしれないけれど,それに手間取っていたり失敗したりするとカッコ悪いから,普段からしっかり練習しとけよ」と思った方,こちらをクリックして応援(?)の投票をお願いします→にほんブログ村 科学ブログ 天文学・宇宙科学・天体観測へ

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2013年1月11日 (金)

タイタン-IIIE

  ペーパークラフトロケットシリーズ,今回は
1/100スケールペーパークラフトによる タイタン-ⅢE 「ジェミニ計画」でも用いられたタイタン-Ⅱの拡張型で,「ヴァイキング計画」や「ヴォイジャー計画」で用いられたロケット,タイタン-ⅢE.型紙は〝The Lower Hudson Valley Paper Model E-Gift Shop”から.
  タイタン-ⅢEロケットは,タイタン-Ⅱロケットの第一,第二段の推力を強化,さらに第一段の両側に大型の固体燃料ブースターを追加,そして,第三段として,セントール・ロケットが用いられている.なお,この固体燃料ブースターは,大型で高推力なだけでなく,推力変更装置を備えているのが特徴である.
  最初の打ち上げは1974年2月11日.この時は実験衛星「スフィンクス」を搭載して打ち上げられたが,上段であるセントール・ロケットのターボポンプが故障,衛星を予定の軌道に投入することができなかった.しかし,失敗したのはこの最初の1回だけで,その後,それぞれ2機の太陽探査機「ヘリオス」,火星探査機「ヴァイキング」,惑星探査機「ヴォイジャー」の打ち上げに成功している.
  1977年8月20日に打ち上げられた「ヴォイジャー2号」,同じく9月5日に打ち上げられた「ヴォイジャー1号」(1号と2号は打ち上げの順序が逆)は2013年1月現在共に稼働中であり,「ヴォイジャー1号」は現時点で地球から最も遠距離に到達した人工物である.2005年5月24日「ヴォイジャー1号」は太陽から140億km(約95au)の距離で末端衝撃波面を越え,太陽系と星間空間の衝撃波領域である「ヘリオシース」に入ったと考えられている.さらにその後,太陽風の速度が急速に低下し,星間物質も検知された.2013年1月現在,「ヴォイジャー1号」は,太陽圏の中と外の磁力線がつながる「幹線領域(magnetic highway)」を航行中と見られ,そう遠くない将来,「太陽圏の外に出た最初の人工物」になると見られている.

  タイタンシリーズのロケットは,タイタン-ⅢA,タイタン-ⅢBまでは第一段エンジン部分の機構がむき出しという特徴がある.これをペーパークラフトで作るとなるととっても大変.
  ↓これは「ジェミニ・タイタン-Ⅱ」のエンジン部分.
1/100スケールペーパークラフトによる タイタンⅡロケットのエンジン部分 いやはや細かいのなんの.この部分の作業だけで丸一日かかったものだ.
  でも,タイタン-IIIC以降は,この部分にカバーがかけられて(?)いるので,この細かい作業はやらなくてよろしい.ありがたい.
  そんなわけで,この部分は全然苦労なし.かわりに,一番苦労したのが・・・スタンドだったりする.
  エンジンまわりにカバーがかかっているせいで,第一段を下から支えるのが難しい.やってやれないこともないが,紙で普通に作って,エンジン部分が見えなくなってしまうのも寂しい.
  さてどうしたものかと散々悩んだ挙句,透明な塩ビ板で作ることにした(いや,作業そのものは全然大変でなく,この「悩んだ」のが大変だったのだが).

  実はこれに先立ち(ってすでにこのブログでも紹介済みだったりするが),「ヴォイジャー」探査機も作ってあった.いやそもそも,昨年5月,「ヴォイジャー1号,今年中にも太陽圏脱出か」というニュースがあったので,
「その時までには作っておこう」
ということで製作したのだった.
1/100スケールペーパークラフトによる 「ボイジャー」探査機 (クリックで拡大,916 x 630 pixel,114kb.ぜひ拡大してご覧ください)
型紙は1/48のものだったが,もちろん,他のペーパークラフトたちと合わせるために1/100に縮小して製作.写真左上に伸びる Low-Field Magnetometer や,左側に伸びるトラスなど,「トラス構造」の部分はしっかりくり抜いて再現してある(ちなみに,Low-Field Magnetometer の太さは約2mm.作業の大変だったこと!).某社のプラモデルに対抗意識を燃やして作ったのだが・・・ちょっと 及ばなかったか・・・

  せっかくなのでタイタン-ⅢEとヴォイジャー探査機を並べて一枚.
1/100スケールペーパークラフトによる タイタン-ⅢE と 「ヴォイジャー」探査機

  いやしかし,「ヴォイジャー」の到達距離も凄いけど,1977年に打ち上げた探査機が35年以上たってもまだ稼働中ってのはもっと凄いと思う.

  「ヴォイジャー1号」が太陽圏を離脱する「Xデー」がやってきて,

「これがそのボイジャー探査機です」

って言うのがと〜っても楽しみ♪

完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ.→Titan-ⅢE

ロケットのペーパークラフトは是非↓こちらもご覧ください
PASA : Papercraft Aeronautics and Space Administration

 

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2013年1月10日 (木)

・・・かもしれない

  正直,「またかい!」というネタなのだが.

  普通,「・・・かもしれない」といったら,どのくらいの確率を想像するだろうか.

  「明日晴れるかもしれない」
  といったことなら,普通なら5割程度,天気予報が「曇り」になっているような状況なら,1割程度といったところか.

  「○○がもらえるかもしれない」
  こういう場合,期待感があるので,1割くらいか.最低でも1%くらいの確率がないと,「もらえるかもしれない」とは思わないだろう.

  「うまく行くかもしれない」
  何かに挑戦しようという時,こう思うのは7割方成功の見込みがある時じゃないか.ただ,「ダメでもともと」と思っているような時は成功の見込みが3割でもあれば挑戦してみる気にはなるかも.

  では,ネガティブな方はどうか.

  「明日雨が降るかもしれない」
  まぁ普通の感覚からして,降水確率が50%くらいだと「傘持って行こうか」ということになるかも.ちょうど「晴れるかもしれない」と逆くらいか.

  「失敗するかもしれない」
  こちらは「うまく行くかもしれない」の逆・・・とは行かないだろう.失敗の可能性が7割あると思うと,普通やろうという気にはならない.ただ,不思議なもので,挑戦する気になっている時は成功の可能性が3割でもやってやろうと思うことがあるが,7割の確率で「失敗するかも」と思うと全然やる気にならない.いや,「失敗しちゃうも」と思っている時は1割の確率でも尻込みする.人間の感覚は不思議なものではある.

  「交通事故に遭うかもしれない」
  今の時代で,こんなことで心配していたのではとても行動出来なくなってしまうわけだが・・・
  ちなみに,平成23年の交通事故による死傷者数は84万4493人(警察庁交通局の資料による).統計局のホームページによると,平成23年10月1日現在の日本の人口は1億2779万9000人.ということは,単純に計算すると,日本人のなんと150人に一人くらいの割合で交通事故に遭い,何らかの怪我をしていることになる(ちなみに,平成23年に交通事故で亡くなった方は4612人,こちらは日本人の2万8000人に一人ほどの割合).いや恐ろしい.

  で,ここからが本題.

  「小惑星,2036年に地球衝突?」

  というニュースがあった(これが「またかい!」というネタだ).
  以前,「2029年に2.7%の確率で地球に衝突する」ということで大変話題になった小惑星アポフィス.その後の調査で,その可能性は大幅に小さくなったが,2036年には静止衛星軌道(上空約3万6000km)より近いところを通るらしく,地球に衝突する可能性が25万分の1ほどあるのだそうな.
  交通事故と違い,直径325mほど(これも最近の観測により,従来言われてきたより2割ほど大きいらしいことがわかったのだ)の小惑星が地球に激突するとなると,広範囲が壊滅的な打撃を受けるわけで,NASAのような機関にはやはり本気で調査して,回避する方法も本気で考えて欲しいところではある.しかし,アポフィスが地球に衝突する確率が25万分の1,1年の間に交通事故で命を落とす確率が2万8000分の1(単純な計算で無理やりな比較ではあるけれど).我々一般市民にとっては,隕石が落ちてくることより,交通事故の方がよっぽど怖い.

  でも,「小惑星,2036年に地球衝突?」なんていう見出しの記事があったら,確率が25万分の1でも,なんとなく「小惑星が落ちてくるかもしれない」気になってしまうじゃないか.
  こういう報道はやめて欲しいんだよねぇ.

  ・・・という記事をここに書いていたら,交通事故が凄く怖くなった.

皆さん,交通安全には充分に気をつけましょう.

 

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2013年1月 7日 (月)

ガリレオ衛星

  今日1月7日は具志堅用高がジュニアフライ級世界チャンピオン7度連続防衛に成功した日(1979年).

  ???

  それじゃなくて.

  あのガリレオ・ガリレイが,木星に衛星を3つ発見した日(1610年).残る一つが確認されたのは数日後のことになるが,どうやら,1月7日は4つのうちの2つが近すぎて,ガリレオの使った望遠鏡では分離することができなかったらしい.

  観望会で,対象が木星の時,
「ガリレオ衛星は,実は肉眼でも見える明るさなんですよ.その気になれば,目のいい人なら肉眼でも見えます」
「・・・」
「あ,ホントだ,見えた見えた!」
「嘘です」
なんて会話をすることがある.人間の思い込みとは恐ろしいものだ.実際,平均で6等よりは明るいのだが,すぐ近くに木星本体が明るく光っているので肉眼で見るのは無理なはず.

  ところが.

  紀元前364年,斉(中国の戦国時代に存在していた国)の甘徳という人が,木星のすぐ近くに暗い星があるということを記録しているそうで,一応肉眼で見ることは「不可能」ではないらしい.

  それはともかく.
  世界天文年だった2009年の前の年,佐賀県立宇宙科学館に頼んで,ガリレオ望遠鏡を作ってもらった.
Galileots_080722 お金がないので外側は紙の筒だが,レンズはイタリアのフローレンス科学史研究博物館に現存する実物に可能な限り近くなるように作ってもらったもので,基本的にはガリレオが見ていたものと同じに見えるはず.
  この望遠鏡を木星に向けてみると,針でつついたような本当にかすかな点ではあるものの,確かにガリレオ衛星が見える.初めて見た時には,
「ガリレオは確かに見ていたんだ!」
と感動したものである.いや,現代の技術ではガリレオが自分で磨いたレンズほどの質の悪いものを作る方が難しいので,ガリレオ自身のものより多少良く見えてしまうのだろうが,空の条件はガリレオの時代よりずっと悪いだろうし,観察力に至っては私じゃガリレオの足元にも及ばないわけで.

  現代の機材なら,コルキットスピカのような小さな望遠鏡でも余裕,双眼鏡でもその気になればきっちり見える.ある時,デジタル一眼に広角レンズ,30秒程度の固定撮影でも写ってびっくりした.
Jup_w_100917 こうして見ると,「肉眼でも見える明るさ」というのもとりあえず納得.

  もしガリレオが現代にタイプスリップしてきて,現代の望遠鏡を覗いたり上の写真を見たりしたら,あまりの驚きに卒倒するんじゃないかと思ってみたり.もっとも,ガリレオのこと,驚きよりも科学的な興味の方が上回り,そのまんま観測に熱中しちゃうのかも.

 

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2013年1月 5日 (土)

初?夢

  凄く良く晴れていたので,Hα太陽望遠鏡を持ち出した.
  アイピースを覗くとすぐ,ものすごく立派なプロミネンスが目に飛び込んできた.
「こりゃあ凄いや」

  と思っているうちに.
「えぇ!!」
その立派なプロミネンスがどんどんと大きくなって行くではないか.そしてそのまま明るく輝き出し,さらに外側へと膨らみだした.

  すげぇ.

  プロミネンス爆発をリアルタイムで見たというわけだ.
「こんなの初めてだよ.凄いもの見ちゃった!」

  ・・・

  という夢を見た.

  すっかり目覚めた頭で考えれば,いくらなんでもそのスケールのものが(記憶に残っいる光景では,プロミネンスの高さは地球の30倍以上はあったはずだ)見てわかるほどの早さで動く訳がない(もしそれが地球に影響を及ぼす方向で本当に起こったとすれば,地球が滅亡しちゃうんじゃないのか?)のだが,まぁそんな夢を見ちゃったんだからしょうがない.

  今日は5日.今更初夢というのも何だが,「天文・宇宙」に関係する夢はこれが初夢(もっとも,他の夢は全然覚えていないのだが).はてさて,今年はどんな年になるのやら.

 

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2013年1月 2日 (水)

謹賀新年

  皆様,明けましておめでとうございます.今年もどうぞよろしくお願いいたします.

  さて,新年早々,ここの更新をサボってしまったわけだが,活動そのものは新年から全開.

  まず,昨年の最後から今年の最初にかけて,1年前と同様にして「ゆく星くる星」.
  1年前はオリオン座だったので,今年は違う対象にしようということで,
Dm121231今年は北斗七星.1年前同様,2012年12月31日23時50分00秒からの5分間は固定撮影,23時59分45秒から2013年1月1日00時00分15秒までガイド撮影,そして00時05分00秒から00時10分00秒まで固定撮影.
・・・昨年よりつまらない写真になってしまったけれど,今年はこの北斗七星のように昇って行く年にしたいなと.

  こうして星空の下で新年を迎えたわけだが,じつは大晦日の夕方になって,
「来るはずの人がみんな来れなくなっちゃったので・・・」
と急に呼び出され,元日の早朝からひたちなか市の海浜公園で行われる「スター・パーティー」に急遽参加することに.
  あいにく,この年末年始は自宅以外で望遠鏡を使うつもりはなかったので,望遠鏡用のバッテリーは職場に置きっぱなし.なので,今回は望遠鏡持参なしで参加することに.

  午前4時に会場に集合,参加した人が持ち寄った合計7台の望遠鏡が並び,午前5時から観望会スタート.
  私は望遠鏡を持参しなかったので,水戸二高で作成した手作りの40cmナスミス鏡の操作を担当.
  観望対象は月に土星,そしてM13など.
  観望会に参加した人はのべ200人ほどだったか.新年早々,皆さんに喜んでいただけたようで何より.

  この時間に屋外にいるということは,当然その後は皆さん初日の出を見に.
  初日の出が見られる高台の様子が↓.
Starparty_130101_01 何だか作物の実った穂のようで面白い.
  私もその高台に行こうかと思ったのだが,自分のものではないとは言え並んだ望遠鏡を放置して行くのは(いや,その持ち主たちはさっさと行ってしまったのだが・・・)ちょっと気が引けたので,そのまま観望会場で日の出を待つことにした.

  で,日の出の時刻.

  生憎東の低空には雲が出てしまい,水平線から昇る「初日の出」は見られなかったようだ.そして,その雲の上に顔を出した太陽は,観望会場からも見ることができた.
Starparty_130101_02うーん,結果オーライ.

  こいつは新年から縁起がいいわい.

  さて,今年もがんばるぞと.

 

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