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2012年12月25日 (火)

連載終了

  3年続いた茨城新聞日曜版「Taste」の連載,「いばらき星空散歩」が23日付をもって終了.

  3年目となった今年は特に「ネタ探し」に苦戦,挙句の果てには父親にまで「最近は新鮮味がないね」とツッコまれる始末.愛読して頂いた方々には大変申し訳なく,この場を借りてお詫びしたい.

  さて,折角なのでここで「連載秘話」を少し.

  同じ「Taste」の紙面で,県内に住むいろんな人を紹介する「My Taste」という別なコーナーで私を取り上げていただき,その取材をウケた受けたのがそもそもの発端.
  仕事柄人と話すことが多いので,取材中もべらべらといろんなことを喋ったのだが,それを編集部の方が面白がって,ある日突然
「連載を書いてみないか?」
という電話があった.ここもそれなりに頻繁に更新しているし,文章を書くのも嫌いじゃなかったので,
「自信はないけど,とりあえずやってみます」
ということになった.

  最初の記事は2010年1月3日.「しぶんぎ座流星群」.
  別にそういうことを要求されたわけではなかったのだが,私自身のこだわりとして,基本的には「道具を使わずに見られる夜空の話」というのをコンセプトに(ただし,さすがに惑星は別)して,連載がスタートした.
  ありがちなことだが,とりあえず滑り出しは順調.季節毎の星座の話を中心にしながら,国際宇宙ステーションや人工衛星の話,星を見るとともに感じる季節感の話などなど.

  そう言えば,「低い月は目の錯覚で大きく見える」というネタで記事を書くために,海岸まで「月の出」の写真を撮りに行こうと思ったことがあった.ところが,丁度その日(2010年2月27日),チリで巨大地震が発生,太平洋岸に津波警報が出ていて,津波が怖くて撮影に行けなかった.代わりに撮ったのが↓この写真.
Moonrise_100228
  やや苦戦はしたものの,1年目はそこそこ順調だった.

  そして年末.この年の日曜日が残り3回となったところで,編集部に原稿をメールで送った際,
「そろそろ今年も終わりですね.この連載も『あと3回で幕』と思っているのですが・・・」
とコメントを添えた.そして編集部からの返事のメール.
「(中略)なお,1月9日掲載分につきましては,年内入稿でお願いしたく云々」

  え゛?

  いや,あの,その,連載は今年いっぱいで終わりと思ったのですが,その点はシカトですか?

  ・・・連載は2年目に突入.

  星座の星々は,同じ季節ならば毎年同じものが夜空に昇ってくるわけで,連載も2年目となるとどうしてもネタがカブってくる.国際宇宙ステーションやイリジウムフレアなど,人工天体の話題はこういう時に切り札として使えるのだが,2年目があるなど夢にも思っていなかったので,最初の年にその「切り札」は使い切ってしまった.さぁ大変.

  そしてその2年目には,あの「東日本大震災」があった.あの地震が発生したのは金曜日.いつも木曜日には翌週の原稿を送っているので,あの週も入稿したあとだった.地震発生から2日目の新聞に呑気な「星空散歩」なんていう記事が載るはずもなく,入稿した原稿(二回分)はあえなくボツ.ちなみに,そのボツになった原稿のネタは「空駆ける獅子」と「月の大きさ」.丁度高く昇って見えるしし座と,3月20日の「スーパームーン」の話題.もっとも,「空駆ける獅子」の方は,内容を少し変更して再開最初の3月27日の原稿に使ったが.

  震災後しばらくは,記事の内容に凄く気を使った.日本中が騒然としている時期,こんな呑気な記事を書く訳なので,「こんな時に」と怒られないか凄く不安もあった.でも,
「日本中が『がんばろう!』と言っている時に,あえて『少し休もう』と言うのが私の役目なのかも」
という想いもあって,あえて結構呑気な記事を書いた.あの震災の後だけに,
「月がやたらと赤く見えるのは地震の前兆なのかも」
なんていうことを言う人が多かったので,
「夏至近くの月は南に低く,低い位置にある月は,夕日が赤いのと同じ理由で赤く見える」
なんていう記事を書いたこともあった.

  実は連載1年目の記事の中で,「チリで発生した巨大地震(上にも書いた2010年2月27日に発生した地震)で1日の長さが100万分の1.26秒短くなった」という話題を取り上げていた.そして,「東日本大震災」を引き起こした「東北地方太平洋沖地震」では,1日の長さが100万分の1.8秒短くなった.
  ネタに困った時,ふとこのことを思いついたのだが,
「さすがにこれは書けないか・・・」
と思いとどまったことも.

  そしていつしか2年目も終わり.しかし,3年目となる2012年(今年のことだ)の5月には金環日食があるので,
「とりあえず金環日食まで頑張ります」
ということで,3年目に突入.
  2年目でも苦労したのに,3年目になるとさらに苦しい.それでもどうにかこうにか金環日食の日を過ぎ,
「そろそろ終わりにしては・・・」
という話になった.しかし・・・この辺の顛末は「7月13日の記事」に書いた通り(この日は「13日の金曜日」だったじゃないか!)で,結局は今年一杯は続くことに.しかも,1年の充電期間をおいて再スタートとのこと・・・
  さてここからはさらに苦戦.丸2日考えに考えてもネタが思いつかないなんてこともあった.

  それでもどうにかこうにか23日の最終回にたどり着いた.
  実は,文面に「もう(連載を)やらないよ〜」というのを暗に臭わせたつもりなのだが,同じ紙面,編集部の方に「充電期間を置き,再度,新たな星空散歩が復活する日を待ちたいと思います」とコメントされてしまった.やっぱりまだ釈放してくれないんですか?

  とにもかくにも,しばらくは「原稿書き」からは開放されることになった.
  うーん,原稿を考えなくていいって何て気楽なんだろう♪

 

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コメント

こんばんは、初めまして。
連載お疲れさまでした。
茨城新聞の記事は半年くらい前に知り、それ以後は毎回読ませて頂き、切り抜きもしております。
23日の記事は「ああ、終わってしまうんだなあ」と感慨深く読ませて頂きました。
再開を楽しみにしております。

投稿: tochiro | 2012年12月25日 (火) 20時57分

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