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2012年11月26日 (月)

サターン INT-21

  ペーパークラフトロケットシリーズ,今回は
1/100スケールペーパークラフトによる サターン INT-21 アメリカ初の宇宙ステーション「スカイラブ1号」を打ち上げたロケット,サターン INT-21.型紙は “The Lower Hudson Valley Paper Model E-Gift Shop” から.
  「アポロ計画」の目的は「人間を月に送り込む」ことであったが,計画の初期段階では様々な方法が検討されていた.
  最終的に採用された方法は,着陸船とドッキングした状態の指令船と機械船を月周回軌道に乗せ,乗組員が移乗した着陸船のみが着陸,月面着陸を果たした後,月面を離陸した着陸船と,月周回軌道上の指令船・機械船が再びドッキング,地球帰還軌道へと向かうというもので,1969年7月,アポロ11号によって実現された.
  一方,地球周回軌道上に「宇宙ステーション」を建設,そこで月に向かう宇宙船を組み立てるという案も,「人間を月に送り込む」方法としては採用されなかったものの,完全に廃案となったわけではなく,「宇宙ステーションの建設」そのものとして検討が続けられ,「有人軌道実験室計画」「アポロ応用計画」と形を変えながら研究が続けられていた.
  「アポロ計画」は当初20号までの打ち上げが予定されていたが,17号までで打ち切られることになった.そのため,余剰となったサターンⅤ型の機体が使えることになり,第三段の “S-ⅣB” が改造されて宇宙ステーション「スカイラブ」が建造された(実際に打ち上げられたのは,アポロ20号に用いられる予定だった機体である).
  1960年代,NASAは,サターン ⅠB および サターンⅤ を改良・発展,あるいは用途に合わせた縮小型の研究を行っており,サターン ⅠB を元にした“INT-05”,“INT-11〜17”,サターンⅤ を元にした“INT-20〜25”といった様々なタイプのロケット案を検討していた.“INT-21”もその中の一案で,サターンⅤ から第三段を省き,第二段の上に直接ペイロードを載せるというものであった(「スカイラブ」を打ち上げたロケットは,第三段の“代わりに”「スカイラブ」を載せたものであり,厳密には,計画上の“INT-21”とは違うものであるとも言えるかもしれない).
  「スカイラブ」を搭載したINT-21は,1973年5月14日,ケネディ宇宙センターから打ち上げられた.ただし,「スカイラブ」の地球周回軌道への投入には成功したものの,打ち上げの際,予想外の空気抵抗により,太陽光遮蔽板,微小隕石防御壁,そして左側の太陽電池パネルが脱落してしまった.これらは後に打ち上げられた「スカイラブ2号」の乗組員によって修理されることになる.
  こうして宇宙ステーション本体である「スカイラブ1号」が無人で打ち上げられた後,有人のスカイラブ2号〜4号によって運ばれた合計9人の宇宙飛行士が172日間滞在,様々な実験や,「スカイラブ1号」に取り付けられていた太陽観測のための “Apollo Telescope Mount” による太陽観測などが行われた(この観測により,太陽に「コロナ・ホール」が発見された).
  最後の乗組員が1974年に地球に帰還した後も軌道上にあり,スペースシャトルとのドッキング,そして,スペースシャトルのエンジンを利用してのリブースト(軌道上の薄い大気による摩擦で次第に低い軌道になってしまったものを,再び高い軌道に移動させること)を行うことも計画されていたが,スペースシャトル計画の遅れにより実現することはなく,1979年7月11日,大気圏に突入して消滅した.

  型紙は基本的にサターンⅤと同じで,「スカイラブ」の部分と先端のフェアリング,そして細部のパーツがINT-21用となっている.ということはつまり,全部作らなくても,違う部分だけ作って差し替えで再現することも可能なのだが,そこはそれ,凝り性の私がそんなことで妥協できるはずもなく,当然全部作ったわけだ.
  というわけで,完成したINT-21とオリジナルのサターンⅤを並べて一枚.
1/100スケールペーパークラフトによる サターンⅤとINT-21 1/100とは言え,両方とも全長は1mオーバー.こうして並べると凄い迫力である.ちなみに,サターンⅤを作った時のスタンドは「間に合わせ」な感じだったので,今回はいくつかの型紙を組み合わせ(一部自作),ちょっとカッコよく作ってみた.また,サターンⅤの方は,どう見ても実機の写真と違う一段目下部を修正してある.

  折角なので,同じく“The Lower Hudson Valley Paper Model E-Gift Shop”から型紙をダウンロードできる「スカイラブ1号」も作ってみた.
1/100スケールペーパークラフトによる スカイラブ1号 ちなみに,直角に4枚広がっている“ATM (Apollo Telescope Mount) ソーラー・アレイ・パネル”の支持棒(?)は自作,脱落した左側の太陽電池パネルは取り付けていない.また,「スカイラブ2号」ドッキング前の姿ということで,「スカイラブ2号」の乗組員によって取り付けられた,四角い「Sun Shade」も取り付けていない(後で「スカイラブ2号」を作った時に取り付ける予定・・・本当に作るのか?).右側に太陽電池パネルは,「スカイラブ2号」以前に開いていたのか記録を見つけられず,とりあえず取り付けてある.

  そして,サターン INT-21 と 「スカイラブ1号」を並べて一枚.
1/100スケールペーパークラフトによる サターン INT-21 と スカイラブ1号

  ちなみに,今回もきちんと全段分離,第一段上部のタンクカバー,第二段のエンジン,第二段上部のタンクカバーもちゃんと作ってあるが,サターンⅤ型と同じなので写真は省略.

完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ.→Saturn INT-21 (Skylab 1)

ロケットのペーパークラフトは是非↓こちらもご覧ください
PASA : Papercraft Aeronautics and Space Administration

 

この記事を読んで,「ここで“差し替え”でなく全部作るってあたりは凝り性のアンタらしいや」と思った方,こちらをクリックして共感(?)の投票をお願いします.→にほんブログ村 科学ブログ 天文学・宇宙科学・天体観測へ

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