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2012年9月12日 (水)

エンデバー(STS-134)

  ペーパークラフトロケットシリーズ,今回は
1/100スケールペーパークラフトによる スペースシャトル「エンデバー」(STS-134)  スペースシャトル5機目のオービター,エンデバー.モデルはその25回目にして最後の飛行となったSTS-134ミッションの時のもので,型紙は “AXM Paper Space Scale Models” から.
  当初,打ち上げは4月29日に予定されていたが,メイン・エンジンのジンバル制御や,操縦翼面等に油圧を供給する補助動力装置のヒーターに異常が見つかり,打ち上げは延期となった.調査の結果,この異常の原因は,ヒーターへの電力供給を制御するスイッチングボックス(Aft Load Control Assembly : ALCU)にあると特定された.
  ALCUの交換とテストが行われ,5月16日12時56分(UTC)に打ち上げられた.
  打ち上げ後は順調に飛行し,5月18日にISSにドッキング,アルファ磁気スペクトロメーターやエクスプレス補給キャリアの取り付けなどが行われた他,スペースシャトル引退に伴い,オービターのペイロード・ベイ右舷側に取り付けられていた「オービター・ブーム・センサー・システム(Orbiter Boom Sensor System : OBSS)も「S1トラス」上部に取り付けられた.
  5月24日,ソユーズ宇宙船(TMA-20)がISSから分離した.スペースシャトルのドッキング中にソユーズ宇宙船が分離するのはこれが初めてのことであり,この機会を利用して,分離するソユーズ宇宙船の窓から,ISSにドッキングしている「エンデバー」の写真が撮られた.もちろん,これもまた初めてのことであった.
  5月29日(日本時間翌日),「エンデバー」はISSから分離した後,ISSの周りを一周飛行する「フライアラウンド」を行い,「エンデバー」からISSの写真とビデオの撮影を行った.さらにこの後,「エンデバー」はISSに290mまで再接近した.これは,スペースシャトル引退後に運用されるであろう次期宇宙機が用いるランデブーセンサーの候補である「

STORPM(Sensor Test of Orion Rel-nav Risk Mitigation)」のテストを行うためであった.
  こうして全ての任務を終えた「エンデバー」は6月1日,ケネディ宇宙センターに無事帰還,その最後の船長となったマーク・ケリー船長は,「最後の着陸を見るのは悲しいが,エンデバーには大きな遺産がある」と語った.「チャレンジャー空中分解事故」の後,「チャレンジャー」の代わりとして建造された「エンデバー」.その飛行は25回,合計296日宇宙に滞在し,地球を4671周,飛行距離は1億9800万kmに達した.
  なお,当初このミッションはスペースシャトル最後のミッションとなる予定で,「エンデバー」が何らかの理由で帰還不能になった場合に備えて「アトランティス」が救出ミッション「STS-335」として地上で待機することになっていた.しかし,打ち上げ体制で待機するだけでも多額の費用が必要なことなどから,「エンデバー」が無事帰還した際には「STS-135」として実施されることになり,「エンデバー」が無事帰還したことにより,次の「STS-135」ミッションが最後のミッションとなった.

  さていつものように,側面からの写真.
1/100スケールペーパークラフトによる スペースシャトル「エンデバー(STS-134)」(側面から) そして,前(上)からの写真.
1/100スケールペーパークラフトによる スペースシャトル「エンデバー(STS-134)」(上から)

  このミッションの打ち上げの際に用いられた外部燃料タンク「ET-122」は,2005年8月末,ハリケーン「カトリーナ」がアメリカ東南部を襲い,ルイジアナ州ニューオーリンズ郊外のミシュー組み立て工場が被災した際に破損,後にロッキード・マーティン社によって修理されたものである(モデルではその「傷跡」も再現されている).「ET-122」の背面(オービターと反対側の面)にはそのことを示すロゴマークが描かれていた.打ち上げの際に外部燃料タンクにロゴマークが描かれていたのは,スペースシャトルの歴史の中で,この時が初めてのことであった.次の,そしてスペースシャトルの最後の飛行となったSTS-135ミッションでは,やはり外部燃料タンクにスペースシャトル計画30周年を記念するロゴマークが描かれる予定であったが,結局実現しなかったため,外部燃料タンクにロゴマークが描かれたのはSTS-134ミッションが最初で最後のことであった.

  さてその「ET-122」上部.
1/100スケールペーパークラフトによる 「ET-122」(上部)  ハリケーン「カトリーナ」がミシュー組み立て工場を襲った時,建物の屋根からたくさんのコンクリート片が落下,「ET-122」を傷つけてしまった.タンク上部に見える白い斑点はその修理の痕である.
  型紙提供元のサイト内,STS-134のペイロードのページ に掲載されている実機の写真と比べてみると,実に良く再現されていることがわかる.

  そして↓こちらが「ET-122」の背面.
「ET-122」背面に描かれたロゴマーク 中央右,黒地にイラストが入っているのが「ET-122」のロゴマークである.そしてこちら側にも修理の痕が見える・・・が,白っぽいのは「ET-122」の修理の痕,褐色のは・・・(ペーパークラフトとしての)製作中につけてしまった傷を隠した痕・・・失敗.

完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ.→Space Shuttle Endeavour (STS-134)

ロケットのペーパークラフトは是非↓こちらもご覧ください
PASA : Papercraft Aeronautics and Space Administration

 

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