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2012年9月10日 (月)

見え方の違い

  観望会を行っていて,とても困ることがある.
  望遠鏡を覗いてもらって,
「真ん中あたりに見えるでしょ?」
と言っても,
「わからない」
と言われる.
「もしかして望遠鏡がズレちゃったかな?」
と思って自分で覗いて見るが,ちゃんと真ん中にはっきり見える.
「いくつか星は見えますか?」
と聞いてみると,どうやらそれはちゃんと見えているらしい.なのになぜ,真ん中にあるものは見えないのだろうか?

  また,月などを見ている時に,
「まんなかのあたりに大きなクレーターが見えるでしょ?」
と言ってみると,
「これこれこういうやつですか?」
と聞かれたりするが,その「これこれこういうやつ」というのが私の印象と全然違って,果たして同じものを見ているのかどうかが全然わからない(これは例えばビデオカメラを接続して,その画面を見ながら説明することで解決できるが).

  望遠鏡でベガを見た時,
「何色に見えますか?」
と聞くと,多くの大人は
「うーん,白かなぁ」
と答えるけれど,多くの子供は
「なんかいろんな色に見える」
とか,
「虹のようにいろんな色が混ざって見える」
と答える.これはおそらく,子供の目の方が「時間解像度」が高いのだろうと思う.大人の目は見ている時間で平均的な色をとらえるが,子供の目はその瞬間瞬間の色を見ているのではないかと思う.

  こういう時,何が困るかというと,脇から見ている私には,その本人にはどう見えているのかがまったくわからないということである.

  どこかでこんな話を聞いたことがある.
「他の全てはそのままで,視覚だけを他人と入れ替えたら,ショックのあまり卒倒するにちがいない」

  まったく同感.

  青いものはみんなが青といい,経験上それが「青という色だ」と思っているので,言葉で表現すると同じになってしまうが,本当は他人と自分は全然違う色に見えているのかもしれない.その視覚だけを入れ替えたら,想像を絶する光景が見えるかもしれない.

  最新の研究によれば,男性の視覚は細かいものや動くものを見分けることに長け,女性の視覚は色の違いや,その違いの意味を見分けることに長けているということらしい.

  これを天文に当てはめるなら,男性は淡い銀河などが見えやすく,その微妙な濃淡を見分けることができやすい.女性は,例えば二重星や,明るい星雲の色の違いなどを見分けることができやすいということか.

  だとすれば,「男性向け」「女性向け」なんていう観望会をやってみようか.でもそうなると,違う理由で「女性向け」の観望会ばかり多くなってしまったりして・・・

 

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