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2012年8月11日 (土)

薄曇りの下で

  昨日(10日)は散々天気に泣かされている「定期観望会」.
  そして昨日も例外ではなかった.夕方は曇り.かと言ってベタ曇りというわけでもなく,ところどころに青空も見えていた.
「こういうのはやりづらいんだよねぇ」
観望会の時間帯では土星は既に地平線近く(会場からは林の向こう側で見えない).木星も月の昇ってくる前.「ところどころに空が見える」といった状況では,ただでさえ見づらい星雲を見られるはずもないし.それでも,参加者があれば,なんとか有意義な時間を過ごしてもらうようにしなければならない.

「こんな天気になるくらいなら,いっそ雨が降ってくれればいいのに」

毎度のことながらそう思う.

  結局,参加者は一家族.空は薄曇り.とりあえず望遠鏡はアークトゥルスに向ける.
「ほら,覗いてごらん.あの星何色?」
「うーん,オレンジかなぁ」
そして今度はベガに向ける.
「今度は何色?」
「あ,白!」
「ね?いろんな色の星があるでしょう?」
ここで,アルビレオを探してみる.この時,肉眼では全然見えていなかったので「無理かなぁ」と思いつつ(実は以前,見えているにも関わらずどうしたことか導入できなかったことがある).
「あ,いた!さっきは色が違う星を見てもらったでしょう?今度は色が違う星が二ついっぺんに見えます」
「青とオレンジ!」
昨日の子は色に敏感だったらしい.

  ここで,「次」に困ってしまった.ここまでは何とかなったが,いくら何でもM57が見えるような状況じゃない.

  ここで先ほどの子が一言.
「星座の形って見たことがない」
・・・むぅ,こと座もわし座もはくちょう座も,北斗七星ですら肉眼では見えないじゃないか.

  !

(もしかして,や座かいるか座なら・・・)
双眼鏡なら,肉眼より暗い星が見える.や座かいるか座なら,その双眼鏡の視野の中でもそれなりに形が見えるじゃないか.

  双眼鏡を三脚に取り付け,とりあえずいるか座に向けてみる(当然,肉眼では見えない状況だったが,ベガとアルタイルの位置から,大体の方向は見当が付くわけだ).
  あまり時間がかかることなく,いるか座の頭部,菱形に並ぶ星たちを双眼鏡の視野にとらえることができた.
「双眼鏡を覗いてごらん.菱形に並んだ星がみえるでしょう?あれがいるか座という星座の頭の部分なんです」
「あ,ほんとだ」
作戦成功.
「じゃあ今度はや座を見てみようか」
またベガとアルタイルをたよりにや座に双眼鏡を向けてみる.
「ほら,弓矢の矢の形に星が並んでいるでしょう?あれ,キューピットが放った矢なんだそうですよ.おりひめぼしとひこぼしの間にキューピットの矢があるってなんかいいよね」

・・・という具合に,肉眼では一等星しか見えないような状況の中,なんとか観望会らしいことはできた.

「また来るね〜」

そう言ってくれると凄く安心.今度の時は晴れてるといいね.

 

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