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2012年7月12日 (木)

フライト 5A.1(前編)

  ペーパークラフト国際宇宙ステーションシリーズ,第16回の今回は,フライト5A.1(また長くなるので今回も前編のみ).
  2001年3月10日,STS-102ミッションのスペースシャトル「ディスカバリー」がドッキングした.
  このフライトでは,初めて多目的補給モジュール(Multi Purpose Logistic Module : MPLM)「レオナルド」を使用したISSへの物資の補給が行われ,第一次長期滞在(Expedition 1)クルーと第二次長期滞在(Expedition 2)クルーが交代した他,次のフライト6Aでロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System : SSRMS)の取り付けをするための準備などが行われた.

  まずは,STS-102「ディスカバリー」.
1/100スケールペーパークラフトによる スペースシャトル「ディスカバリー(STS-102)
  「デスティニー」船首側に取り付けられた「PMA-2」にドッキングして↓
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2001年3月10日の状態) このフライトから,スペースシャトルは「上向き」にドッキング.実はスタンドの高さは,これを基準に作ってあったのだった.
  別角度から↓
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2001年3月10日の状態・その2)PMA-2」にドッキングした「ディスカバリー(STS-102)」↓
「PMA-2」にドッキングした「ディスカバリー(STS-102)」

  3月11日,まず,「ユニティ」左舷側の共通結合機構に取り付けられていた「初期通信アンテナ」が取り除かれ,「PMA-3」が,地球側の共通結合機構から左舷側の共通結合機構に移設された.地球側の共通結合機構は,この後,主に多目的補給モジュール(Multi Purpose Logistic Module : MPLM)の結合に用いられることになる.
  次いで,「デスティニー」の天頂側に,「上部結合機構(Lab Cradle Assembly : LCA)」が取り付けられた.これは,次のフライト6Aで運ばれるロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System : SSRMS)取り付けの際の「足場」となるものである.そして,SSRMSの運用に必要となる配線トレー(Rigid Umbilical)が,「デスティニー」の地球側に取り付けられた.
  なお,これらの作業を行ったこの日の船外活動は8時間56分に及び,この時点で,「スペースシャトル計画」史上最長の船外活動となった.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2001年3月11日の状態)↓「ユニティ」左舷側の共通結合機構に移設された「PMA-3」.
「ユニティ」左舷側に移設された「PMA-3」 ↓「デスティニー」天頂側に取り付けられた「上部結合機構(LCA)」.
「デスティニー」天頂側に取り付けられた「上部結合機構(LCA)」 ↓「デスティニー」地球側に取り付けられた配線トレー(Rigid Umbilical).
「デスティニー」地球側の配線トレー(Rigid Umbilical)

3月12日,「ディスカバリー」のリモート・マニピュレーター・アームにより,ペイロード・ベイから多目的補給モジュール「レオナルド」が取り出され,「ユニティ」地球側の共通結合機構に取り付けられた.
  多目的補給モジュール(MPLM)は,イタリア宇宙機関が開発した全長6.4m,直径4.6mのモジュールで,スペースシャトルのペイロード・ベイに格納されて打ち上げられ,ISSに約10tの積荷を搬入することが可能である.また,これまではスペースシャトルISSの間で物資を移動する際は,直径が約60cmの与圧結合アダプタ(PMA)のハッチを通すしかなかったが,MPLMと共通結合機構のハッチは直径が約130cmあり,MPLMを用いることでより大型の荷物をISSとの間でやりとりすることが可能となった.
  なお,「レオナルド」が初めて使われる今回のミッションでは,種々の試験や動作の確認のため,「レオナルド」側面には目印となる“Visual Target”がいくつも描かれていた.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2001年3月12日の状態)↓別角度から.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2001年3月12日の状態・その2) ↓多目的補給モジュール「レオナルド」
1/100スケールペーパークラフトによる 多目的補給モジュール「レオナルド」 モジュール側面に描かれている目玉のような模様が“Visual Target”である.
そして↓「ユニティ」地球側の共通結合機構に取り付けられた状態.
「ユニティ」地球側に取り付けられた「レオナルド」

  「レオナルド」に限ったことではないのだが,
  実際の国際宇宙ステーションの建設では「つけたりはずしたり」が結構多い.それを再現するとなると,当然ペーパークラフトでも「つけたりはずしたり」する必要が出てくる.しかも,実際と違い,ここは重力下である.結合部分をいろいろと工夫しないと,「気がついたら外れて落ちていた」とか,「外せるようにしたつもりがくっついて取れなくなってしまった」とかいうことになる.なので,この「レオナルド」(と,後にここにも登場することになる「ラファエロ」)の製作にあたっては,「ユニティ」の共通結合機構の部分だけを別に作り,それと組み合わせつつ作るという面倒な作業をこなした.おかげで,着脱は結構うまく行っているようだ.シャトルのペイロード・ベイからは時々落ちてしまうのだけれど.

  ・・・というあたりで,今回はおしまい.後編に続く・・・

 

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