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2012年6月 8日 (金)

ソユーズ-FG (Mission DELTA)

  ペーパークラフトロケットシリーズ,今回は
1/100スケールペーパークラフトによる ソユーズ-FG(Mission DELTA) 世界初の大陸間弾道弾R-7を改良した、R-7ファミリーの現用ロケット,ソユーズ-FG.モデルは2004年4月19日,「ソユーズ TMA-4」(フライト 8S)を打ち上げた時のもので,型紙は “The Lower Hudson Valley Paper Model E-Gift Shop” から(一部パーツは “Space flight paper modelling” および “Classic Paper Space Models” から).
  このフライトは,スペースシャトルの代わりに,第9時長期滞在クルー(マイケル・フィンク,ゲナディ・パダルカ両宇宙飛行士)を国際宇宙ステーションに送り届けることが主な目的である.また,国際宇宙ステーションに滞在している長期滞在クルーの緊急脱出用に,国際宇宙ステーションにドッキング中の「TMA-3」が機動上の設計寿命を迎える前に,新しいソユーズ宇宙船と交換する必要もあった.これらは,スペースシャトルが2003年2月の「コロンビア」空中分解事故以来,打ち上げが凍結されていたことの影響によるものである.
  このフライトで猛一人搭乗したのがヨーロッパ宇宙機関のアンドレ・カイパース宇宙飛行士.医学博士でもあるカイパース飛行士のミッションは “DELTA (Dutch Expedition for Life Science, Technology and Atmospheric Research)ミッション” と呼ばれ,「TMA-3」で地球に帰還するまでの10日間,国際宇宙ステーションにおいて,生理学実験,生物学実験,微生物実験等,多数の科学実験を行った.なお,打ち上げ時,ソユーズ宇宙船が格納されていたフェアリングには,このミッションのロゴと,オランダの国旗が描かれていた.

  ソユーズロケットはだいぶ前に一度作ったのだが,その時の型紙は細部がだいぶ省略されたもの,そして,私自身まだペーパークラフトを始めたばかりで思いっきり下手だったので作り直し.
  参考までに,以前に作ったものと並べて一枚.
1/100スケールペーパークラフトによる 新旧ソユーズロケット
今回使った“The Lower Hudson Valley Paper Model E-Gift Shop” からダウンロードできる型紙(実は Ton Noteboom 氏の作で,彼のサイト,”pe2tr Card models” からもダウンロードできる),そのまま組み立てても結構良い感じに仕上がりそうだったが,メジャーなロケットなだけに型紙もいろいろあり,せっかくなのでそのいろいろな型紙を組み合わせ,細部にこだわって作ってみた.

  まずはエンジン部分.
1/100スケールペーパークラフトによる ソユーズ-FGロケット(エンジン部分) オリジナルの型紙では,全てのエンジンノズルが底面に垂直になるように取り付ける設計になっている.しかし,外側の4本(実はこれが第一段である)は全体がやや斜めになっているわけで,エンジンノズルはやや外側に向くことになる.実機の写真を見てみると,外側のエンジンノズルも鉛直方向に向いているように見えるので,これが再現されている“Classic Paper Space Models”からのスプートニクのパーツを利用してみた(実は今度はやや内側に向いてしまったのだが・・・)

  次に,第一段を第二段に固定している(ソユーズロケットは,外側の4本が「第一段」)井桁状の「ブースター・ガーダー」(これも,外側の4本は「ブースター」ではないので,この呼び名が正しいのかどうかはわからないが,一部の資料にはその名前で書いてある).
ロケット下部と井桁状のブースター・ガーダー もともとの型紙では,この部分は取り付けの確実さと工作のしやすさを重視した形になっていたのだが,“Space flight paper modelling”のものが実機の写真に近いのでその部品をちょっと変形して流用.ちなみに,第一段を上部で第二段に固定する「ラッチ」の部分も“Space flight paper modelling”の型紙から流用してある.

  さらに次は,第二段と第三段をつなぐトラス部分.
第二段〜第三段 トラス部分 こちらもオリジナルのものはただの「黒いトラス」なので,これも“Space flight paper modelling”の型紙から流用.ただし,サイズがあわなかったので,それは印刷の際の拡大率で合わせてある.
(第三段下部の「バルクヘッド」がちょっと大きすぎ,その部分が出っ張ってしまったのは失敗)

   さらにさらに次.「ソユーズ宇宙船」のフェアリング部分.
「ソユーズ宇宙船」フェアリング部分 この部分は,「エアロブレーキ」(中央に見える,羽根のような部品)に少し手を加え,上部と,写真には写っていない側に,これまた“Space flight paper modelling”の型紙から部品を追加してディテールアップ.

  そしていよいよ,先端のLES(Launch Escape System).
ロケット先端の“LES” これが,以前,プロトン-K (ゾンド)の記事に書いた,「エラく大変なこと」.
オリジナルの型紙では,ノズルは下段の大きなものだけ,しかも円錐形の部品を貼り付けるだけだった.でも,プロトン-K (ゾンド)の時,同じようなLESの作業でとても細かい作業をやってみて,「このくらいならできる!」と思ってしまったものだから,ノズルの基部と,もっと小さいノズル,そして,先端近くにあるさらに小さいノズルの再現に挑戦してみたわけだ.
  この部分,どれほど細かいかというと,
1円玉との大きさ比較 こんなに細かい.特に,先端近くの小さいノズルは大変.ノズルを12本作るのだが,なかなかうまく行かず,実際に作ったのは倍近い20本程度.その中から出来のいいものを使ったわけだ.この作業に数時間・・・
  でも,苦労の甲斐あって,なかなか満足の行く出来となった.

  さて,ロケットそのものが結構満足行く出来に仕上がったので,
「ソユーズ宇宙船と並べて・・・」
と思ったのだが・・・

  ソユーズ宇宙船は,(少なくとも“AXM Paper Space Scale Models”の型紙では)1992年3月に打ち上げられたTM-14から2002年4月に打ち上げられたTM-34まで,2002年10月に打ち上げられたTMA-1からこのTMA-4まで,そして,2004年10月に打ち上げられたTMA-5から現在まで(ただし,ガガーリンの宇宙飛行から50周年を記念して,機体側面にガガーリンの似顔絵(?)が描かれていたTMA-21を除く)が,それぞれ機体側面のマーキング(Insignia)が同じ.

  で,過去に作った「ソユーズ宇宙船」は,TM-31とTMA-5・・・ということは,TMA-4とマーキングが同じものはまだ作っていないわけだ.

  ・・・ということで,ソユーズ宇宙船TMA-4(・・・と言ってもTMA-1と同じなのだが)を新しく製作(あ゛,それの写真撮るの忘れた).ロケットと並べて一枚.
1/100スケールペーパークラフトによる ソユーズ-FGロケットと ソユーズ宇宙船(TMA-4) うーん,われながらなかなかの出来だ.それだけに,第三段下部の失敗が残念ではあるけれど.

完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ.→Soyuz-FG + TMA-4 “Mission DELTA”

ロケットのペーパークラフトは是非↓こちらもご覧ください
PASA : Papercraft Aeronautics and Space Administration

  来月15日には,日本人宇宙飛行士の星出彰彦さんがこのロケットで国際宇宙ステーションへと飛び立つ予定.「チュルパン(ロシア語でチューリップ)」と呼ばれる,このロケット独特の打ち上げは「とても美しい」と言われるので,ネット中継などで是非どうぞ.

 

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