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2012年4月23日 (月)

失敗を乗り越えて

  1967年の今日(4月23日),バイコヌール宇宙基地から「ソユーズ1号」が打ち上げられた.しかし,軌道到達後,ソユーズ1号に2枚ある太陽電池パネルのうち1枚が展開できず,ソユーズ1号はシステム全般が電力不足に陥った.その後,自動安定化システムが完全に機能を失い,手動のシステムも部分的にしか作動しなくなった.救援のために「ソユーズ2号」の打ち上げ準備が行われたが,バイコヌール宇宙基地の悪天候のため,打ち上げは断念された(「ソユーズ1号」の状態があまりにも深刻だったため,天候に関係なく打ち上げられなかっただろうとも言われている).
  「ソユーズ1号」は軌道を離脱,大気圏へ再突入したが,もともと不具合があったとされるメインパラシュートが開かず,帰還カプセルは時速145kmで地面に激突,乗っていたウラディーミル・コマロフが亡くなった.

  この事故を受け,ソユーズの打ち上げは18ヶ月にわたって中断された.さらにその後,1969年にN-1ロケットの爆発事故,そして,同年,アメリカのアポロ11号による有人月面着陸成功により,ソ連の月有人飛行計画は断念されることになった.
  しかし,「ソユーズ計画」そのものはこれらを乗り越えて継続された.そして,現在,「ソユーズ宇宙船」は,世界で最も安全な宇宙船という評価を受けている.

  ソ連との激しい「月レース」に勝利を収めたアメリカであったが,これもまた,同じ時期に尊い人命が失われる事故を乗り越えてのことであった.1967年1月27日,発射台に据えられたサターン ⅠB型ロケットの上で行われていた発射の予行演習の際にアポロ宇宙船で火災が発生,ガス・グリソム,エドワード・ホワイト,ロジャー・チャフィー,3名の宇宙飛行士が犠牲となったのである.

  次世代の宇宙船として華々しくデビューしたスペースシャトルも事故とは無縁ではいられなかった.1986年1月28日(アメリカ東部標準時間,日本時間翌日)のチャレンジャー空中分解事故,さらに2003年2月1日,任務を終えて地球に帰還する最中に発生したコロンビア空中分解事故である.これらの事故で計14人もの尊い命が失われたが,これらを乗り越え,スペースシャトル計画は昨年まで続けられたのである.

  有人飛行に限らず,無人のミッションにも失敗はつきものである.宇宙開発の歴史をひも解けば,それが失敗の歴史であり,その失敗から多くを学び,失敗を乗り越えてこそ大きな成功にたどりつくものであることがよくわかる.あの「はやぶさ」にしても,2000年のΜ-Ⅴロケット4号機の打ち上げ失敗,2003年の火星探査機「のぞみ」の火星周回軌道への投入断念という苦い経験を乗り越えてこそのものであったと思う.

  「失敗を乗り越えて,成功にたどりつく」
  宇宙開発の物語には,このことに事欠かない.これが,私が宇宙機に惹かれ,ペーパークラフトを作り続けている一つの理由でもある.一つ一つの機体に,その裏にある失敗と,その失敗で苦い苦い思いをしながら,それでも挫けなかった人々の,成功を目指す一途な想いがこもっている気がする.そして,模型を通して,私が,あるいは私以外の誰かが,その「想い」を語り,それが,誰かを元気づけることにつながったら最高だと思っている.

 

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