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2012年1月 4日 (水)

ディスカバリー(STS-26 "Return to Flight")

  ペーパークラフトロケットシリーズ,今回は
1/100スケールペーパークラフトによる スペースシャトル ディスカバリー(STS-26 “Return to Flight”)  スペースシャトル3機目のオービター,ディスカバリー.モデルはその7回目の飛行,1986年2月のチャレンジャー空中分解事故後の飛行再開ミッションの時のもので,型紙は “AXM Paper Space Scale Models” から.
  1981年の初飛行に始まったスペースシャトルにとって,1986年2月のチャレンジャー空中分解事故はあまりにも重大な事故であった.スペースシャトルの打ち上げは2年8ヶ月に渡って中断され,その間に機体そのものの安全性はもちろん,技術面を含めた安全管理体制,さらにNASAの組織そのものに至るまで,徹底的な見直しが行われた.
  機体については,24億ドルの費用が投じられ,外部燃料タンクに8ヶ所,SRBに155ヶ所,メイン・エンジン(SSME)に31ヶ所,オービターそのものに220ヶ所もの改良が加えられた.
  アメリカ東部夏時間1988年9月29日午前11時37分(日本時間午前0時37分),アメリカ国内はもとより,中継によって世界中の人が見守る中(私もその中の一人であった),打ち上げが行われた.見守る多くの人の脳裏にあの「チャレンジャー」の悲劇がよぎったことは創造に難くないが,そんな心配をよそに,「ディスカバリー」は,青空に吸い込まれるように,無事に宇宙へと旅立って行った.なお,この打ち上げの際,シャトルのクルーは与圧服を着用していたが,これはSTS-4ミッション以来のことであり,これもまた「安全に対するより保守的なスタンスへの移行」の一つであった.
  無事地球周回軌道に到達した「ディスカバリー」と5人の宇宙飛行士たちは,地球を64周する間に,データ中継衛星「TDRS-C」を無事静止軌道へと投入した他,11種類の科学実験を行った.
  そして,東部夏時間同年10月3日午前12時37分(日本時間翌日午前1時37分),これもまた世界中の人々が見守る中,エドワーズ空軍基地の17番滑走路に無事着陸した.こうして,このミッションの最大の目的である「安全な地球への帰還」は達成され,このミッションを担当した通信担当官は,クルーの労をねぎらうと共に,「新たな幕開けへと続く素晴らしい終幕だった(a great ending to a new beginning)」とコメントした.

  いつものように,側面からの一枚.
1/100スケールペーパークラフトによる スペースシャトル ディスカバリー(STS-26 “Return to Flight” 側面から) そして,前(上)からの一枚.
1/100スケールペーパークラフトによる スペースシャトル ディスカバリー(STS-26 “Return to Flight” 正面から) 型紙ではテクスチャで表現されていただけだったが,このミッションから改良された部分の一つ,「SRBリング」の違いを再現してみた(というより,これを表現するために,これまで作ったスペースシャトルでも全て,この部分を立体化してあったのだ).
「SRBリング」の違い STS-51L(左)とSTS-26(右) 左が,事故を起こしたSTS-51Lミッションの時のもので,右側がSTS-26ミッションの時のもの.STS-51Lまでは,SRBを外部燃料タンクに接続する「SRBリング」はSRBを3/4周するだけだったが,STS-26からは全周分となっている.

完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ.→Space Shuttle Discovery (STS-26 “Return to Flight” ミッション時)

スペースシャトルを作ったのもこれで10機目となるが,またディスカバリーである.それと言うのも,スペースシャトルの歴史の中で,(単なる偶然だったのかもしれないが)「ここぞ!」というタイミングで飛行したのはいつもディスカバリーであった.チャレンジャー空中分解事故」の後,初めての飛行となったこのミッションをはじめ,1999年5月,ISSスペースシャトルとして初めてドッキングした(STS-96ミッション,フライト2A.1)のも「ディスカバリー」,2005年4月,2003年2月の「コロンビア空中分解事故」の後,初めて飛行した(STS-114ミッション)のも「ディスカバリー」.まさに「幾度となく道を切り開いてきた宇宙船」だったのだ・・・ということで,そのうちSTS-114ミッションの「ディスカバリー」も作ることになるでしょう,たぶん.

ロケットのペーパークラフトは是非↓こちらもご覧ください
PASA : Papercraft Aeronautics and Space Administration

 

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