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2011年12月 8日 (木)

フライト 4A(前編)

   ペーパークラフト国際宇宙ステーションシリーズ,第11回の今回は,フライト4A.序盤戦最大の山場である(あまりに長くなりすぎるので,今回は前編のみ).
  2000年12月2日,STS-97ミッションのスペースシャトル「エンデバー」がドッキングした.有人となった国際宇宙ステーションにスペースシャトルがドッキングしたのはこれが初めてである.
  このミッションの主な目的は,「P6トラス」を「Z1トラス」天頂側に取り付け,大型の太陽電池パドル(SAW)を展開することである.「P6トラス」は「エンデバー」のペイロード・ベイに格納された状態で全長14.9m,幅4.9m,重量約17t,この時点までで, スペースシャトルが運んだ最大のペイロードであった.
  なお,この「P6トラス」の“P”とは,“Portside”(左舷)のことであり,後のフライト10Aによって,左舷側の「P5トラス」の先に移設されることになる.

  まずは,STS-97「エンデバー」.
Sts97_endeavour これが,「Z1トラス」地球側の共通結合機構に取り付けられている「PMA-3」にドッキングして,
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2000年12月2日の状態) ↓ドッキングした状態の「エンデバー(STS-97)」
国際宇宙ステーションにドッキングした「エンデバー(STS-97)」(2000年12月2日) そして,そのドッキング部分.
「エンデバー(STS-97)と「PMA-3」のドッキング部分

  10月3日,まず,「エンデバー」のリモート・マニピュレーター・アームによって,ペイロード・ベイから「P6トラス」が取り出された.「P6トラス」は,「Z1トラス」への取り付けに先立ち,リモート・マニピュレーター・アームに把持されたまま,パーキング位置に一晩保持された.「P6トラス」の温度制御のためである.そして,第一回目の船外作業によって,「Z1トラス」天頂側に取り付けられた.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション (2000年12月3日の姿(1)) ↓「Z1トラス」天頂側に取り付けられた「P6トラス」
「Z1トラス」天頂側に取り付けられた「P6トラス」 「P6トラス」は,後のフライトで取り外され,「P5トラス」の先端に取り付けられることになる.ということは,ここで接着してしまうわけには行かない.そこで,「Z1トラス」の上側と「P6トラス」の下側に仕込んだ磁石でくっつくようにしてある.

  「P6トラス」が「Z1トラス」天頂側に取り付けられた後,「P6トラス」最上部の太陽電池格納箱(Solar Array Blanket Box : SABB)が展開された.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション (2000年12月3日の姿(2)) ↓「SABB」展開後の「P6トラス」
「SABB」展開後の「P6トラス」 ↓「SABB」展開後の「P6トラス」頂部拡大写真
「SABB」展開後の「P6トラス」頂部
  ・・・とまぁ,ここまでは良かった.

  続いて,右舷側(Starboard)の太陽電池パドル(Solar Array Wing : SAW)が展開された.予定では左右両舷ともに展開するはずだったが,この時,左舷側(Portside)はうまく展開できず,翌日以降に持ち越された.なお,右舷側の太陽電池パドルも,順調に展開できたものの,やや「たるみ」ができてしまっていた.発電量に問題はなかったが,そのままだと,スペースシャトルやソユーズのドッキングの際の振動によって破損する恐れがあるため,このフライト中にも,その「たるみ」をなくすための船外作業が何度も行われた.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2000年12月3日の姿(3)) ↓展開された右舷側の太陽電池パドル(SAW).
展開された右舷側の太陽電池パドル この作業の大変だったこと・・・

  問題は,中央にある支柱(?).型紙だと,網目のような構造の「隙間」が黒く塗られている.まぁオプションとして,「隙間」が黒く塗られていないデザイン のものを,透明なフィルムに印刷するようにはなっている.しかし,透明なフィルムでは,きっちり四角柱にするのが難しいし,透明とは言っても光を反射する わけで,なんか今ひとつ納得できない.そこで,ここは思い切って,その「隙間」の部分を切り抜くことにした・・・よせばいいのに・・・
  しかも,そのままだととてもではないが強度が足りないので,所々に「節」を作り,さらに全体を細いピアノ線で補強してある.

  ・・・この作業,気が遠くなりそうだった・・・しかも,全体の完成までには,同じものを合計8本作らなきゃならないわけで.

  でも所詮は紙,細さにも限界があるので,本物の写真のイメージのように「向こう側が透けて見える」というわけには行かなかった.でもまぁ,そのへんが「ペーパークラフト」なわけで,まぁこれはこれで面白いんではないか?と思ってみたり.

  12月4日,船首側のラジエーター(PVR)が展開された.7枚の放熱板が組み合わされたPVRは1組で計14kwの熱量を宇宙空間に放出することができる.「P6トラス」にはこのPVRが3組装備されているが,うち2組は後のフライト5Aで取り付けられるアメリカ実験棟「デスティニー」用のものである.この日に船首側が展開され,このフライト中にもう一組(船尾側)が展開されるが,最後の一組(右舷側)は「デスティニー」取り付け後に展開されることになる.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2000年12月4日の姿)↓展開された船首側PVR
展開された船首側のPVR

  ・・・というところで,前編はおしまい.

 

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コメント

今晩は。
何という緻密な作業でしょう。
好きこそ頑張れるんでしょうね・・・・。
精密な部品、バランス、本当に、これは紙ですか?と聞きたくなります。
情勢で緻密な刺繍をスル人がいます。そのよな感じなのかな・・・。
驚嘆スルばかりです。また楽しみにしています。いつも写真をお借りしまして、ありがとうございます。きれいな写真、といwれています。

投稿: エリス | 2011年12月 8日 (木) 21時54分

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