今度は?
日本時間今日(27日)午前0時2分,アメリカ・フロリダ州のケープカナヴェラル空軍基地から,「マーズ・サイエンス・ラボラトリー」を搭載した「アトラスⅤ」ロケットが打ち上げられた.
この様子は,例によって「NASAテレビ」でインターネット中継されており,私ももちろんかじりついて見ていた.
発射4分前になって一時カウントダウンが中断したものの(これも予定通りだったのかも),アトラスⅤロケットは,青空の中に吸い込まれるように旅立って行った.現地はやや曇りがちの天気だったようだが,SRBの分離までしっかり見え,気持ちの良い打ち上げ中継だった.
・・・でも・・・まぁどうでも良いことなのだが・・・
アトラスVロケット,格好悪い.やっぱり「打ち上げ」と言えば,スペースシャトルが一番絵になるなぁ.退役してしまったのが何とも寂しい.
(ちなみに,これまたどうでも良いことだが,アトラスⅤロケットのペーパークラフトは,現在,無料のものは存在しない(私が見つけていないだけかも知れないが)有料のものは“ECardmodels.com Shop” で手に入る(お値段 $5.00)ので,興味のある方はどうぞ)
それはさておき.
とにかく失敗が多く,「火星の呪い」とも言われる火星探査.つい先日,ロシアの火星探査機「フォボス・グルント」が火星遷移軌道への投入に失敗したばかりである.そして,(多分,狙ったわけではないだろうが)このタイミングでアメリカの火星探査機(車)打ち上げである.今回はとりあえず打ち上げは成功したようだが,この先どうなるか.これが成功すると,アメリカとしては非常に好都合,ロシアとしては非常に痛いことになる.
スペースシャトルの退役により,宇宙への人員輸送はロシアの独占市場となり,ロシアとしては,この機会に宇宙開発の分野で一気に主導権を握れるチャンスだった.ところが,プロトンロケットによる人工衛星打ち上げ失敗,頼みの綱のソユーズロケットも打ち上げ失敗(打ち上げたのはプログレス補給船だったが),そして,先日の火星探査機打ち上げ失敗.そのタイミングで,アメリカが火星探査機の打ち上げに成功となれば,宇宙開発の分野におけるロシアの威信はガタ落ちとなってしまう.アポロ計画の前,アメリカが度々失敗している中で,嘲笑うようにソ連のロケットが宇宙に飛びたち,当時の宇宙開発競争はソ連の連戦連勝だった.現在の状況は,まるでその裏返しのようだ.
まぁそういう政治や戦略的な問題はとりあえずおいといて,今度こそ,成功してほしいものである.
「マーズ・サイエンス・ラボラトリー」の大きな目的は,火星における生命の痕跡と生命存在の可能性を探ることにある.火星に探査車が降り,火星表面を走行しながらの探査となる予定だ.そしてその愛称は「キュリオシティ(好奇心)」.もちろん,ある程度の自律機能も備わっているだろうこの探査車も大いに「好奇心」を発揮して,数々の貴重な発見をしてくれることを期待したい.
「とにもかくにも,『キュリオシティ』には無事に火星表面に降り立ってほしい」と思う方,こちらをクリックして共感の投票をお願いします.→
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