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2011年11月30日 (水)

隕石

  天文教室などで隕石の話題を取り上げた時など,よく
「隕石に当たっちゃったりしないんですか?」
という質問を受ける.そんな時,
「隕石に当たるというのは,文字通り大当たりですね.多分,宝くじで何度も連続で1等を当てる方がずっと確率は高いと思いますよ」
と答えている.また,半分冗談,半分(?)本気で,
「私なんか,隕石に当たって死ねたら本望です」
なんてことも.なにせ,歴史上,落ちてきた隕石に当たったという人は,ほんの数人しかいないのだ.

  1955年の今日(11月30日),アメリカのアラバマ州に隕石が落下した.これは落下した場所の名前を取って,シラコーガ隕石と呼ばれている.その隕石の,グレープフルーツほどの大きさの破片が民家に落下,屋根を突き破り,家具に当たった上で,ベッドに寝ていた女性にあたり,打撲を負わせた.Wikipedia によれば,この隕石が,2009年までは,人間に当たって怪我を負わせたという記録が残る唯一の隕石とのことだ(2009年には,ドイツで,豆粒ほどの隕石が少年の手に直撃したが,少年は奇跡的に軽い怪我で住んだという事件もあったようだ.他にも,建物か何かに当たって跳ね返った隕石に当たって怪我をしたというニュースもどこかで読んだような・・・).

「隕石に当たって怪我をした人」ということでネットをうろうろしていたら,面白い記事を見つけた.

「上を見ながら隕石に注意していれば,隕石が落ちてきた時に助かる可能性はありますか?」
「助かる可能性は高くなるでしょう.でも,隕石を気にして上を向いて歩いていると,かなりの高確率で交通事故にあって死にます」

  先日もアメリカやドイツの人工衛星が落下,地球上の誰かに当たる確率が数千分の1程度とかいうことがあった.確かに,隕石やら人工衛星やらが自分の頭上に落ちてきたらそれは恐ろしいことだろう.しかし,その確率は非常に低い.そんなことを気にしていると,周囲にあるもっと危険性の高いことに気づき辛くなり,結果,心配していることと違うことで災難にあってしまうわけだ.

  「自分の頭上に隕石が落ちてくるかも」
なんてことを心配するというのは,文字通り杞憂というものだ.

  上に書いた「面白い記事」の中には,こんなことも書いてあった.
“頭に知が上ってしまうと「上を見ながら歩けば隕石から助かる確率が上がる」という自分が想像している結論だけに固執し,「・・・いえ,それは確率の問題からして,もっと危険が増えます」というアドバイスを聞けなくなってしまう人がいるのです.”

  今日本中を騒がせているある問題についても,こうなっちゃっている人ってかなり多いんじゃないのかなぁ・・・

 

この記事を読んで,「今の世の中,危険なことなんて身の回りにいくらでもあるから,一つの危険にこだわってしまうと,もっと身近な危険に気づかなくなってしまうこともあるかもねぇ」と思った方,こちらをクリックして共感の投票をお願いします.→にほんブログ村 科学ブログ 天文学・宇宙科学・天体観測へ

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コメント

中川さま

「海底隕石」という題で、草歌を書いているのを思い出しました。『薔薇星雲まで』(草歌集)のなかに納めています。

否定形肯定形に瞬いて
星獣虚空に星卵をはらむ

火の球の轟音立てて落ちる海
行方不明の祈りは腐食す

海底に隕石鈍く発光し
声なき人魚は夢食(は)んで眠る

で、章の最後の歌が

薔薇星雲燃える虚空に刻々と凝縮しある
わたくしの魂(たま)

で終わり、この草歌を書いたときに「薔薇星雲」をわたしのあの世の住処としよう、と決めたのです。
誕生日が一月(12日)なので、冬の大三角形の一角獣のあたりにある星雲というのも、ぴったりだったし。

個展も朗読会も、みなさんに喜んでもらえ、ほっとしています。
この時期、例年なら、いささかぼんやりするのですが、あなたが毎朝3時起きで、奮闘を続けていると思うと、わたしもぼやぼや出来ないな、自然とハッパがかかります。
年明けて、奈良の友人のギャラリーでも朗読会をすることになりました。詳細はまだきまっていませんけれど。で、まだ4時起きを続けることに。

きょうは、「べっぴんさん」ぶりを発揮して、嫁入りが決まった絵を持って、出かけます。力を尽くした甲斐がありました。

あなたにアドバイスをいただいた絵も、みなさんに感嘆して褒めていただきました。
改めて御礼申します。

風邪、注意。今年のは強烈ですから。
では。また。

投稿: 鳥越ゆり子 | 2011年12月 1日 (木) 06時07分

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