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2011年11月30日 (水)

隕石

  天文教室などで隕石の話題を取り上げた時など,よく
「隕石に当たっちゃったりしないんですか?」
という質問を受ける.そんな時,
「隕石に当たるというのは,文字通り大当たりですね.多分,宝くじで何度も連続で1等を当てる方がずっと確率は高いと思いますよ」
と答えている.また,半分冗談,半分(?)本気で,
「私なんか,隕石に当たって死ねたら本望です」
なんてことも.なにせ,歴史上,落ちてきた隕石に当たったという人は,ほんの数人しかいないのだ.

  1955年の今日(11月30日),アメリカのアラバマ州に隕石が落下した.これは落下した場所の名前を取って,シラコーガ隕石と呼ばれている.その隕石の,グレープフルーツほどの大きさの破片が民家に落下,屋根を突き破り,家具に当たった上で,ベッドに寝ていた女性にあたり,打撲を負わせた.Wikipedia によれば,この隕石が,2009年までは,人間に当たって怪我を負わせたという記録が残る唯一の隕石とのことだ(2009年には,ドイツで,豆粒ほどの隕石が少年の手に直撃したが,少年は奇跡的に軽い怪我で住んだという事件もあったようだ.他にも,建物か何かに当たって跳ね返った隕石に当たって怪我をしたというニュースもどこかで読んだような・・・).

「隕石に当たって怪我をした人」ということでネットをうろうろしていたら,面白い記事を見つけた.

「上を見ながら隕石に注意していれば,隕石が落ちてきた時に助かる可能性はありますか?」
「助かる可能性は高くなるでしょう.でも,隕石を気にして上を向いて歩いていると,かなりの高確率で交通事故にあって死にます」

  先日もアメリカやドイツの人工衛星が落下,地球上の誰かに当たる確率が数千分の1程度とかいうことがあった.確かに,隕石やら人工衛星やらが自分の頭上に落ちてきたらそれは恐ろしいことだろう.しかし,その確率は非常に低い.そんなことを気にしていると,周囲にあるもっと危険性の高いことに気づき辛くなり,結果,心配していることと違うことで災難にあってしまうわけだ.

  「自分の頭上に隕石が落ちてくるかも」
なんてことを心配するというのは,文字通り杞憂というものだ.

  上に書いた「面白い記事」の中には,こんなことも書いてあった.
“頭に知が上ってしまうと「上を見ながら歩けば隕石から助かる確率が上がる」という自分が想像している結論だけに固執し,「・・・いえ,それは確率の問題からして,もっと危険が増えます」というアドバイスを聞けなくなってしまう人がいるのです.”

  今日本中を騒がせているある問題についても,こうなっちゃっている人ってかなり多いんじゃないのかなぁ・・・

 

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2011年11月29日 (火)

さようなら「あかり」ちゃん

  今年6月に電力異常が発生,科学観測を終了していた日本の赤外線天文衛星「あかり」.24日に行われた最終運用で停波信号が送信され,軌道上で静かに眠りについた.
  「あかり」は2006年に打ち上げられた日本初の赤外線天文衛星で,惑星が作り出されつつある現場や,死にゆく運命にある巨星の姿,遠方の赤外線銀河の観測などに活躍,130万個にもおよぶ「赤外線天体カタログ」も作成された.
  「あかり」の設計寿命は3年だったが,それを大幅に超える5年9ヶ月に渡って活躍したことになる.

  衛星に送信されるコマンドとは,つまりいくつもの命令が並べられた一種のプログラムである.プログラムというのは,そのままだと人間には理解しにくいので,そのプログラムを作った人が,人間にわかりやすいようにコメントを入れるため,プログラムとしては実行されない「コメント行」というものがある.
  「あかり」の最終運用で送信されたコマンドには,その「コメント行」を利用して「『あかり』ちゃんへの最後の手紙」が一緒に送信されていたのだ(その内容は,運用に携わった津村耕司さんのツイッターで見ることができる).
  小惑星探査機「はやぶさ」では,探査機が擬人化されて話題となったが,「あかり」の運用に携わった方々も,衛星をただの機械と思わず,やはり愛情を持って接していたらしい.

  どこで読んだのか,記憶が定かではない(たしか,電波天文衛星「はるか」に関しての記事だったと思う)が,衛星に「停波信号」を送るというのは,やっぱり辛いものなのだそうな.衛星から電波がやってきているというのは,たとえその衛星が本来の機能を果たせなくなっている状態だったとしても,衛星としては「生きている」わけだ(でなければ,停波信号を送信してもそれを実行できない).その衛星に,機能を停止させる停波信号を送るというのは,意識不明の患者から生命維持装置を外すようなものだ・・・と書いてあったように記憶している.
(今はどうか知らないが,かつては,衛星がその最期を迎えると,鹿児島県内之浦町(現肝付市)では,その衛星の「お葬式」が“しめやかに”行われていたらしい(本当のところは,“盛大な宴会”だったのかもしれないが,そこまでは知らない))

  人工衛星であっても機械であることに変わりはない.機械である以上,いつかは壊れる.しかし,それは次への一つのステップでもある.
  次世代赤外線天文衛星「SPiCA」は2018年の打ち上げを目指して準備が進んでいる.

お疲れ様,そしてさようなら,「あかり」ちゃん.

 

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2011年11月28日 (月)

立ち入り禁止

  アポロ計画での月面への着陸地点を,NASAが「歴史的遺産」として立ち入り禁止にすることを検討しているらしい.
  NASAは,着陸地点に残した,月着陸船の足や,観測機器類,月面車などの他,宇宙飛行士の足跡や排泄物なども含め,「米国の財産」とし,その保護のため,周囲の立ち入りを禁止するらしい.

  人類がその第一歩を記した,アポロの着陸地点.これはまさに,人類にとっての「歴史的遺産」であり,月面の「遺跡」と言ってもよいと思う.将来,月面に基地が建設され,さらに遠い将来,月面で人が生活するようになったり,「月面観光旅行」なんかが実現するようになるまではしっかりと保護し,その後は,アポロの着陸地点などは「歴史的遺産」として,公園などにすべきだろう(「アームストロング広場」なんかになったりすると,「Zガン○ム」のようだ).そのために,今のところは,その周囲を立ち入り禁止にするというのは,納得の行く話ではある.

  ただ,「米国の財産」というのにはやや抵抗がないでもない.そうなると,この後,各国が月探査を行い,その着陸地点を,「その国の財産」とすることも増えてしまうだろう.いつの間にか,月に各国の「領土」ができてしまうなんてことになりかねない.

  月面まで行って,「領有権問題」なんか起こしてほしくない.

  遠い将来,人類が太陽系の各惑星にまでその活動範囲を広げることになるかも知れない.しかし,それこそ太陽がその寿命を迎え,太陽系全体の終焉を迎えるまで,その各天体は,あくまで人類,いや「太陽系全体の財産」であってほしいと思う.

 

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2011年11月27日 (日)

今度は?

  日本時間今日(27日)午前0時2分,アメリカ・フロリダ州のケープカナヴェラル空軍基地から,「マーズ・サイエンス・ラボラトリー」を搭載した「アトラスⅤ」ロケットが打ち上げられた.

  この様子は,例によって「NASAテレビ」でインターネット中継されており,私ももちろんかじりついて見ていた.
  発射4分前になって一時カウントダウンが中断したものの(これも予定通りだったのかも),アトラスⅤロケットは,青空の中に吸い込まれるように旅立って行った.現地はやや曇りがちの天気だったようだが,SRBの分離までしっかり見え,気持ちの良い打ち上げ中継だった.

  ・・・でも・・・まぁどうでも良いことなのだが・・・

  アトラスVロケット,格好悪い.やっぱり「打ち上げ」と言えば,スペースシャトルが一番絵になるなぁ.退役してしまったのが何とも寂しい.
(ちなみに,これまたどうでも良いことだが,アトラスⅤロケットのペーパークラフトは,現在,無料のものは存在しない(私が見つけていないだけかも知れないが)有料のものは“ECardmodels.com Shop” で手に入る(お値段 $5.00)ので,興味のある方はどうぞ)

  それはさておき.

  とにかく失敗が多く,「火星の呪い」とも言われる火星探査.つい先日,ロシアの火星探査機「フォボス・グルント」が火星遷移軌道への投入に失敗したばかりである.そして,(多分,狙ったわけではないだろうが)このタイミングでアメリカの火星探査機(車)打ち上げである.今回はとりあえず打ち上げは成功したようだが,この先どうなるか.これが成功すると,アメリカとしては非常に好都合,ロシアとしては非常に痛いことになる.
  スペースシャトルの退役により,宇宙への人員輸送はロシアの独占市場となり,ロシアとしては,この機会に宇宙開発の分野で一気に主導権を握れるチャンスだった.ところが,プロトンロケットによる人工衛星打ち上げ失敗,頼みの綱のソユーズロケットも打ち上げ失敗(打ち上げたのはプログレス補給船だったが),そして,先日の火星探査機打ち上げ失敗.そのタイミングで,アメリカが火星探査機の打ち上げに成功となれば,宇宙開発の分野におけるロシアの威信はガタ落ちとなってしまう.アポロ計画の前,アメリカが度々失敗している中で,嘲笑うようにソ連のロケットが宇宙に飛びたち,当時の宇宙開発競争はソ連の連戦連勝だった.現在の状況は,まるでその裏返しのようだ.

  まぁそういう政治や戦略的な問題はとりあえずおいといて,今度こそ,成功してほしいものである.

  「マーズ・サイエンス・ラボラトリー」の大きな目的は,火星における生命の痕跡と生命存在の可能性を探ることにある.火星に探査車が降り,火星表面を走行しながらの探査となる予定だ.そしてその愛称は「キュリオシティ(好奇心)」.もちろん,ある程度の自律機能も備わっているだろうこの探査車も大いに「好奇心」を発揮して,数々の貴重な発見をしてくれることを期待したい.

 

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2011年11月26日 (土)

作戦成功!

  昨日(25日)は「定期観望会」の日.
  今年,震災以来は散々天気に悩まされてきたこの観望会だが,昨日は見事に快晴.

  なかなか良い条件の下(でも,シンチレーションは悪かったらしく,木星はイマイチな見え具合だった),参加者も20名ほど.
  観望対象は,まず木星,そして,二重星団E.T.星団などなど.

  二重星団を見てもらっている間は,「一番好きな天体」の話題で盛り上がっていた.
「私はこの二重星団が,数ある天体の中で一番綺麗だと思うんですよ.まぁ一番好きな天体というのは,実は他にあるんですが」

「私はこと座のヴェガですね」
「えー,私はシリウスの方が綺麗だと思うなぁ」
「私は昴かなぁ」

「うーん,私は昴ってあんまり面白いと思わないんですよね.私は性格が地味なので,昴のように明るい星が集まっている天体より,暗い星がたくさん集まっている天体の方が好きなんですよ」
・・・みんななぜ笑う?・・・

  こうして盛り上がっているうちに,あっという間に1時間.ここで,今日ふと思いついた「切り札」を投入.
「今日は寒いと思って,暖かい飲み物を用意しておいたんですよ」
コーヒーとコーンポタージュを用意してあったのだ.
「冷えきった体でこういう暖かい食べ物や飲み物をいただくっていうのも,冬場の星見の楽しみの一つなんですよ」
これが皆さんに大変好評.

  このへんでとりあえず「お開き」になったのだが,この後,天体望遠鏡を買いたいという方が何人かいらして,その方との相談.
「何が見たいと思っていますか?」
「月のクレーターとか,土星とか,木星とか.」
「うーん,だとすれば,買わないことをおすすめしますね.月や木星や土星って,確かに面白いけど,それだけを見ていたら飽きちゃいますからね.それなら,その予算で各地の公開天文台に行くことをおすすめします」
「こういうのは見えないんですか?」
見せられたのは,カタログに載っている星雲・星団の写真.
「見えないとは言いませんが,少なくとも,写真のようには絶対見えません.試しに,一つ見てみますか?」

ということで,望遠鏡をアンドロメダ大銀河に向ける.
「これを面白いと思うかどうかが一つの分かれ目でしょうね.これを面白いと思う方は,望遠鏡を買っても充分楽しめるようになる可能性があるかもしれません.こういう天体なら,それこそ文字通りゴマンとありますからね.興味を持ち始めたら,一生かかったって見終わりませんよ」

「望遠鏡を買いたい」という話の流れからだったからだろうか.いつもは
「この程度なんですか?」
という反応をされることが多いアンドロメダ大銀河だが,昨日はかなり好評.子供たちに至るまで,
「うぉー,すげー,なんかもやもやっとしたものが見える」
先ほど「望遠鏡を買いたい」と言っていた方も,
「うわ!私もしかしたら可能性あるのかも」

  これはこれでちょっと嬉しかった.

  というわけで,昨日の観望会は和気藹々,すごく良い観望会だったと思う.
  話の流れの中で,
「そのうち,ここで鍋なんかやっちゃったりして」
なんて言う人もあった.

  実は・・・

  観望会に行くのは「勉強のため」じゃなくて,あくまで「楽しみのため」.寒い中での観望会となれば,参加者の皆さんが,みんなで温まれるようにいろいろなものを用意してくれる.それをみんなでいただきながら,ゆっくりと星を眺める・・・そういうことになるのが,私としての理想の観望会だったりする.

  昨日,コーヒーとスープを用意したのはふとした思いつきからだったのだが,見事作戦成功!さて,次の作戦を今から考えておくか.

 

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2011年11月25日 (金)

幸か不幸か

   昨日(24日)昼間は曇りがちな天気だったが,夕方になってほぼ快晴となった.

「こりゃ今夜は撮影日和♪」

  とも思ったのだが,実は翌日(つまり今日のことだ)は某所の連載の原稿を書かなくてはならない.さらに翌日(つまり明日だ)はこれまた某所で1時間半ほど話をしなくてはならず,その準備もあるので,撮影ができたとしても,画像処理の時間は当分とれそうにない.
  となれば,せっかく撮影しても「撮りっぱなし」になってしまうわけで,それでは撮影もする意味がない.

  最近は星雲・星団の写真を撮ることがめっきり減ってしまった.快晴であってもその撮影をしないというのは,それなりに理由があるのだが,それでもなんだか言い訳をしているようで,罪悪感もないではない.

  そんなわけで,昨晩も星雲・星団の撮影に取り組むかどうかかなり悩んだ.

  結果,やはり撮影は見送り.
「うーん,(快晴なのに)勿体ないんだけれど・・・」

  なんとなく罪悪感もあったので,これで就寝はせず,原稿の作成に取り組んでいた.

  そして02:00過ぎ.
  やはり夜空が気になって外に出てみた.
2011年11月25日 自宅にて ・・・幸か不幸か,結構雲がいっぱい.
  この天気では,星雲・星団の撮影をしていたとしても,空振りに終わってしまったかもしれないから,なんだかちょっと安心.

  昼間に画像処理をする時間がとれないという状況は当分変わりそうにない.
  というわけで,星雲・星団の撮影の方は,当分休業宣言・・・かなぁ.まぁ年末くらいには少し取り組むつもりではあるけれど・・・

 

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2011年11月24日 (木)

宇宙ブーム

  「はやぶさ」効果もあってか,世の中結構「宇宙ブーム」である.
  先日は市内某ショッピングセンターで「小さな宇宙展」があったように,各地の「そんな場所で?」と思うような場所でも展示会や講演会など,宇宙関係のイベントが行われることも多い.また,最近は,宇宙関係の職業につきたいと思う人も急増しているのだとか.
  以前はあんまり見かけなかった,宇宙関係の玩具も次々に発売されている.私がペーパークラフトを作り始めたのも,「大人の超合金」のサターンV型ロケットが発売された時,
「これがあったら子供たちは喜ぶだろうなぁ」
と思ったものの,
「でも高いよねぇ」
ということで買えなかったというのがきっかけだったりする.

  その後,その「大人の超合金」シリーズも,スペースシャトルとはやぶさが発売された.
  「はやぶさ」や「こうのとり」なんかのプラモデルも発売されている.

  ・・・と思っていたら,今度は「国際宇宙ステーション  船外活動用宇宙服」のプラモデルが発売された.ただし,お値段6,300円.買えないほど高い値段じゃないけれど,やっぱり高いよねぇ・・・

  ということならば,やっぱりペーパークラフトの出番!ということで,ネットを探してみた.
  あいにく,「国際宇宙ステーション  船外活動用宇宙服」のペーパークラフトは見つからなかったが,スペースシャトルの宇宙飛行士というのがあった.いやぁ,あるもんだねぇ(ちなみにこれは48分の1スケール.これを100分の1スケールで作ってみようかと思って,縮小してプリントアウトしてみたけれど・・・やっぱり無理ってもんか).ということは,そのうちきっと「国際宇宙ステーション  船外活動用宇宙服」だってだれか作ってくれるだろう.

  この「宇宙ブーム」,私としては喜ばしいことと思うのだが,だたのブームで終わってしまうのは寂しい.このブームの中で育つ子供たちの中から,将来宇宙の分野で活躍する人が一人でも多く現れてほしいものだと思う.

  さぁ,私も頑張らないと!

 

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2011年11月23日 (水)

帰還

  今年6月から国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在していた古川聡さんを乗せたソユーズ宇宙船は,日本時間昨日午前3時にISSを離脱,同午前10時26分頃,帰還カプセルがカザフスタンの草原に無事着陸した.

  何はともあれ,ほっとしたことだろう.

  ネット中継の画面を見ていて,ふと思ったことがある.
  カプセルから出てきた直後の宇宙飛行士たちの表情.古川さんとマイケル・フォッサムさんは終始笑顔.とにもかくにも,無事に地球に帰れたことに安心したのだろうか.それに対して,セルゲイ・ヴォルコフ船長は,なんだかちょっと寂しそうな表情にも見えた.もっと宇宙にいたかったのだろうか・・・

  実は,古川さんを乗せた帰還カプセルが着陸したちょうどその頃,別な場所でも無事に帰還を果たした宇宙船たちがあった.

  長野県の伊那市創造館で行われていた企画展「アポロは本当に月に行ったのか?」で,
伊那市創造館に展示中のペーパークラフトロケットたち こうして展示されていた,私のペーパークラフト・ロケットたちが,長旅を終えて昨日戻って来たのだった.
  長旅の中,少し痛んだ部分の修理も,昨日と今日で完了.
無事帰ってきたロケットたち
  聞けば,企画展の最終日だった20日だけでも200人くらいの来場者があったとか.およそ2ヶ月展示されていたから,少なく見積もっても,1000人を越える方々に見ていただけたというわけだ.私が見に行った時も,このロケットたちの前で記念撮影をしていた方もあったから,多くの人と一緒に写真にも写っただろう.

  お前たち,みんなに見てもらって幸せだったなぁ.作った私も幸せだよ・・・

  これを見た子供たちの中から,将来の日本の宇宙開発を担うような人が出てくれたら,最高の幸せだと思う.

 

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2011年11月22日 (火)

失敗

  昨日(21日),予報では「晴れ」だったが,夕方はほぼ曇り.ややあって雲は少なくなったが,なかなか快晴にはならなかった.

  しばし様子を見ているうちについウトウト.
  そして例によって例のごとく03:00過ぎに目が覚め(って,毎晩ちゃんとこの時刻に目を覚ますというのは,我ながらなかなか大したものだと思う.もう少し早いともっといいとも思うけれど),様子を見に外へ.

  むぅ,快晴なのか・・・あぁ,もったいないなぁ.失敗.
  今日はしっかり魚眼レンズは用意してあったので,とりあえず全天の写真を一枚.
2011年11月22日 自宅にて この時刻,もう月は地平線の上にあり,東側にある林の木々の枝の隙間から明るい月がちらちら見えていた.

  うーん,もう少しなにかやりたいぞ.でも,先日と同じようにやってみても,まともに写らないことはわかってしまったことだし,日周運動の写真を撮るにも,自宅のこの場所ではあんまりおもしろい構図がとれない.

  さてどうするか・・・

  あ,久々に全天の日周運動でも撮ってやるか.
  上の写真を撮ったそのままの状態で,カメラを連写モードにして撮影開始.
  そして待つこと30分.

  ・・・あ゛・・・

  撮影を終了して,レンズを覗いてみると,なんと夜露で真っ白.
  そんなわけで,この結果が↓
失敗失敗 実に妙ちくりんな写真になってしまった.失敗失敗・・・

 

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2011年11月21日 (月)

想定外

  昨日(20日)昼間はそこそこ晴れ.夜の天気予報も概ね「晴れ」だった.
「今夜は(撮影を)やれるかな♪」
と思っていたのだが,夕方は突然の雨.しかも音を立ててかなり激しく降った.

「あーあ,これじゃダメだ」

  すっかり諦めて,日本シリーズなどのんびり見ていた.

  ホークス日本一!

  となれば,ビールかけとか,選手や監督のインタビューなどが見たくなるもので.

  久々に深夜までテレビを見ていた.

  そして日付が変わって02:00頃.
「ちょっと外の様子を見てくるか・・・」

  快晴!

  うぅむ,想定外.
  とりあえず全天の写・・・うわぁ!?
  全天の写真を撮るためのレンズ一式は,某所に置き忘れてきていたのだった.星座の写真や,日周運動の写真を撮影するためのレンズも一緒に.
  さて困った.実は私,広角レンズと望遠レンズだけで,標準レンズというものを持っていない.

  ちょっと考えた末,この機会に「魔女の横顔星雲」(IC2118)を狙ってみようと思いついた.
  ただし,この時点でもう月は地平線の上.月明かりに邪魔されたいで撮影できる時間はもうわずかしかない.急いで望遠レンズ,改造デジカメ,ポタ赤を用意して撮影開始.
  その成果が↓
「魔女の横顔星雲」? うぅむ,写っているような写っていないような.たかが数分の露光で写せるほど甘くはなかったか.

  むぅ,せっかくの快晴が無駄になったか・・・
  いや実は,この星雲をちゃんと写せる自信はそもそもなかった.なので,「こんなこともあろうかと!」ともう一つ,写せそうな対象を選んで写してあったのだ.

  その対象は「くらげ星雲」.その成果が↓
「くらげ星雲」? う゛ぅ,こっちも写っているような写ってないような・・・やっぱり考えが甘すぎたか.

  このへんまでで明るい月が上がってきてしまったので撤収.

  それにしても,今年は「一晩中晴れ」っていう日がほとんどないんよねぇ.今夜も天気予報は「晴れ」だけど,現在,空には雲がいっぱい・・・

 

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2011年11月20日 (日)

やっぱり寂しい

  昨日(19日)は11月第3土曜日.
  毎年,城里町ふれあいの里で,年一回の星祭り「星空観望会」が開かれる日であった.

  しかし.

  天文台は3月の東日本大震災で被災,未だ復旧できていないので,「星空観望会」も一度は中止が決定した.それでも,「せっかく毎年続けて来たこのイベントを途切れさせてしまうのは嫌だ」と,ふれあいの里に無理にお願いして,規模を縮小して実施することになっていた.

  そして,昨日の夕方.

  無情の雨.しかもかなり強い雨だった.

  本来ならば,同好会員が自前の望遠鏡を持ち寄っての観望会になるはずだったが,この天気ではどうしようもなく,会議室をお借りしての「星空解説」ということになった.

  喋るのは私.とりあえず25分ずつ,4つの話題を用意していたのだが,強い雨のせいもあってか,会場に来てくださったのは,「昨年も来た」という一家族のみ.

  私も一生懸命お話ししたつもりだし,このご家族にもそれなりに楽しんでいただけたようではあったのだが・・・

  例年ならば,天文台は多数の参加者でごった返すこのイベント,私もほぼ4時間,精も根も尽きるほど喋り続け,終了時には燃え尽きた灰のようになったものだが,今年は参加者がわずか5人.

  後片付けを終わらせたところで,寂しさがこみ上げてきた.

  でもまぁ仕方ない.あの大震災,ふれあいの里の方々にも,同好会員にも,亡くなったり大怪我をされた方がいなかっただけ有難いと思わなくちゃいけないんだろう.

  天文台もそろそろ復旧工事が始まり,来年の春には開館できるようになる見通しだ.
  そして,来年の11月第3土曜,復旧なった天文台で,盛大な「星空観望会」が行われるはず.

  ま,今から頑張って,その時に多くの人に楽しんでもらえるようにするさ.

 

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2011年11月19日 (土)

超光速再び

  ニュートリノは光より速いのか

  スイスのヨーロッパ合同原子核研究所から発射したニュートリノを,約730km離れた,イタリアの地下研究所でとらえ,かかった時間を測定したところ,光が到達するより60ナノ秒早く到達しているとする実験結果が発表された.
  その結果は,やはりにわかには信用できるものではなく,最近,再び同様の実験が行われた.この実験では,ニュートリノ・ビームの長さを前回の3000分の1にするなど,時間を正確に測れるような工夫をして行われたが,やはり光よりも57.8ナノ秒早く到達したという実験結果が得られた.

  さぁ困った.

  いずれにせよ,「何かが間違っている」ことは確実なわけだ.その「何か」とは,実験方法なのか,時間の計測の方法なのか,あるいは,相対性理論の方なのか.それとも,我々の知らない,何か未知の効果があるのだろうか.
  今回の再実験においても,時間の計測にはGPSを用いていた.実験グループでは,とりあえずこのGPSを用いた時間の測定をやめ,別な方法で時間を測定することを考えているという.

  素人の私がこんなことをここに書いても仕方ないことかもしれないが・・・

  私はやはり,この実験結果は「何らかの効果でニュートリノが光より速く運動しているように『見える』」ということなのではないかと思っている.つまり,ニュートリノが,実際は光の速さか,あるいはそれよりほんの少し遅く運動しているのだが,何らかの効果で,見かけ上,それが光より速く運動しているように見えているのではないかと思うわけだ.その「なんらか」というのが一体何なのか,私には想像もつかないが.

  まだまだ時間はかかるだろうが,この実験結果,果たしてどのように決着がつくのであろうか.

 

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2011年11月18日 (金)

あれから10年

  昨日(17日),夜の天気予報は「一晩中晴れ」.一昨日と違い,夕方も確かに快晴だった.
「でもどうせ月が明るいんだよねぇ・・・よし,ここは明け方狙いだ!」
そろそろしし座流星群の極大の時期.ここはひとつ,明け方にそのしし座流星群を狙ってやろうというわけだ.

  早めに就寝.

  寝過ごすことなく,03:00前に起床.そして外へ!
2011年11月18日 自宅にて ・・・どうしてこうなっちゃうかなぁ・・・
  時々雲間に月や星も見えるけど,これじゃあ流星は無理じゃないか.
  あっさり戦意喪失して再び就寝.

  10年前の「あの日」,2001年11月18日.
  「あの日」のことは,今でもはっきりと思い出すことができる.

  昼間には太陽の観望会があった.「しし座流星群」のことは,かなり話題になっていたので,いろいろな人から
「どうなんですかねぇ?」
と質問を受けた.私の答えは,(アッシャー博士の予測と,その信頼性についてお話しした上で)
「今のところはまぁ何とも言えないですが,とりあえず午前3時頃には『どうせまたダメだよ』と思って夜空を見ておいた方がいいと思いますよ.『どうせダメだよ』と思って見ないでいて,翌日の朝のニュースで大騒ぎになっていたりしたら悔しいでしょ?」

  その私自身は,実はかなり期待をしていた.

  これだけはどうしても見たい.

  もしも茨城の天気が悪いとなれば,最悪東京駅で夕方まで待機する作戦を立てていた.東京駅にいれば,夕方の天気予報によっては,どこの方面へ行く新幹線にも乗れるからだ.

  数日前の予報では,福島あたりが一番天気に恵まれそうだった.

  当日の予報ではほぼ日本中どこでも晴れ.

  そして夕方.茨城は曇り.
・・・困った・・・茨城も予報では「晴れ」だったから,その茨城が曇りということは,そもそも予報があんまりあてにならないということじゃないか.さて福島へ向かうか,それとも茨城に留まるか.

  こういう時,福島へ向かったりすると,
「しまった,やっぱり動くんじゃなかった」
なんていうことになることが多い.
  そこで,ここは一か八か,茨城に留まることにした.

  夜9時過ぎだっただろうか.仲間とともに,城里町(当時は城北町)ふれあいの里天文台に集合.
  しばらくは雲が多かったが,その雲間からも流星が頻繁に流れているのが見受けられた.

  午後11時過ぎ.すっかり快晴.しかも,この年最高ではないかと思うほど透明度の高い空だった.
  その空を乱舞する流星.いやこれは凄い!
  携帯電話で友人達を叩き起こした.
「とにかく今すぐ外に出ろ!大変なことになってるぞ!」

ふれあいの里天文台では数を数え始めた.極大を中心とした1時間に一体いくつの流星を数えることができるか.

  結果は,19日午前01:40〜02:40が682個,02:50〜03:50が1,675個!まさに流星雨だ!
その,02:50〜03:50,高感度ビデオカメラがとらえた映像から,流星が写っているコマを抜き出して「比較明合成(当時はそんな呼び名はなかった)」をしたのが↓この画像である.
2001年のしし座流星群   そんな興奮の中,天文台のドアを叩いた人があった.福島から来たとのこと.聞けば,福島は曇ってしまったのだそうな.やっぱり,夕方福島へ向かわなくて正解だったのだ.

  大興奮のうちに,やがて東の空が明るくなり始めた.仲間たちも,帰宅する人,仮眠に入る人.しかし,明るくなりつつある空にも,まだまだ流星は乱舞を続けていて,私はまだ屋内に入る気になれなかった.

  この光景を目に焼き付けたい.

  すっかり明るくなるまで,天文台の屋上で過ごしたのだった.その時の想い通り,あの夜の光景は今でもしっかりと目に焼き付いている.

  あれから10年(き○まろじゃないぞ).

  撮影機材も,撮影技術も,画像処理の技術もだいぶ進歩した.今の機材,技術だったらどんな写真が撮れたんだろう?

  あ,そういえば,皆既月食も,木星食も,火星大接近も,しし座流星群も,大きな天文現象は全部天体写真を始めて3年くらいの間に起こった.今の技術・機材でそういう現象を撮影してみたいものだ.

  来月の皆既月食は晴れてくれるだろうか.

 

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2011年11月17日 (木)

そううまくは

  昨日(16日)夕方の天気予報では「一晩中晴れ」だった.
  しかし,20:30頃の空には雲がいっぱい.
「なんだ,ダメじゃないか」
ということで早めに就寝.

  そして,例によって03:00頃に目が覚めた.
  そして,外に出てみると,
「おぉ,快晴じゃないか!」
と思った瞬間! 目に飛び込んだのは,明るい流星だった(いや別に流星が目に飛び込んできたわけじゃないが).
「あ,そういえばそろそろしし群(しし座流星群)の極大だっけ」

  とりあえず全天の写真を一枚.
2011年11月17日 自宅にて そして,あわよくば流星が写ってくれないだろうかということで,北極のあたりにカメラを向け,日周運動の撮影を開始.
北天の日周運動 2011年11月17日(クリックで拡大,600 × 900 pixel,189kb)
結局,写ったのは上のサイズではわからないくらいの小さな流星が一つだけだった(しかもしし群じゃなくて散在).

  やっぱりそううまくは行ってくれないか・・・

 

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2011年11月16日 (水)

嫌がらせだ…

  一般的にあんまり知られていないようだが,一年中で日没の時刻が一番早いのは冬至の頃ではなく,11月末〜12月始めの頃である.このことをネタに使うべく,昨日(15日)は日没の写真を撮ってやろうと準備をしていた.
  午後4時頃.
  雲が結構多く,夕日そのものは見えなかったが,「夕焼け」は見えていたので,
「もしかして何とかなるか?」
と思っていた.

  昨日の水戸地方の日没は午後4時半頃.
「さてそろそろかな」
と思ってカメラを準備し始めた時.
「え゛,雨?」
突然の雨.それもばたばたと音を立てて.
「なんてこった.手も足もでないじゃないか」
実は私自身は気づいていなかったが,この時,市内で雹が降った地域もあったらしい.

  (天気に向かって)いやね,アンタが意地悪なのはわかってるけど,何もそこまでしなくたって…

まったくもって,悪質な嫌がらせじゃないか.

  その後また晴れたものの,そこここに雲も漂っていた.どうせ月も明るいし,地面も濡れているしということで早めに就寝.

  例によって早い時刻に目が覚め(と言っても今朝は04:00過ぎだったのだが),外に出てみた.

  快晴.

  とりあえずいつものように全天の写真を撮ってみる.
2011年11月16日 自宅にて う〜ん,月が明るいねぇ.

  ・・・ふとレグルスの近くに見えている火星が目に止まった.
「よし,こいつ(レグルスと火星)を狙って(写真を撮って)やるか!」
と思って望遠レンズの準備を始めたところで,
「いや,コレはネタに使えるかも」
と思い直し,広角レンズを使って一枚.
しし座にいる火星 2011年11月16日 よしよし,これでネタが一つできたぞ.

  本当はこの後望遠レンズでも撮ってみたかったけど,そろそろ空が明るくなってきてしまったので強制終了.

  最近,自分の興味よりネタを優先しなくてはならないのが大きな悩みではある.
  夜の間にきっちりネタを作っておかないと,後でエラく苦労することになるんですよ・・・

 

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2011年11月15日 (火)

ほっと一息

  日本時間昨日(14日)午後1時14分,米露の宇宙飛行士3人を乗せたソユーズ宇宙船が,カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた.打ち上げは成功,宇宙船も予定通りの軌道に乗り,国際宇宙ステーションには16日にドッキングする予定である.
  8月24日に,プログレスの打ち上げに失敗したというのは衝撃的であった.「ソユーズ」「プログレス」の打ち上げに使われるロケットは1700回の打ち上げ実績を誇り,「世界で最も信頼性の高いロケット」であったからだ.また,スペースシャトルが全機退役した今,国際宇宙ステーション人員を運ぶ唯一の手段でもあるのだ.結果,予定されていた「ソユーズ」の打ち上げは延期され,一時は国際宇宙ステーションを無人にする必要があるかもしれない(帰還用として国際宇宙ステーションにドッキングしてある「ソユーズ宇宙船」の設計寿命が尽きてしまうため,それまでには帰還する必要があった)と危惧されてもいた.
  さらに,ロシアではロケットの打ち上げ失敗が相次いでいた.8月18日に「プロトン・ロケット」による通信衛星「エクスプレスAM4」の打ち上げ失敗,そして24日に「プログレス」打ち上げ失敗,さらに先日の火星探査機「フォボス・グルント」の火星遷移軌道への投入失敗…
  この上,「ソユーズ」の打ち上げに失敗となれば,大変なことになっていただろう.世界的に見れば,国際宇宙ステーションへの人員輸送の方法を失うことになるし,ロシアとしても,「宇宙大国」としてのの面目は丸潰れ,国外からの衛星打ち上げの受注は大打撃を受けていただろう.
  もともと「ソユーズ」は信頼性の高いロケットだから,成功させる「難易度」は低かったかもしれないが,それだけに「絶対に失敗は許されない」,担当者たちは壮絶なプレッシャーの中での打ち上げだったに違いない.「難易度」の低い関門をクリアしたところで「これで安心」というわけにも行かないだろうが,とりあえずこれで「ほっと一息」というところかもしれない.

  ちなみに,23年前の今日(11月15日,日本時間では14日),同じバイコヌール宇宙基地から,ソ連版の宇宙往還機であるブランが初めて打ち上げられた.打ち上げは成功,無人のオービターは地球を周回した後,無事に着陸にも成功した.予定では1992年に有人飛行を行うはずだったが,1991年にソ連が崩壊,再度の打ち上げのめどが立たないまま計画は凍結,バイコヌール宇宙基地に保存されていた「ブラン」も,宇宙基地を襲った2002年5月12日の暴風により機体が著しく損傷し,二度と宇宙を飛ぶことはなかった.
  その「ブラン」と打ち上げロケット「エネルギア」は↓こんな姿のものであった.
1/100スケールペーパークラフトによる 「エネルギア」と「ブラン」 歴史に「たら」「れば」を言っても仕方ないが,この機体がもし,スペースシャトル並に活躍できていたらどうなっていただろう?もっとも,見るからに複雑な機体,見るからにお金のかかりそうなシステムなので,結局はスペースシャトルと同じ運命をたどったような気はするが.

 

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2011年11月14日 (月)

近くて遠い

  日本時間9日朝に打ち上げられたロシアの火星探査機「フォボス・グルント」.どうやら地球周回軌道への投入には成功したものの,火星への進路変更に失敗,現在は地球周回軌道上で立ち往生しており,今月末にも地球に落下すると見られている.

  先日の記事にも書いたが,とかく火星探査は失敗が多い.ロシアは旧ソ連時代の1960年に初めて火星探査機を打ち上げ,過去20回の打ち上げを行って来たが,計画通りの成功は一度もない.「フォボス・グルント」で「21度目の正直」を目指したが,これもまた返り討ちにあってしまったわけだ.

  ちょうど40年前の1971年の今日(日本時間11月14日),アメリカの火星探査機「マリナー9号」が,歴史上初めて火星周回軌道への投入に成功した.ソ連の探査機が度々失敗している中,世界で初めて地球以外の惑星に探査機を周回させることに成功したアメリカだが,それでも「マリナー9号」以前に2度失敗している.
  アメリカはその後も火星探査機の打ち上げを続けている.「マーズ・グローバル・サーベイヤー」,「オポチュニティ」と「スピリット」,「マーズ・リコネッサンス・オービター」など,華々しい活躍をした(している)探査機もあるが,火星周回軌道投入に失敗,火星に墜落した「マーズ・クライメイト・オービター」や,火星面への着陸に失敗した「マーズ・ポーラー・ランダー」など,失敗した例もある.アメリカの探査機は比較的成功率が高いが,それでもこれまで打ち上げられた19機の探査機のうち5機が故障をおこしている.

  火星は,(最接近時の距離で)金星に次いで地球に近い惑星である.しかし,なかなかそこに到達できない.地球人にとって火星は「近くて遠い」星のようである.

  次に予定されている火星探査ミッションはアメリカの「マーズ・サイエンス・ラボラトリー」で,打ち上げは11月25日,探査車「キュリオシティー」が2012年8月に火星表面に着陸する予定である.
  今度の探査機は「火星人」に受け入れてもらえるだろうか.無事に成功して欲しいものだ.と同時に,最近失敗が多いロシアにも一つ頑張って欲しいものである(今日打ち上げられたソユーズはどうやら無事に成功したようだが).

 

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2011年11月13日 (日)

結果オーライ

  昨日(12日)は城里町ふれあいの里で観望会.天文台は未だ震災の被害から復旧していないので,例によって自分の機材を持ち込んでの観望会だ.
  天気は・・・予報では「曇り」.そして,19:00頃は・・・薄曇り.
「こういうのはやりづらいんだよねぇ」
一昨日(11日)は雨で,観望会は迷うことなく中止,しかし,こういう中途半端な天気では実施すべきか中止すべきか迷う.しかも,大体において,こういう天気の時は判断が裏目にでることが多いのだ.

  で,

「多分この後曇るんだろう」
ということで,判断をギリギリまで粘った.

  が,

  ぎりぎりの時刻になっても状況は変わらなかった.木星も月も見えているし,
「やるしかないか・・・」
ということで,気分が乗らない中,準備を開始.

  ところが・・・

  望遠鏡の準備が完了,木星に向けてみると,
「うぉー!すっげー!」
まぁ上空の大気が安定している時にこういう天気になりやすいわけで,こんな天気の時にはそこそこ良くあることではあるのだが,高倍率にしてみても木星が揺れない.縞模様も5〜6本は軽く見分けられる.
「こんなに良く見えるのは今年初めてだぞ」

  ということで,一気に乗り気になった.

  観望会が始まってみると,集まった参加者は20人ほど.
  まずはその木星を見てもらう.最初に70倍程度でガリレオ衛星の様子を見てもらい,その後250倍にまで倍率を上げて大きく拡大.昨日持ち込んだ望遠鏡は20cmニュートン(ビクセンのR200SSだ)だから,250倍なんてのは過剰倍率気味だ.いやしかし,昨日はそれでも実に良く見えていた.
「へぇ,こんな風にみえるんだぁ」
「これって,(木星を指差して)あの光っている点を見ているんでしょう?すっごいなぁ」
集まった人たちも大喜び.

  次は月.昨日は月齢16くらいだ.20cm反射で見ると実にまぶしい.
「うわぁ,これも凄いや」
「まっぶしー!」
こちらも大喜び.
「今日はとても良く見えるので,クレーターが良く見えるところを拡大して見てみましょうか」
ペタヴィウス・クレーターあたりを拡大して見てもらった.
「へぇ,宇宙船の窓から見てる見たいですねぇ」

  あいにく快晴というわけではなかったので,見られたのはこれだけ,星座の案内もできなかったのだが,これだけ喜んで貰えればこちらも満足.

  観望会は21:00頃に終了したのだが,あんまり良く見えていたので,とりあえず月を一枚.
月齢16 2011年11月12日(クリックで拡大,600 x 600 pixel, 66kb)
コンポジットなし,一発勝負の一枚だが,これでも結構良く写ってくれた.

「むぅ,木星も撮りたいなぁ」
と思ったのだが,こういう天気になることはすっかり想定外だったので,いつも惑星の撮影に使うビデオカメラは持参していなかった.
「でもやっぱり撮りたいなぁ」
ということで,むりやりデジタル一眼で撮影を試みる.
木星 2011年11月12日 ビデオカメラのように数百コマとか数千コマとかいうわけには行かず,30コマだけのコンポジットだが,それでも先月撮った
木星 2011年9月28日 ↑これより少しマシだ.あぁ,きっちり準備してあればねぇ.

  観望会が始まる前は
「曇っちゃえばいいのに・・・」
と思っていたのだが,結局曇らなかった.でも,そのおかげで昨日はかなり充実した時間を過ごせてかなり満足.
  たまには「結果オーライ」なんてこともあるもんだねぇ.

 

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2011年11月12日 (土)

  昨日(11日)は「定期観望会」の予定だった.

  天気は・・・雨.

  「あぁ,またダメなのか・・・」

  またしても「定期観望会」を実施できないというのは,まことにもって残念なことではある.震災以来,この観望会をまともに実施できたのは前回のたった1度だけである.震災前は,1月から3月の前半までで5回実施できていたのに.
  でもまぁ,「快晴」でないのなら「雨」の方がありがたい.誰がどう見ても星が見えるわけない(雨が降っていたのでは望遠鏡を持ち出すこともできない)わけで,私自身にとってもさっさと諦めがつくし,「誰か来るかも」と,観望会の時間帯に会場で待機している必要もない.

  というわけで,昨日は早々と観望会の中止を決定,私自身ものんびりとした時間を過ごした.

  今年はとにかく天気が悪い夜が多い.
  そういえば,(震災で被災した城里町ふれあいの里天文台がまだ復旧していないということもあるけれど)今年はまだ木星も,アンドロメダ銀河も,二重星団も,E.T.星団もじっくり眺めてないなぁ.

  ちなみに,今日の夜にも観望会の予定がある.予報は・・・どっちつかず・・・
  さて,どちらに転ぶのか.でも,「晴れそうで晴れない」とか「曇りそうで曇らない」とかじゃなくて,「晴れ」か「雨」かどちらかにはっきり転んで欲しいものだ・・・

 

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2011年11月11日 (金)

慣れないこと

  昨日(10日)は水戸市のお隣,ひたちなか市某所で市民のための公開講座.

  いつもなら,「天文教室」なのだが,昨日のお題は「宇宙開発」.

  と言うのも・・・

  昨年夏,同じ場所で観望会が企画されていた.が,当日はあいにくの天気で,屋内での「天文教室」となったのだった.
  折しも,小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰還してまだ1ヶ月足らず.当然,「天文教室」の話題も「はやぶさ」が中心だった.
  で,これがどうもかなり好評だったらしい.
「今度は是非,宇宙開発の話題でお話をお願いしたい」
と言われていたのだった.

  まぁロケットのペーパークラフトをさんざん作り,それについていろいろ薀蓄を調べているので,「宇宙開発」についてもいつの間にかそれなりに詳しくはなっているのだが,この話題をテーマにまとまった話をするというのは自身初.

  さてどうしたものか・・・

  あれやこれやと資料を集めたり,話を組み立てたり,直前になるまで必死になって準備していた.
「えぇ!もうこんな時間じゃないか」
気がついたら,本当に直前になってしまっていた.会場まで移動するのに結構時間がかかるので,慌てて出かけるハメになった.
  会場へ車で移動中,大変なことに気がついた.
「あ゛,メモ忘れた・・・」
話す内容のメモを忘れて出かけてしまったのだった.

  講座は2時間.「はやぶさ」の話題をネタふりに使い,ツィオルコフスキー,ゴダード,フォン・ブラウン,コロリョフ,糸川英夫など,宇宙開発に多大な功績のあった人を紹介しながらの宇宙開発史・・・いやはや冷や汗を掻きながらの話になったが,皆さんも熱心に聞いてくださって(昨日の参加者は全員大人だった),どうにかこうにか慣れない話を終えたのだった.

  いやはや疲れた.やっぱり慣れないことをやるのは大変なものだ.

  でも,これはこれで非常に勉強になった.これで「持ちネタ」が増えたというもんだ.
  昨日の講座,一番得るものが多かったのは私自身だったかもしれない.

 

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2011年11月10日 (木)

火星の呪い!?

  「呪い」と言っても・・・

  プロ野球,ソフトバンクホークスは,ダイエーホークスの時代から,プレーオフ,クライマックスシリーズに7回出場(出場を逃したのは1回だけ)していながら,今年初めて突破するまで過去6回敗退している.
  それを「クライマックスシリーズの呪い」と表現されたりしていたが,この記事の「呪い」もそれと同じレベルのものであり,決して「オカルト」の意味はない.

  火星の衛星「フォボス」表面からのサンプル・リターンを目指した,ロシアの探査機「フォボス・グルント」と,火星周回軌道から火星の観測を行う中国の探査機「蛍火1号」を載せたゼニット・ロケットが,日本時間9日午前5時16分,カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた.
  打ち上げは成功と見られていたが,ロケットの分離後,2度のエンジン点火に失敗,地球周回軌道への投入にも失敗した可能性が高く,一部は地球に落下した可能性もあるという.

  どうも火星探査機には失敗が多い.

  ロシアは,旧ソ連時代,1960年から火星探査機を打ち上げてきた.しかし,2008年までに打ち上げられた20の探査機の中で,完全な成功を収めたものは1機もなく,火星を数回周回した程度だったり,着陸には成功したものの,数秒〜数十秒で交信途絶してしまったりといった程度に終わっている.そして,今度もまた打ち上げ失敗である.
  日本の火星探査機「のぞみ」も,打ち上げには成功したものの,地球スイングバイに失敗,必死の努力により火星に向かう軌道には乗せられたものの,度重なる機器の故障もあり,火星表面に墜落する可能性がどうしても残ってしまったため,火星周回軌道への投入は断念された(「のぞみ」はもともと火星表面に降りることは想定されておらず,滅菌処理されていないので,火星へ地球の生物を持ち込む危険性を回避するために,火星表面に墜落する可能性が1%でもあれば,火星から離れる軌道に乗せなければならなかった).
  大活躍をした(している)「スピリット」「オポチュニティ」の双子の探査車をはじめ,「マーズ・リコネッサンス・オービター」,「マーズ・グローバル・サーベイヤー」,「フェニックス」など,数々の探査機を送り込み,成功率が高いように見えるアメリカも,実は打ち上げた19機の探査機のうち5機が故障を起こしている.

  火星探査機のおよそ3分の2が,何らかのトラブルに見舞われている.冒頭に書いたのと同じような意味で,「火星の呪い」とでも言いたくなるだろう.

  火星は,2年2ヶ月ごとに地球に接近する.その時,火星は夜空に不気味に赤く明るく見え,古来から「戦乱の予兆」と忌み嫌われていた.実際,西南戦争のあった1877年も火星大接近の年であったし,火星大接近で話題となった2003年は,「イラク戦争」のあった年である.地球上では(悲しいことだが)戦乱が絶えず,そうした戦争が起こるのは別に火星が接近した年に限ったことではないのだが・・・

  もし「火星人」なるものがいたなら,その「火星人」にとってみれば,地球に接近するたびに地球では戦争していて,
「あの星では接近するたびに毎度毎度戦争してる.ったく,あの星の生き物はおとなしくしておれんのか!」
と呆れているかもしれない.度重なる火星探査機の失敗は,
「あんな野蛮な生き物が作った宇宙船なんか我々に近づけてたまるか!」
ということなのだろうか.

「火星人」はよっぽど地球人が嫌いらしい.

 

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2011年11月 9日 (水)

小惑星の接近

  小惑星2005 YU55 が今朝(日本時間9日午前8時28分頃),地球から32万5000kmの距離を通過して行った.

  このことは数日前に発表されており,「大型の小惑星が地球に接近」などと報道されていた.
  しかし,宇宙の「スケール感」というのは一般的には馴染みがなく,こういう報道はどうも誤解を招くので好きではない.

  まず,「大型の小惑星」と言うが(このことは先日,このブログでも少し触れたのだが),2005 YU55の 直径は約400m.「地球に落ちてくる」となれば,たしかに大きいし,もしそんなことになったら大変だ.どこぞで見た(どこだったかは忘れた)が,もしこの小惑星が地表まで落ちた場合,マグニチュード7に相当する地震が起き,海上に落ちたならば,かなり巨大な津波が発生しただろうということだった.しかし,今回は「接近」」するだけ.となれば,直径400mの小惑星が「大型」なものか.「はやぶさ」で話題になった小惑星「イトカワ」の大きさが535 × 294 × 209m.それと比較しても別段大きいというわけではないだろう.ということは,2005 YU55の重力は「イトカワ」とさして変わらず,地球の10万分の1程度だろう.
  また,「接近」という表現も微妙だ.天文学的に言えば,「月より近い」なんていうのは,「ニアミス中のニアミス」ではある.しかし,月までの距離は平均でも約38万km,それより近いからと言っても,35万5000kmなんていう距離は,一般的な感覚からすれば「もの凄く遠い」はずだ.
  天文学的な意味での「スケール感」からすれば,今回の小惑星の接近は,「小型の小惑星が地球にかなり接近」なのだが,一般的な「スケール感」から言えば「大型の岩石の塊が地球からずいぶんと遠いところを通って行った」という感じだろう.実際,近いと言っても,地上からその姿を肉眼で見られるほどではなかったし.

  ただ,私としては是非写真に撮ってみたかった.地球に接近した小惑星としては,過去に一度だけ撮影したことがある.
地球近傍天体 2006 VV2 2007年3月31日 これは,2007年3月31日に地球に接近した小惑星 2006 VV2 で,その31日02:00頃,わずか5分間の軌跡である.この時,2006 VV2 と地球の距離は340万km,明るさは10等程度だった.今回の2005 YU55 はわずか32万km,直径400m程度の小惑星がどの程度の明るさで見えたのか,果たして上のように簡単に写真に撮れたかはわからないが,もし撮れたとすれば,星々の間を猛スピードで駆け抜けて行く軌跡が面白かっただろう.

  もっとも,接近するのが日本の夜の時間帯で,せっかく撮影に挑戦できる状況なのに「べったり曇り」なんてのはとっても悔しい.接近するのが夜が明けてからとなれば,あっさり諦めもつこうというもんだ・・・

  最近の天気の悪さを思うと,接近したのが夜でなくて良かったのかもしれない.

 

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2011年11月 8日 (火)

ちょっと嬉しい

  私の職場がある建物の一階ロビーには,私のペーパークラフトたちが展示されている.
ペーパークラフト展示こんな具合.
  その同じ場所(写真の手前側)で,小中学生のちょっとした展示が行われており,出展した子供とその家族が見に訪れている.
  おそらく,作品が展示されている子供の弟さんだろう,小さな男の子が,この展示に見入っていた.よくよく興味をそそられたのだろう.そのうち,透明なケースのわずかな隙間から手を突っ込んでいじり始めた.
「あー,お願い,触らないで見てね」
と声をかけ,いじるのは止めてもらった.見ると,「こうのとり」2号機の下部に付いているノズルがとれてしまっていた.まぁ修理には大して手間はかからないけれど.

  困ったものだ・・・

  と思う場面ではあったのだろうが,その子が,そこまでして興味をそそられていたのが嬉しい気もした.おそらく,その子はそれが何であるかわかってはいなかっただろう(それが「宇宙ステーション補給機」の模型だとわかっていじっていたとしたら,それの方が恐ろしい).しかし,このくらい小さい頃の記憶というのは,意外と将来まで覚えているものだ.もしかして,十数年後,その子が大きくなった時,「あれは『こうのとり』だったのか!」と気づく時があるかもしれない.それが早い時期であれば,もしかして宇宙開発に携わることを将来の夢にしてくれるかもしれない.「はやぶさ」のプロジェクトマネージャーだった川口さんも,子供の頃,ボイジャー計画等の宇宙開発の物語に触れたのが,宇宙開発の道に進むきっかけだったのかもしれないと話していた.

  今日もまた,この展示に見入ってくれている子がいる.そんな子の中から,将来「はやぶさ」に匹敵するような成果をあげて,
「いやぁ,子供の頃,ずらっと並んだロケットの模型を見ましてね,それが宇宙開発の道に進むきっかけだったんですよ」
なんて言ってくれる人が現れたら,この上ない幸せだと思う.

  さて今日も頑張るとするか!

 

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2011年11月 7日 (月)

サターン I SA-4

  ペーパークラフトロケットシリーズ,今回は
1/100スケールペーパークラフトによる サターン Ⅰ SA-4サターン Ⅰ  (SA-4). アポロ計画の初期,初めて模擬の第二段を搭載して打ち上げられたロケットである.型紙は “surfduke's Moonport Project” から.
  サターン Ⅰ型ロケット4度目の打ち上げとなるこのミッションは,第一段“S-Ⅰ”の最後の飛行試験でもあった.“SA-1”から“SA-3”までと同様,今回も第二段はダミーであったが,このミッションで搭載されたものは,空力的には本物の第二段“S-Ⅳ”と同じになるように作られたものであり,ヴェント・ダクトやカメラ・ポッド(ダミー)なども,本物と同様に取り付けられていた.
  このミッションではもう一つ重要な実験が予定されていた.これは,打ち上げ後に8基あるエンジンのうち1基(第5エンジン)を停止させるというものであった.何らかの理由でエンジンが異常停止した場合,そのエンジンが使うはずだった燃料が他のエンジンにまわされ,残ったエンジンを長く燃焼させることで,予定通りの軌道に投入することを可能にするシステムを検証するための実験である.
  打ち上げは1963年3月28日に行われ,打ち上げ後100秒で予定通り第5エンジンが停止された.前述のシステムは正常に作動し,ロケットは計画通りの軌道を飛行した.この技術は,こうしたクラスターロケット(多数のエンジンを束ねたロケット)の開発に重要な技術であり,実際に,のちのアポロ6号(無人)やアポロ13号(ともにサターン Ⅴ型)の打ち上げの際に役立っている.
  ロケットは最高高度129km,最高速度は時速5906kmに達した.第二段は分離できる構造になっていなかったが,第一段上部に取り付けられた逆噴射ロケットの噴射テストも行われた.これは,第二段の分離の際,第一段が第二段に追突することを防ぐためのものであり,この実験成功により,逆噴射ロケットの有効性も確認された.
  この打ち上げをもって,サターン Ⅰ型最初の型である“ブロック Ⅰ”の飛行試験は終了し,次の“SA-5”ミッションからは改良された“ブロック Ⅱ”が用いられることになる.

  ・・・というわけで,よせばいいのにエラく作り辛いサターン I型ロケット4度目の製作である(中でも作り辛い“ブロック I”だけで3度目).
  3度目であっても,第一段下部の複雑な形状は散々苦戦.しかも,前回作った“SA-3”の方がやや出来が良かったかも.

  さて,このロケットが“SA-3”までと違っているのは第二段の部分.
1/100スケールペーパークラフトによる サターン Ⅰ SA-4 模擬の第二段 いやはやこれが大変.側面にへばりついている細い管とか,1段め最上部の側面についている小さな逆噴射用の「レトロ・ロケット」とか.実はこの型紙には「組み立て説明書」がない(もっとも,あったとしてもこの型紙の作者は,説明が全部文章だけで写真はなく,また,このくらい細かい部品については,どうせ「写真を見て適当に付けてね♪」としか書いてくれないのだが).そのため,製作にあたっては,実機の写真を見て,それに近くなるように工夫するしかないのだが,サターン V型ならともかく,この時代のもので,これほど知られていないミッションとなれば,その「実機の写真」だってかなり限られている.あったとしてもかなり不鮮明な写真だったり.最後は想像力を駆使して,「たぶんこんな感じだろう」という具合に作るしかない.ま,完成した模型と,その「不鮮明な写真」を見比べる限りでは,それほど違いがあるようには見えないけれど(もうこうなると,間違っていたって,どうせ見る人にもわからないだろうと割り切らないとノイローゼになりそうだ).

  というわけで,ここまででサターン I 型ロケットシリーズは4機が完成.その4機を並べて記念撮影.
1/100スケールペーパークラフトによる サターン Ⅰ 型ロケットシリーズ(左から SA-1SA-3SA-4 そして SA-6
左の3機(特に左の2機)の違い、マニアじゃなければわからないだろうねぇ(マニアでもわからない?).我ながらよくこんなものを作ったものだ.SA-2だけ抜けているけれど,さすがに違いが少なすぎたので省略.

  完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ.→Saturn Ⅰ SA-4

  さて,第一段の下部が
1/100スケールペーパークラフトによる サターン Ⅰ SA-1(底部) ↑こーんな作り辛い形をしたブロック I の機体はこれで終わり.次の SA-5 はこの部分が円筒形なのでちょっとは楽だろう・・・ってここまでやったらやっぱり作らなきゃならないよねぇ.

ロケットのペーパークラフトは是非↓こちらもご覧ください
PASA : Papercraft Aeronautics and Space Administration

 

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2011年11月 6日 (日)

火星から帰還

  ・・・と言っても,将来の有人火星飛行を想定して行われた隔離実験「MARS500」のこと.この実験は,火星への往復と火星滞在の期間を合計した520日の間,「乗組員」たちが周囲から隔離された空間で生活,肉体や精神にどのような影響がでるかを調査するためのもの.
  実験は今月4日に終了,この実験に参加したロシア,フランス,イタリア,中国の男性計6人が1年5ヶ月ぶりに実験施設の外に出て,無事「帰還」したというわけだ.

  実験施設は約550m2の模擬宇宙船で,個人のスペースは約3m2,シャワーの回数も制限され,食事もすべて保存食.実験帰還中は,その「船内」でそれぞれの「任務」をこなし,今年2月には火星に「着陸」,模擬宇宙船の横に設けられた模擬の「火星表面」も歩いた.

  しかしねぇ,520日もの間,わずか550m2の範囲しか行き来できず,顔を合わせるのも「同僚」の5人のみ.生活は毎日代わり映えしないだろうし,食事だって好きなものを自由にというわけにはいかない.辛いだろうなぁ.
  十数年前,太陽観測衛星「ようこう」の運用当番のために,何度か内之浦の宇宙空間観測所で過ごしたことがある.別に外に出ちゃいけないわけじゃないけれど,近くのお店まで歩いて1時間半,結局は滞在期間中はほとんど軟禁状態.私はこの中で最長3週間過ごしたけれど,2週間目に入る頃から,もう早く帰りたくて仕方なかった.

  それが520日とはねぇ.報酬として大金を貰えるとしても私は嫌だなぁ.

  報酬は一体いくら貰えたんだろう?
  と思ったら,一人約300万ルーブル(770万円).一年と5ヶ月で770万円か・・・その間,食費も光熱費も払わずに済むとしても,770万円じゃ安くないか?

  ロシア連邦宇宙局は,同様の実験を国際宇宙ステーションでも行う予定だという.

  宇宙ステーションで1年5ヶ月過ごせて,報酬770万円貰えるなら・・・でもやっぱり嫌かも・・・

 

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2011年11月 5日 (土)

また

  昨日(4日)午前中は良い天気だった.それが,午後になって雲が広がり,夕方にはすっかり曇りとなった.

  まともに星が見えそうな天気ではなかったので,自室でのんびりと過ごしていた.

  そして,日付が変わった頃,外に出てみた.
2011年11月4日 自宅にて あれ,晴れてるのか・・・でも,また昨日(4日朝)と同じようなすっきりしない晴れだ.いや,昨日の方がややマシだったか.
  また何か撮れそうなものを探して撮ってみようかとも思ったけれど,2晩連続でこれではやる気になれず,あっさりと諦めて就寝.

  ところで,

  また小惑星が地球に接近する.
  接近するのは 2005 YU55 という小惑星で,最接近は9日午前8時28分頃(日本時間),地球上空32万5000kmを通過するとのことだ.

  しかしねぇ,一部のマスコミの報道はなんとかならないのだろうか.この小惑星をさして,「大型小惑星」と表現している.いや,最近地球に接近した小惑星の中では確かに大きいのだが,この小惑星の直径は約400m,あの「イトカワ」より小さいじゃないか.それが大型なものか(天文学的には大型なのか?).
  この小惑星,地球に衝突する心配は全くないが
「2005 YU55の引力の影響で火山活動や大地震が誘発される」
なんてとんでもないことを言い出す人が現れないかちょっと心配(なんてことを思いながら Web を検索していたら,やっぱりあったんだな,これが).
  2005 YU55 が最接近した時の距離が32万5000km.月が大体地球から40万km.月の引力は地球の6分の1.「イトカワ」の引力が地球の10万分の1程度ということだったから,2005 YU55 の引力も地球の十数万分の1と見ていいだろう.そんな小さな引力しかない天体が,月とそれほど変わらない距離まで接近したからと言って,何か特別なことが起こるわけがないんだけどねぇ・・・

 

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2011年11月 4日 (金)

いま一つ

  昨日(3日)夕方,夜の天気予報は「晴れ」だったり「曇り」だったり.
「さて今日もどっちに転ぶんだか・・・」
  その頃の空には結構雲が広がっていた.

  20:00過ぎ.
「多分曇っているだろう」
と思いつつも,外をうかがった時,木星がしっかり出ているのが見えた.
「む.晴れてるのか?」
と思って外に出てみると・・・むぅ,所々に薄雲.
  これでとりあえず諦めて就寝したのだが,やっぱり02:00過ぎに目が覚めて,外に出てみた.
2011年11月3日自宅にて 快晴!・・・なんだけど,どうもこう,いま一つすっきりしないんだよねぇ.カシオペア座も,北極星も,よく探さないと見つからない.
「この空じゃ大したことはできないな」
と思いつつも,何もしないのはしゃくなので,とりあえずポタ赤とデジカメを持ち出し,ヒヤデス星団を狙ってみる.
おうし座の『ヒヤデス星団』(クリックで拡大,600 × 850 pixel, 215kb)
それほど悪くはないか.別段良くもないけれど.ま,今朝の空ではこんなもんでしょう.それにしても,こうして写真にしても,今ひとつ星団っぽく見えない.そのうち空の暗い場所に出かける機会があったら改めて狙ってみようか・・・

 

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2011年11月 3日 (木)

うすぐもり

  昨日(2日)は市内某小学校で観望会.
  昼間はそこそこ晴れていたが,夕方の天気予報は・・・「曇り」と「晴れ」が両方.

  さてどっちに転ぶか・・・

  と思っていたら,「うすぐもり」だった.
  空全体に薄い雲が広がっているけれど,月はなんとかぼんやりと見える.木星は微かに見えるけど,その他の星は一つも見えない.そして,昨日の観望会は参加者が120名と大勢.

「こういうのはやりづらいんだよねぇ」

  誰もが「きっちり見えるわけない」と思ってはいるのだが,(それが朧ろな月でも)肉眼で見えているとなれば,
「ちょっとだけでも望遠鏡で見てみたい」
と思うのが人情というもの.
  しかし,実際に望遠鏡を覗いてみて満足するという人はやっぱりほとんどいない.
  さらに,天気が開始時のまま変化しなければいいが,開始後に雲が厚くなったりすると,望遠鏡で見られる人と見られない人が出てしまう.人数が多ければなおさらだ.

  昨日の観望会は,悪天候の場合は屋内での天文教室ということになっていたので,屋外で観望会を実施するか,諦めて屋内で天文教室を実施するかの判断は主催者である小学校の先生にお任せした.

「やっぱりちょっとだけでも(子供たちに)見せてあげたいので,外でやりましょう」

  予想通りの判断ではある.
  ただ,上に書いた通り,見られた人と見られなかった人ができてしまうのは避けたかった.本当は,開会行事があり,私が今日見る天体についての解説をした後,望遠鏡での観望という予定だったのだが,とにかく月だけでも見られるうちに見てしまおうということで,開会行事などはすべて省略,集まって着た人から順番に,先に望遠鏡で月を見てもらった.
  この判断は一応正解で,集まった人全員にとりあえずは月を見てもらうことができたようだが,やっぱり満足したという人はほとんどなし.

  というわけで,昨日の観望会はエラく不完全燃焼に終わってしまった.

  こういう観望会はホント嫌なんだよねぇ.こんな天気になるくらいなら,土砂降りの雨の方が(諦めもつくので)よっぽどいいのに.

  やっぱり,世の中なかなかうまくは行ってくれないらしい.

  この記事を読んで,「だからこそ,そういう時でも完全燃焼できるように工夫しなくちゃならないんじゃない?」と思った方,いやホントごもっともです.でも,それがなかなか難しいんですよ.とりあえずこちらをクリックして応援の投票をお願いします.→にほんブログ村 科学ブログ 天文学・宇宙科学・天体観測へ

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2011年11月 2日 (水)

小さな一歩

  昨年6月,小惑星探査機「はやぶさ」は,満身創痍になりながらも無事にミッションを達成,地球に帰還した.その物語は多くの人の感動をよび,同時に何本もの映画が作られるという前代未聞というほどの人気となっている.

  〜 Falcon to Phoenix 〜
  (「はやぶさ」から「不死鳥」へ)

  とは,イギリスのアナウンサーが初めて口にした言葉だとか.

  一方,日本の金星探査機「あかつき」は,昨年12月,金星周回軌道への投入に失敗,以後金星軌道近くで太陽を周回する軌道にある.
  昨年12月の軌道投入失敗の際,軌道制御に用いるメイン・エンジンである「セラミックスラスタ」が破損した可能性があった.それでも,もしかしたらまだなんとか使えるのではないかと,先月その噴射試験を行ったが,推力は予定よりはるかに小さく,このエンジンを用いての軌道制御は断念せざるを得なくなった.
  しかし,「あかつき」チームはまだ諦めていない.「セラミックスラスタ」が使えないとなれば,当初予定していた軌道への投入は不可能となるが,探査機に搭載してある観測機器は健在,なんとか金星を周回する軌道に投入することさえできれば,種々の観測は可能となる.
  そこで,別の「姿勢制御エンジン」を使った軌道制御が考案され,昨日午後,第一回目の軌道修正のための噴射が行われた.そして,噴射により,この軌道制御には成功したとみられるとの発表があった.

  順調に行ったとして,「あかつき」の金星到着は早くて2016年.しかも,そこにたどり着くためには,あと何度も軌道制御に成功しなくてはならない.また,長期間宇宙空間の環境にさらされることによる機器の劣化もあるだろう.決して楽観できる状況ではない.それでも,わずかでも可能性を見出せたことは間違いないだろう.

  「はやぶさ」は「不死鳥」となった.さて,「あかつき」も不死鳥のごとく蘇り,日本の惑星探査に「夜明け」をもたらしてくれるだろうか.そのための小さな一歩を踏み出すことができた「あかつき」(とその運用チーム)に,心からエールをおくりたい.

 

「『はやぶさ』と同じように,『あかつき』にも最後まで諦めずに頑張ってほしい」と思う方,こちらをクリックして共感の投票をお願いします.→にほんブログ村 科学ブログ 天文学・宇宙科学・天体観測へ

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2011年11月 1日 (火)

久しぶりに

  最近はなかなか星雲・星団の撮影をする機会がない.
  まず今年はどうにも天気が悪く,一晩中快晴という夜が本当に少ない.
  そして,たまに快晴の夜があっても,最近はまず某所の原稿や,あちこちで話をするためのネタの写真を優先する必要があって,趣味としての天体写真に取り組むチャンスが極端に少なくなってしまった.

  そんな中,昨日(30日)の夕方は快晴.天気予報も一晩中「晴れ」だった.
「ここは一つ,久々に(星雲・星団の撮影を)やってみるか!」

  とは言え,やっぱり「ネタの写真」は撮っておかないと後で苦労するので,まずはそちらの撮影.
  そしてその後,久々に趣味の天体写真である.

  しかし,もう薄明開始までそれほど余裕はないので,「とりあえず撮れるもの」を狙ってみることにした.

  ターゲットに選んだのは,ぎょしゃ座輝線星雲&反射星雲 IC405「まがたま星雲」
  冷却CCDカメラやオートガイダーを用意する時間はなかったので,デジカメに望遠レンズ,ノータッチガイドで撮影.
ぎょしゃ座の輝線星雲&反射星雲 IC405「まがたま星雲」周辺(クリックで拡大,600 × 800 pixel,418kb)
「満足のいく出来」にはほど遠いが,久々にこうして星雲・星団の撮影に取り組めたのがちょっと嬉しい.

  とりあえず撮影を終了したのが04:00頃.その頃の空は↓
2011年11月1日 自宅にて とりあえず快晴.しかし(上の写真にも少し写っているが),この後南西から雲が広がってきた.やっぱり「一晩中快晴」というわけには行かないのか.でも,撮影の邪魔をされなくて良かった・・・

  というわけで,久しぶりに星空の下,機材をいじって楽しい時間を過ごしたわけだが・・・ネタの写真の方は・・・イマイチ使えない・・・今晩晴れても,そっち(ネタの写真)を優先するしかないか.

 

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