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2011年10月31日 (月)

ほっと一息

  モスクワ時間昨日(30日)午後(日本時間同日夜),バイコヌール宇宙基地から「プログレス補給船(M-13M)」を搭載したソユーズロケットが打ち上げられた.打ち上げは成功し,9分後に予定の軌道に投入された.

  このニュースにどれだけの人が胸を撫で下ろしたことか.

  ほんの数ヶ月前までなら,このニュースは「ふぅん」という程度.ソユーズロケットの打ち上げ成功はある程度「当たり前」のことだった.「ソユーズロケット」と言えば,現在,世界で最も信頼性の高いロケットだからだ.
  このロケットの原型は,“R-7”と呼ばれる,世界初の大陸間弾道ミサイルである.これを人工衛星打ち上げ用に改造したのが,世界初の人工衛星「スプートニク1号」を打ち上げたロケットである.ユーリ・ガガーリンが搭乗し,世界初の有人宇宙飛行を達成した「ボストーク宇宙船」を搭載して打ち上げたのもこのロケットの改良型である.そして,さらに改良を加え,「ボスホート」宇宙船の打ち上げに用いられ,さらに改良が加えられて「ソユーズ・ロケット」となった.
1/100スケールペーパークラフトによる “R-7系列”のロケットたち ペーパークラフトによる模型ではあるが,上の写真を見ての通り,ロケット下部は基本的に同じ(もちろん,細部の改良は行われている)だ(一番左が「スプートニク」,一番右が「 ソユーズ」).
  これらのロケットとその派生型を含めれば,打ち上げ回数は軽く1700回を越え,成功率は97%と言われる.日本のH-ⅡA系列のロケット(H-ⅡAH-ⅡB)が打ち上げ回数二十数回,失敗が2回であることを考えると,驚異的な数字だ.
  今年8月24日,このロケットの打ち上げが失敗してしまったのだから大変だ.スペースシャトルは引退したばかり,国際宇宙ステーションへ人員を輸送できるのは,世界でソユーズだけになっている状況の中でだ.しかも,プログレス補給船の打ち上げ失敗は,運用が始まってから30年で初めてのことであった.
  この失敗の影響で,ソユーズの打ち上げは一時延期となった.その延期が長引けば,現在国際宇宙ステーションにドッキングしている帰還用のソユーズ宇宙船は設計寿命を迎えてしまうため,滞在中の宇宙飛行士は帰還しなければならない.となれば,一時的にでも国際宇宙ステーションを無人にする必要に迫られるかもしれなかった.

  今回,プログレス補給船の打ち上げが無事成功したことで,とりあえず次のソユーズ宇宙船の打ち上げは11月に行われることになり,その打ち上げが無事に成功すれば,国際宇宙ステーションを無人化しなければならないという事態は回避できるというわけだ.
  もちろん,次の「ソユーズ宇宙船」の打ち上げが成功しないことには,「これで安心」というわけには行かない.しかも,これまで当たり前のようにうまく行っていたことが,たとえ一度でも失敗したとなれば,大変不安になるものだ.それでも,「2回連続して失敗」ということにでもなれば(もっとも,さすがにソユーズが2回連続で打ち上げに失敗するとはやや考えにくいが),それこそ国際宇宙ステーションの運用そのものを見直さなければならない事態になっていただろうから,そうならなかっただけでも,とりあえず「ほっと一息」というところだろう.

  とりあえず,次はその「ソユーズ」の打ち上げの成功を祈りたい.しかし,「ソユーズ」とて完璧ではないのだから,「ソユーズ」以外での,宇宙への人員輸送の手段の開発を急いで欲しいところである(是非日本も頑張ってほしいところだ).

 

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2011年10月30日 (日)

ラジオ・ドラマ「宇宙戦争」

   イギリスのSF作家,H.G.ウェルズが書いた「宇宙戦争」がラジオ・ドラマ化され,アメリカのCBSネットワークで放送されたのが1938年10月30日,つまり73年前の今日である.
  このドラマ,原作の「宇宙戦争」の物語を,リアルにニュース仕立てに構成したものであった.最初と最後に,「フィクションである」ことを告げる断りがされていたのだが,途中だけを聞いた人は,それが本当のことだと思い込み,全米でパニックが起こったとされる(実際には,全国の警察に膨大な数の問い合わせがあったことは事実だが,それ以上のことは起こったという証拠はほとんどないらしい).

  そういえば,何年か前,イギリスのBBCがエイプリル・フールのジョークとして放送したUFOの情報が,いつの間にやら「真実のものらしい」と広まってしまったことがあった 

  こういうことが起こるのは,多くの人が,メディアから流される情報を簡単に信じてしまうことに原因があるのだと思う.

  数ヶ月前まで,ネット上のあちこちで見かけたものとして,
「東日本大震災は,エレニン彗星の接近が原因で起こったもので,再び接近する時にまた大地震が起こる」
というものもあった.情報の出所は知らないが,複数のサイトで見かけたので,その情報を見た人がそれを信じ込み,新たに掲載したものであったのだろう(現在までに,その肝心のエレニン彗星は核が分裂して消滅してしまった).
  件の情報を信じてしまっていた人は,「彗星」というものがどんなものか知らなかったのだろう.「彗星」とは核が主に氷でできていて,その大きさは標準で数km程度.ということは,その核がもつ重力など地球の数万分の1程度.そんなものが月までの距離の数倍まで近づいたからといって地震を引き起こせるはずがない.「彗星」の正体を知っていれば,それによって地震が起こるなんて話は冗談にしか思えない.

  これまたネット上で度々見かける「地震雲」.
  たしかに,過去に発生した地震の前に,「もっともらしい」雲が目撃されているという例もあるにはある.しかし,問題なのは,「どこそこで地震雲が出ていたから,数日後には大地震が起こる」と主張する人が,それが「本当に地震雲なのか」を検証していない点にある.地震の前兆たる「地震雲」であることを主張するならば,その雲が気象学的にありえる雲でないことをまず検証すべきところだが,地震雲云々を言っている人の中に,気象学の知識を持っている人はあまりに少ないように見受けられる.
  例えば,新天体捜索に情熱を注いで折られる方達だと,「もしかして新天体かもしれない」というものを見つけた際,まずやることは,「既知の天体である可能性を徹底的に調べる」ことである.そこに移動天体はないか,変光星はないか,赤外線天体はないか,何か機材の都合で写真に写り込んだ虚像ではないか.それらをすべて検証した上で,「既知の天体ではなさそうだ」という結論になり,そこまで行ってようやく報告をするのである.
  最近話題になった「超光速のニュートリノ」もそうだ.実験を行ったのは随分と前のことだが,その後,研究者たちは,「結果が間違いである可能性」を徹底的に検証,どうしても実験結果を否定することができなかったので報告に踏み切り,「検証実験」が行われることになっている.
  どちらにしても,まず目の前の事象を,自分が思う「結論」を否定する立場から徹底的に検証を行い,否定できない場合にのみ,結論として報告・発表しているのである.
  否定する立場からの検証をしていない情報というものは「信ずるに値しない」と思うのだがいかがだろうか.

  情報が氾濫している時代,目にした情報が正しいものかどうか自分なりにしっかりと検証する習慣をつけておきたいものだと思う.

 

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2011年10月29日 (土)

震災後初

  昨日(28日)夕方は「定期観望会」.

  実はこの観望会,今年に入ってからしばらくは毎回晴天に恵まれていた.
  3月の最初の「定期観望会」の時,終了間際に,東の空低く土星が見えた.あまりに低すぎて,くっきり見ることはできなかったのだが,
「これで,次回からは土星が見られますね」
と言っていた.これが3月4日のことである.

  あの震災が起こったのはその1週間後.

  “次回”と言っていた定期観望会は,そのさらに1週間後の18日に予定されていた.

  その3月18日も快晴だった.その日は,まだまだ震災後の混乱が収まっておらず,ガソリンも全然手に入らない状況のままだった.多分誰も来ないだろうと思いつつも,もし来て下さる方があるのなら,せめてわずかな時間でも星を見て心を和ませてもらいたいという思いから,一応準備はしていた.

  が,やっぱり誰も来なかった.

  その次,4月に入って最初の定期観望会の日も良く晴れていたが,まだ落ち着かない状況の中,新年度を迎えたばかりだったこともあってか,この日も誰も来なかった.

  そしてその次の回からは・・・全然天気に恵まれなくなった.
  雲間から星や月がかろうじて見え,参加者数人でなんとか実施できたこともあったにはあったのだが,とても満足の行く観望会ではなかった.

  そして昨日.
  昼間の状況ではどうなるか怪しかった(天気予報では,「曇り」が多かったし)が,夕方にはほぼ快晴となり,無事に実施となった.
  震災前まで常連だった方も来て下さり,
「いやぁ,お久しぶりです.震災の後初めてですよね」
とまぁ,上に書いたような“思い出話”なども.
  他にも十名ほどの参加があり,秋の星座の話,星座早見盤の使い方,星座を覚えるコツなど和気藹々.望遠鏡でも,木星の他,アンドロメダ大銀河二重星団E.T.星団などを見てもらった.

  途中やや薄雲が広がったこともあったが,大して邪魔されることなく,参加者全員にじっくり見てもらうことができ,なかなか充実した観望会だったと思う.

  「震災の影響」ではなく,天気の問題だったとは言え,ようやくこれで「定期観望会」も再開できたような気がする.
  こうしてみると,あの震災が遠い昔の出来事のようでもある.

  これで残ったのは,自作プラネタリウムの修復か.こっちは当分先のことになりそうだ・・・

 

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2011年10月28日 (金)

今度は・・・

  昨日(27日)夕方,天気予報では全部揃って「朝まで曇り」だった.気象庁も,日本気象協会も.WeatherNewsも,どこを見ても夜の間に「晴れ」マークは一つもなかった.
  が,20:00頃は快晴.1時間ほど経ってやや雲が出てきたものの,やっぱり晴れていた.

  そういえば,つい先日も似たようなことがあったなぁ.

  その日は,「晴れてるじゃないか!」と慌てて機材を準備している最中に,あっという間に曇ってしまったのだった.
「ふっ.今日はそのテにはのらないぞ」
  ということで,ずっと様子見.

  00:00頃.快晴.
  02:00頃.快晴.
「いやいや.騙されるものか!」
  ・・・
  04:00頃.快晴.
2011年10月28日 自宅にて あぁ,今度は結局曇らなかったのか・・・
  何だか悔しいので,カメラの向きを変えて,「冬のダイヤモンド」を狙って一枚.
冬のダイヤモンド 2011年10月28日
  いつもいつも天気にいじめられている私.昨晩は裏をかいたつもりだったのだが,裏の裏をかかれてしまった.

  結局,天気の方が一枚上手ということか・・・

 

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2011年10月27日 (木)

スランプの中で

  昨日(26日)はよくよくスランプだった.
  朝からPCはフリーズするし,ペーパークラフトは失敗ばかり.

  そんな中,夕方には市内某小学校で観望会の予定があった.
  なんとか晴れてはいたものの,直前になって雲が出てきた.
「あぁ,またこのパターンかよ」
曇ってしまった場合も想定して現地へ.

  ところが.

  観望会開始時刻までにはきっちり快晴になった.
  昨日の観望会は参加人数が少なめだったので,主砲の30cm反射に7cm屈折,そしてコルキットスピカを並べ,全部を木星に向けて見比べ.
  ただでさえ望遠鏡で星を見るなんていう経験は少ない子供たち,3種類の望遠鏡を見比べて大喜び.

  参加者が少ないのに,なぜいつまでたってもみんな見終わらないんだ?

  と思っていたら,みんな繰り返し列に並び,何度も見ていたのだった.

  とりあえず木星を見たところで,次の観望対象は多数決で選ぶことにした.
1.綺麗だけど1つの星(こと座のヴェガ)
2.すごく有名だけど,見ると案外がっかりしてしまうやつ(アンドロメダ大銀河
3.見てみると凄くおもしろいやつ(E.T.星団
4.と〜ってもきれいなやつ(二重星団
という具合に設定したところ,3.と4.がほぼ同数.時間にはまだやや余裕があったので,両方見ることに.二重星団はもう少し高く上がってからの方が綺麗なので,E.T.星団を先に見ることにした.
「君たちE.T.って知ってる?」
さすがに小学生の子供たちで知っている人はほとんどいなかった.
「あ,でもほら,あったじゃん,700年間ひとりぼっちとかいうやつ」
「何だっけ・・・あ,ウォーリー!」
「あ,それだそれ,それにそっくりに見えるぞ」
「うわぁ,ホントだぁ」
なかなか盛り上がった.

  そしてその後は二重星団.こちらも,
「うわー,綺麗!」
「星がいっぱい〜!」
なかなかの人気だったようだ.

  というわけで,結局最初から最後まで快晴.なかなか盛り上がった観望会で,私の方も久々に完全燃焼.どーしよーもないスランプの中,観望会だけは実にうまく行ったと思う.

  そして後片付けのために職場にもどったところで・・・
  暗い中,低い生垣があることに気づかず,つまづいて思いっきりダイビング(1.5m位は飛んだだろうか).掌と肘を思いっきりすりむいた.

  あぁ,結局盛大にスランプの一日を締めくくってしまった.

 

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2011年10月26日 (水)

どうにもこうにも

  いやはや,こうも天気が悪くてはどうしようもない.
  昨日(25日),昼間は晴れていて気温も上がり,結構汗もかいたものだ.

  夕方も,「もしかして晴れるかも」と思い,撮影の下準備だけはしておいたのだが・・・

  いつしかベタ曇り.そして無情の雨.
「あーあ,やっぱりダメなものはダメなのか」
まぁ,「晴れとみせかけてすぐ曇っちゃう」なんていう,先日のようなパターンよりはありがたいけれど.

  そんな訳で,昨日は早めに就寝したのだが,例によって02:00過ぎに目が覚めた.
  そして,夜空の様子を見に外に出てみたのだが,やっぱりベタ曇り.
  ため息をつきながら,しばしどんより曇った空を眺めていて,8年前のことを思い出した.

  冷却CCDを購入したのが8年前(2002年)の秋.
  清水の舞台から飛び降りるような気持ちで購入したものだが,手に入れてしばらくは晴れることがなく,ずいぶんとイライラしたものだ.それでも,10月に入ってからは晴れが続き,連日その「新しいおもちゃ」を使っての撮影で,疲労と睡眠不足でヘロヘロになっていた.
  そんな中で撮影した中の一枚が↓.

かに星雲 2002年10月18日撮影これが何と「天文ガイド」初入選になったのだった.

  あの頃は良かったなぁ.

  さて今日はこれから観望会の予定.実は先週に予定されていたのだが,その日は曇りで早々と延期が決定.その延期先が今日というわけだ.

  しかし,今になって雲が多くなってきた.

  はてさて,今日の観望会,どうなることやら・・・

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2011年10月25日 (火)

追突

  どうも最近,私はよくよく運のない男だ縁起の悪い男らしい.
  とにかく「事故現場」に遭遇することが多い.6月末から一昨日までで交通事故の現場に遭遇すること4件.事故の影響で乗っていた列車がストップしてしまったことが1件.そして,昨日も車同士の衝突事故の現場を通りかかった.
  ここをお読みの皆様,くれぐれも交通事故には注意されたい.

  それはさておき.

  現在,宇宙で発生した「追突事故」の現場(?)検証が進んでいる.

  2010年12月11日,小惑星「シャイラ」がアウトバースト(突然明るくなること)を起こし,小惑星であるはずのシャイラに3つの奇妙な尾が観測された.その後,ハッブル,スウィフト両宇宙望遠鏡がその「尾」を観測したが,シャイラの「尾」からは彗星特有の成分は検出されなかった.
  その後,石垣島天文台の「むりかぶし望遠鏡」と,ハワイの「すばる望遠鏡」の観測,そして室内衝突実験とそれに基づいた数値シミュレーションの結果を総合し,「シャイラ」の奇妙な3本の尾は,「シャイラ」に(軌道の)後方から別な小惑星が衝突した「追突事故」の結果形成されたものであるらしいことがわかってきた.

  このようなことは,最近他にも観測例があった.

  2010年1月,彗星のような天体「P/2010 A2」をハッブル宇宙望遠鏡が観測したところ,「核」のあたりに,X字状の複雑な構造がみつかった.現在,これも小惑星同士の衝突の結果と考えられている.

  太陽系には,発見されているものだけでも25万個以上もの小惑星が存在している.ものが小さいだけになかなか観測されないが,実は太陽系内での小惑星同士の「衝突事故」は結構頻繁に起こっているのかもしれない.

  火星と木星の間に存在している「小惑星帯」は,繰り返し起こる岩石質の天体同士の衝突によって形成されたと考えられている.こういった小惑星同士の「交通事故」の現場にでくわすというのは,「小惑星帯」の成因を知るためには非常に喜ばしいことではある.

  ただ・・・

  日常,道路上で起こる「交通事故」というのは少しも有益でない.繰り返しになるが,ここをお読みの皆様,くれぐれも交通事故にはお気をつけいただきたい.

 

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2011年10月24日 (月)

そんなことなら

  昨日(23日),天気予報によれば,夜の間はずっと「曇り」だった.
  20:00過ぎに様子を見た時にも確かに曇りで,
「こりゃダメだね」
さっさと諦めて床に就いた.

  02:00過ぎに目が覚めて,「どうせダメなんだろうけど」と思いつつも,ちょっと気になったので空の様子を見に外に出てみた.

  !

「晴れてるじゃないか!」
しかも,最近にしてはもの凄く珍しく快晴.
「あれ?でも予報じゃ曇りじゃなかったっけ?」

  この時点であっちこっちの天気予報を確認してみたけれど,これまた珍しく例外なく全部「曇り」.

  とは言え,せっかくの快晴.急いで「何ができるだろう?」と考え,撮影計画をたてて,いざ機材の準備.

  ところが,機材の準備が整った頃には,
2011年10月24日 自宅にて あぁ,どうしていつもいつもこうなっちゃうかなぁ・・・

  「快晴じゃないか!」と思ってから上の写真を撮るまで約20分.あっという間に雲が広がってしまったのだった.

  これですっかり戦意喪失してまた床に就いたのだが,再び目を覚ました時には,すっかりべた曇りになっていた.どうやら,快晴だったのはほんのつかの間のことだったらしい.

  そんなことなら,晴れていたことに気がつかなかった方が幸せだったろうにねぇ・・・

 

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2011年10月23日 (日)

人工衛星がまた落下

  ついこの間,アメリカの上層大気観測衛星「UARS」が大気圏に再突入して話題になったが,今度はドイツのX線観測衛星「ROSAT」が落ちてきた.
  発表によると,この衛星は今日(23日)10:50頃,インド洋上空で大気圏に再突入したらしく,現在のところ,被害などの情報は入っていない.

  こう頻々と人工衛星が落ちてくるってぇのはやっぱりちょっと怖いよねぇ.これからは人工衛星を打ち上げるなら,安全に処分できるようにしっかり考えておいてほしいものだ.

  ・・・と思う反面,やっぱり再突入の様子を見てみたかったなぁ.さぞや凄い見ものだったろう(相変わらずノーテンキ野郎).

  そうそう,昨日は某所でこの話題になった.
「また人工衛星が落ちてくるんだって?」
「あぁ,ドイツのヤツですね.明日の朝から午後らしいですよ」
「当たりたいなんて思ってるんでしょう?」
「何をおっしゃいますことやら!そんなこと思ってませんよ・・・ちょっとだけしか・・・」
破片に当たりでもすれば,人類史上初だ.歴史に名前が残るかも.
  いややっぱり誰にも当たらないに越したことはないです.
  今のところ被害の報告はないようだが,このまま「被害なし」であってほしいものだ.

 

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2011年10月21日 (金)

小さいけど大きい

  昨年6月に地球に帰還した「はやぶさ」.そのカプセルから採取された小さな小さな微粒子から,いろいろなことがわかりつつある.「イトカワ」は,かつてもっと大きな天体の一部であったらしいこと.形成されたのは太陽系誕生から少し後であったこと.その表面からは物質が流出しているらしく,遠い将来には消滅してしまうらしいことなどなど.
  せいぜい数千分の1から数十分の1ミリの微粒子からそんなことがわかってしまうというのは驚きだ.

  さて,今度は火星である.
  火星起源とされる隕石に含まれる鉱物の分析から,この鉱物は約40億年前,火星上で,約18℃の水の中で形成されたらしいということが分かった.
   分析が行われたのはALH84001といん隕石で,これまでにこの隕石は40億年前に形成されたということが分かっていた.今回は,この隕石中に含まれる炭酸塩鉱物の分析が行われた.炭酸塩鉱物を酸で処理し,発生した二酸化炭素分子の質量数を調べたのである.
  分析の結果,この鉱物は,18℃±4℃という環境で形成されたらしいことがわかった.火星起源の隕石に含まれる炭酸塩鉱物についてはいくつかの説があったが,この温度で形成されたとなると,水の中で形成された可能性が一番高いということらしい.
  ということは,約40億年前,火星には18℃という温度の水が存在していたことになる.現在の火星にはそのような温度の水が存在できる環境はないと考えられるが,探査機による調査によって,現在の火星にも水が流れたような痕とか,地球上の川に特徴的な地形などが見つかっていて,かつては大量の水が存在していたのではないかと言われていた.
  今回の分析の結果は,そのことを大きく後押しする結果と言えるだろう.

  しかし,これもまた,「二酸化炭素分子の質量数」なんていう小さな小さなものから,「古代の火星の水環境」なんていう大きなものが推定できてしまうのだからこれもまた驚きだ.

  見た目は小さくても大きな手がかりというわけだ.

  そういえば,先日放送されていた某有名SF映画でも,○ーダが「大きさは本質的な違いではない」って言ってたっけ・・・え?関係ない?

 

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2011年10月20日 (木)

大技

  太陽系内を航行中の宇宙ヨット「イカロス」が大技をやってのけた.

  「イカロス」は,ゆっくりと回転することで,セイルの四隅に取り付けられた重りに働く遠心力で,四角形のセイルをピンと張っている.
  その「イカロス」が,逆スピン運用に成功したとのことだ.

  たかが逆回転じゃないか.

  そう思うなかれ,宇宙にある探査機がそれまでと逆に回転するというだけで大変なことなのだ.

  「角運動量保存の法則」というものがあるので,一軸を中心にして回転している物体は,その姿勢が安定する.コマが回っていられるのも,自転車が倒れないのも,この法則があるからである.宇宙においても,探査機をとりあえず回転させておけば姿勢は安定するので,宇宙開発初期の人工衛星などは,機体全体が回転することで一定の姿勢を保っていた.現在では,その「回転する物体」を探査機や衛星内部に持っている(「はやぶさ」でちょくちょく登場する「リアクションホイール」というのがそれだ)ものが多いので,機体そのものは回転せずに済む.また,そういった場合でも,探査機や衛星に異常が発生した場合に備え,「セーフ・ホールド・モード」が用意されている.これは,姿勢制御を含め,ほとんどの機能を停止するかわりに,機体全体を回転させることが多い.回転させておけば,とりあえず姿勢が安定するからである.

  とりあえず回転させておけば安心,というわけだ.

  その回転を止めてしまうというのは,地上のスタッフにとって非常に恐ろしいものである(と思う).

  通常の探査機でも恐ろしいことだが,「イカロス」の場合はさらに恐ろしい.
  上に書いたように,「イカロス」のセイルは,回転していてこそ,ちゃんと張った状態に保たれる.この回転を止めてしまうということは,セイルの形状を保てなくなるかもしれないということなのだ.さらに,それを逆回転させるとなれば,悪くすればセイルが絡まって二度と元の形状にすることができなくなってしまうかもしれない.地球からはるか離れた宇宙を航行しているので,「そこへ行って直す」なんてことはできないのだ.

  「イカロス」は技術実証試験機である.このように危険な実験を実施したのは,セイルの形状に影響を与えるようなことをわざとやってみて,それによる変化をしっかり知っておこうという理由による.たとえ「イカロス」を危険に晒してでも,後に続く「宇宙帆船」のために,地上ではできない実験をしっかりやっておこうというわけだ.

  この運用の際に起こったセイルの形状の変化などはこれからの解析で明らかになるようだが,「イカロス」はちゃんと逆スピン状態に移行することができたらしい.見事大技をやってのけたというわけだ.

  あの「はやぶさ」の状況を伝え続けたツイッター「はやぶさ帰還ブログ」の「IES兄」さんによると,“「後方かかえ込み2回宙返り3回ひねり」に負けないくらい素晴らしいトライ”なのだそうな.

  「イカロス」の推進剤も残りわずかとなっているらしいが,可能な限り長く宇宙を飛びつづけ,貴重なデータと経験をもたらしてくれることに期待したい.

 

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2011年10月19日 (水)

やっぱり

  昨日(18日)も昼間は曇りがちな天気だった.
  それが,夕方ふと屋外に出た時には,ほぼ快晴になっていた.

  あれ?

  天気予報を見てみると,朝まで「晴れ」マークが並んでいる.
「今度こそ,比較明(比較明合成による日周運動の写真)くらいは撮れるか?」
と思い,早めに帰宅した.

  が.

  どうも雲が多いんだよねぇ.

  べた曇りというわけでもなく,結構星も見えていたのだが,かと言って快晴というわけでもない.比較明を撮るにしても,もう一息足りないといった状況だった.
「予報じゃ晴れなんだから,もう少し様子を見てみるか」

  ・・・

  ・・・

  午前2時過ぎ.
2011年10月19日 自宅にて むう.良くなるどころか,余計雲が増えてしまったじゃないか.まぁこれでも天気予報としては「晴れ」なんだろうけど.月が煌々と輝いている割には星もたくさん見え,空の透明度が高そうだっただけに何とも残念.

  なかなか撮影日和に恵まれないねぇ・・・

  そうそう,ニュースサイトを見ていたら,昨日の記事に書いた宇宙旅行,ヴァージン・ギャラクティック社は,現状20万ドル(約1500万円)から9割減の2万ドル(約150万円)までの費用値下げを計画しているとか.
  むぅ,150万円か・・・残りの人生でなんとかなる金額じゃないか!生きているうちになんとかなるんじゃないか?

  本気で貯金を始めようか・・・早速,今日の昼メシから節約するとするか!

 

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2011年10月18日 (火)

目前!宇宙旅行時代

  新たな時代の幕開けは目前に迫っている.
  ヴァージン・ギャラクティック社が建設中だった,世界初の商業宇宙船発着基地「スペースポート・アメリカ」が遂に完成,17日には落成式が行われた.

  この,人類に新しい扉を開く,人類初の「宇宙港」から飛び立つのは,同社が開発した商業用宇宙船「VSSエンタープライズ」(とその母機である「ホワイトナイト2」).乗員2名と乗客6名を乗せ,わずか4分間ながら高度100kmを突破,乗客は無重力を体験し,その窓からは青い地球を眺めることができる.
  ヴァージン・ギャラクティック社は,来年早々にも,乗客を載せた商業観光飛行を実現させる予定だという.

  現在,宇宙に行くことができるのは,非常に限られた「選ばれた人」のみである.宇宙飛行士になるのは大変だ.博士号がとれるほど優れた頭脳を持ち,どんなに過酷な環境にも耐えられ,長期の宇宙滞在でも体調を維持し続けられるほどの体力を持ち,さらに,限られた空間,限られたメンバーで長期間共同生活を続けられる人格とコミュニケーション能力を備えていなければならない.宇宙飛行士に求められるのは,ほぼ「完璧な人間」であることなのだろう.

  それが,遂に「普通の人」でも宇宙に行けるようになるのだ.これは考えただけでワクワクする.座席に座り,いざ離陸するという時,どんな気分なのだろう.母機から切り離され,ロケットエンジンに点火して「いざ宇宙!」という時,どんなことを考えるのだろう.無重力というところはどんなところなのだろう.窓から見える「青い地球」はいったいどんな美しさなのだろう.大気圏に再突入する時はどれだけドキドキするのだろう.「宇宙港」に着陸し,宇宙船から降り立った時,一体何を思うのだろう・・・

  ただ,そのお値段はお一人様20万ドル(約1520万円).とてもじゃないが,私のようは「凡人」には行けそうもない.

  しかし,希望がないわけでもないと思う.ほんの10年くらい前までは,1000万円台で宇宙に行けるようになるなんて考えられなかっただろう.それの実現がもう目前に迫っているのだ.
  果たして,私が生きている間に,私でも宇宙に行けるようになるだろうか.現状では「とても考えられない」ことではある.技術開発が進み,宇宙旅行ビジネスの競争が進めば,価格もどんどん安くなるかもしれない.あと数十年のうちに,「考えられないこと」が実現できないとも限らないのだ.

  あぁ,宇宙に行ってみたい.青い地球をこの目で見てみたい.

  ・・・「その時」のために,今から貯金をしておこうか・・・

 

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2011年10月17日 (月)

なかなか晴れない

  とにもかくにも,晴れた夜が少ない.いやはやなんとも・・・

  昨日(16日),昼間は曇りがちな天気だった.それが,夕方になって晴れ間が広がった.天気予報を見てみても,朝まで「晴れ」マーク.
「むぅ,月が明るいけど・・・チャンスがあれば,比較明(比較明合成による日周運動の写真)でも撮ってやるか」

  で,21:00頃.晴れていて月も見えているものの,そこここに雲.
「もう少しきっちり晴れてくれないかなぁ」
しばし様子を見ていたものの,状況が良くなる気配がないので一旦就寝.

  そして03:00過ぎ.
2011年10月17日 自宅にて むぅ,やっぱりダメか.月と木星しか見えないじゃないか.

  なんとなく悔しいので,とりあえず月を一枚.
月齢19 2011年10月17日(クリックで拡大,600 × 600 pixel,105kb)
  実はこれ,10枚ほど撮影したものを,Registax6 で処理したもの.Registax6 を使ったのはこれが初めてで,何度も何度も試行錯誤しながらやっとうまく行った.

  そういう意味じゃ,少しは成果があったかも.

  そう,「失敗」じゃなくて「成果」なのだ.(←わかる人にはわかる,どこかに出てきた台詞)

 

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2011年10月16日 (日)

子供に話すこと

  先日見に行った映画「はやぶさ」.見ての感想などは,見に行った翌日の記事に書いた(細かいことは書いていないので大丈夫)が,その映画の中で,本編には全然関係のないところで非常に共感したところがあった.

(これもまた見る前に知っていても「ネタバレ」にならないので大丈夫)
映画序盤での的川先生(劇中では的場先生)の台詞.
「子供たちに話している時って,実は自分が知っているつもりになっていただけだってことに気づかされるんだよね」

  これ,私にとってはまさに実感.

  子供たちの質問というのは,中途半端な知識がないだけに思いっきり難しいことを聞いてくる.
  劇中では,「夜空は黒いのに,なんで昼間の空は青いの?なんて・・・空気中の微粒子がなんて言ったってわかるわけないもんねぇ」なんて言っていた.

  子供たちの質問に,子供たちにわかる言葉で,そして,子供たちに間違った印象を持たれないように答えるというのは本当に大変.専門用語のほとんどは使えないし.
  答える側には正確な理解と,理解している内容を別なやさしい言葉で正しく言い換えられるだけの語彙力が求められる.また,どうしてもやっぱり子供には理解できないようなことなら,何とかしてその子の心のなかに「何か引っかかるもの」を残してあげる必要があると思う.
  しかも,どんな質問をされるかは,その時にならないと分からない.
  反面,こうして子供たちに質問され,それに何とかして答えようとすることで,こちらの理解が深まるということも多々ある.ある日は質問に答えられず,「次は何とかしてちゃんと答えよう」と思うことで,知らなかったことが芋蔓式に出てきたり.

  というわけで,日々の勉強がとても大切だというわけだ.

  はぁ,今日もサボってないでちゃんと勉強しなくちゃ・・・

 

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2011年10月15日 (土)

フライト 2P

  ペーパークラフト国際宇宙ステーションシリーズ,第10回の今回は,フライト2P.
  2000年11月18日,プログレス補給船(M1-4)が,「ザーリャ」地球側のドッキング・ポートにドッキングした.なお,ロシアの「ソユーズ」と「プログレス」,そしてヨーロッパ宇宙機関の「ATV」のドッキングには,ロシアの自動ドッキングシステム「クルス(Kurs)が用いられるが,この時はこの「クルス」システムが故障,予備の手動ドッキングシステム「TORU (Teleoperated Mode of Control)」が用いられた.
  また,「ザーリャ」地球側のドッキング・ポートが使われたのは,この時が初めてである.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2000年11月18日の姿) 下側にくっついているのがプログレス補給船(M1-4).実はM1-4はフライト 1Pで使われたM1-3と外見上は同じなので,そのまま流用してあるのだが,「ザーリャ」地球側のドッキング・ポートにドッキングさせるのはちょっと大変.実物は無重力の状態だが,もちろんこの模型には1Gの重力がかかっているわけだ.しかし,このドッキング・ポートもドッキング・分離を繰り返すわけで接着するわけにもいかない.落ちないようにするのが大変なのだ.いろいろと考えた末,ドッキング部分に大きさを合わせた筒を作り,その側面に「貼ってはがせるのり」を塗ることでなんとか解決.

  「ザーリャ」地球側のドッキング・ポートにドッキングしたプログレス補給船(M1-4)を拡大して一枚.
「ザーリャ」地球側のドッキング・ポートにドッキングしたプログレス補給船(M1-4)

  さらに,ドッキング部分を拡大して一枚.
「ザーリャ」とプログレス補給船のドッキング部分

  このペーパークラフト,作るのも結構大変だが,こうして組み合わせるのも結構大変.

  12月1日,プログレス補給船(M1-4)が分離.次のフライト4Aで,STS-97ミッションのスペースシャトル「エンデバー」が「ユニティ」地球側に取り付けられた「PMA-3」にドッキングする際に邪魔にならないようにするためだが,分離したプログレス補給船(M1-4)はそのまま地球周回軌道を飛行,「エンデバー」離脱後の12月26日に再びドッキングすることになる.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2000年12月1日の姿)

  さて次はいよいよ序盤戦最大の山場.いやはやこれが壮絶なまでに大変な作業なんだけど,そこまでたどり着くと,一気に見栄えがするようになるはず.
  お楽しみに.

 

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2011年10月14日 (金)

小さな星に大きな山

  地球で一番高い山と言えば標高8848mの「エベレスト」.ほとんどの人が知っている常識と言っていい.

  では,「太陽系で一番高い山」は?
  これは,火星にあるオリンポス火山である.高さ(平均重力面からの高度)約2万5000m,裾野の広さ600m.高さはエベレストの3倍近い.東京-大阪間の距離が約560kmだから,裾野がいかに広いかがわかる.
  火星大接近となった2003年の夏,「カシミール3D」というソフトで作った,そのオリンポス火山の様子が↓
オリンポス火山 高度20kmからの眺め 上空20kmからの視点で作ってある.
  高さ2万5000mとは言え,裾野が600kmもあると,「そびえ立つ」地球の山のイメージとは違い,「山」というより「丘」という感じだ.

  しかし,太陽系最大の山が,地球の半分の大きさでしかない火星にあるのだから面白い.

  ところが・・・

  小惑星「ベスタ」の周回軌道にあるNASAの探査機「ドーン」が,ベスタの南極地方に,標高22km,裾野の広がり180kmの大きな山を発見した.オリンポス火山に比べると,裾野の広がりはかなり小さいが,標高ではたった3km低いだけである.オリンポス火山とは違い,結構「そびえ立つ」イメージの山かもしれない.

  ベスタの直径は約530km.地球の1/25しかない小さな星である.そこに,太陽系最大級の山がそびえ立っているというのである.
  地球と金星には厚い大気があり,風化作用によって山が高くなりにくい.また,小さな天体ほど重力が小さいために全体が球形になりにくい(凸凹になりやすい).とは言え,小さな星に大きな山がそびえ立っているというのはなんとも面白い.

  大気のない(または限りなく薄い)ベスタの地表に立ち,この山を眺めたら・・・そびえ立つ巨大な山と,その向こうに無数に輝く星たち・・・まさに絶景だろう.

  いつの日か,地球人類がその光景を見る時が来るのだろうか.

 

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2011年10月13日 (木)

ちょっと悔しい

  金星を周回中の,ヨーロッパ宇宙機関の探査機「ビーナス・エクスプレス」が,金星大気中上層にオゾン層を発見した.
  これは,金星の大気を透かして遠くの恒星を観測することによって発見されたもので,地球,火星に続き,同じ地球型惑星である金星にもオゾン層が存在するということになった.これで,地球,火星,金星の違いが一つ少なくなった,とも言われる.

  この発見について,科学的な詳しいことはニュースの記事を見ていただくことにして・・・

  ちょっと悔しい

  と思う.「たら」「れば」を言ってみても仕方ないが,2010年末,日本の金星探査機「あかつき」が,金星周回軌道への投入に成功していれば,この発見をしたのは「あかつき」だったかもしれない.予定されていた観測ではないだろうが.

  その「あかつき」,先日は主エンジンのテストを行ったが,出力は予定の9分の1から8分の1しか発揮できないことがわかり,当初予定していた軌道に投入することはできないということになったらしい.

  しかし,「はやぶさ」をはじめ,宇宙開発には「想定外」のことはつきものだ.「あかつき」は当初予定していた軌道は諦めたものの,問題なく動作している姿勢制御エンジンを用い,2015年に金星を周回する,予定とは別の軌道に投入することになるらしい.

  世の中,何が幸いするかわからないものだ.

  当初の軌道を諦め,別な軌道になったことで,当初の軌道では観測できなかったはずの,これまた「想定外」の貴重なデータが得られるかもしれない.
  あの「はやぶさ」のように,最後まで諦めずに頑張ってほしいと思う.

  がんばれ!あかつき!

 

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2011年10月12日 (水)

どんどん安くなる!?

  「天文教室」などの際,子供たちに,
「君たちが大人になる頃には,宇宙旅行が普通にできるようになってるかもしれないよ」
なんて話をときどきする.

  しかしこれ,まんざら夢物語でもなさそうだ.

  スペースシャトルが全機退役した現在,宇宙への人員輸送はロシアのソユーズが唯一の手段である.現在,そのソユーズで国際宇宙ステーションに行く場合,その費用はお一人様約5000万ドル(日本円にして約38億3000万円).まぁこれは地球周回軌道に達し,さらに国際宇宙ステーションまで行く場合のことで,宇宙に「ちょっとだけ顔を出す」弾道飛行ならばもっと安いだろう.それにしても,10分の1でも3億8300万円,100分の1でも3830万円.
  現在,民間が開発している宇宙船による宇宙旅行(これも弾道飛行だろう)で,もっとも実現に近いものだと思われるのが,スケールドコンポジッツ社が開発している「エンタープライズ号(スペースシップ 2)」によるもので,このお値段が20万ドル(約1520万円).まだまだ一般人に手の届く値段ではないが,ソユーズの例に比べれば破格のお値段であるとも言える.もう既に400人以上の人が予約金を支払っているのだとか.
  さらに,エックスコア・エラロスペース社が開発中の宇宙船「リンクス」では,「エンタープライズ号」の約半額,10万ドル(約760万円)での宇宙旅行を目指しているらしい.その他,シエラ・ネバダ・コーポレーションが開発中の宇宙タクシー「ドリーム・チェイサー」も来年夏のテスト飛行を目指している.

  「宇宙旅行ビジネス」の競争はかなり激化しているようだ.

  この調子で行って,私が生きていられるこれから数十年の間にどのくらいまで安く宇宙に行けるようになるのだろうか.

  「100万円台で行ける!」なんてことになるなら,今から無理をしてでも貯金するんだけどねぇ.

 

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2011年10月11日 (火)

小さな宇宙展

  先週の土曜日(8日)から昨日(10日)までの3日間,市内某ショッピングセンターで「小さな宇宙展」が開かれていた.

  会場の様子は↓こんな感じ.
「小さな宇宙展」会場の様子 「どっかで見たような・・・」
というロケットは,私が提供したものだ.

  会場の一角には,↓こんなものも.
「小さな宇宙展」会場のエア・ドーム 某大学から借りてきたというエア・ドーム.
  この中でプラネタリウムの投影が行われていた.
  その解説を行ったのは,何を隠そう,この私だ.もちろん,投影機は私の自作プラネタリウムだ・・・と言いたいところなのだが,それはあの震災で壊れたまま.投影機は,これも借りてきた五藤光学の「NEX」だった.
  主な話題は「秋の星座の神話」だったが,初日は「ジャコビニ流星群(10月りゅう座流星群)」,9日には「十三夜」の話題も.
  このプラネタリウムを見た人は,3日で200人くらいといったところか.
  室内灯を消し,ドームの内側に星々が写った時には,みんな歓声をあげていた.

  ・・・

  ちなみに,「NEX」で映し出される星の数はせいぜい1000個.私の自作プラネタリウムは65,000個.

ちっ.私のが使えたらなぁ・・・

ちょっと傷心.

  ・・・というのはまぁ仕方ないとして,このイベントでは,25分の投影を一日10回.これを3日(最終日だけは一日9回).いやはや大変.当然私はしゃべりっぱなしになるわけで,喉を潰さないようにするのが大変だった.毎回の投影の後の5分の休憩の間に水分を補給してのど飴をなめ・・・の繰り返し.
  こうして気を使ったのが功を奏したのか,最後まで声がつぶれることはなかった.

  が,予想外のことになった.
  エアドームは狭いので,床に座って見ることになる.見に来た人たちは25分座っているだけだが,説明する方は一日中座っているわけで,終わってみれば足がガタガタ.いやあっちこっちが痛いのなんの.

  さらに,

  「ジャコビニ流星群」の案内をした初日の夜.
  疲れ果てて爆睡.目が覚めたのは午前4時過ぎ.
「あぁ,もう極大の時刻すぎちゃった」
とりあえず様子を見に外に出てみたが,みっちり曇っていた.
「良かったような残念だったような・・・」

  「十三夜」を案内した2日目の夜.
  帰り道にちょっとだけ月を眺めてみたものの,帰宅してすぐ爆睡.目が覚めたのは午前6時過ぎ.

  そして,最終日の昨日.
  帰宅してすぐ力尽きて爆睡.

(というわけで,ここ数日,このブログも更新できなかったというわけです.言い訳ですが)

「晴れていたら是非本物の夜空を眺めてみてくださいね」
と言っておきながら,言っている張本人は全然見てない・・・ダメだねぇ.

 

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2011年10月 7日 (金)

ツキはあったかなかったか

  昨日(6日)夕方は市内某小学校で観望会の予定があった.
  昼間は良い天気だったのだが,夕方から雲が広がりだした.とは言え,ベタ曇りになったというわけでもないし,昨日の観望対象は月と木星,明るい対象だったので,
「まぁ全然見られないということもないだろう」
と思っていた.

  ところが・・・

  観望会場に望遠鏡を設置,さてこれから観望会♪という頃になって,
「あぁ,ダメだぁ」
みるみるうちに雲が厚くなり,いつしか月も全く見えなくなってしまった.

  むぅ,ツキがないぜ.

  仕方なく,屋外にスクリーンと液晶プロジェクターを設置,そのまま「天文教室」ということになった.

  映像を写しながら秋の星座の案内,月と木星のビデオ,月の満ち欠けの実験などなど.

  子供たちはそれなりに楽しそうに話に食いついてきたし,恒例の「質問コーナー」でもたくさんの質問を浴びせられて,「天文教室」としては
「まぁ悪くはなかったかな」
という感じだったが,結局最後まで月も木星も姿を現してはくれなかった.

  機材一式を車に積み込み,帰路へ.途中,フロントガラスに水滴がついた.
「あ,降ってきた・・・」

  そして,後片付けが完了,車をガレージに入れたところで,

  突然の土砂降り.

  間一髪!私も,機材一式もびしょ濡れにならずに済んだ.

  ツキがあったのか?
  天文教室の最中にあんな雨が降っていたら大変だった.重い望遠鏡に液晶プロジェクターにスクリーン.とてもじゃないが,全てを片付けている時間はなかった.最悪どれかはもう使い物にならないという事態になっていたかもしれない.

  ギリギリで曇って,それまで何とか見えていた月も木星も見ることができなかったものの,ギリギリで土砂降りの雨に遭うこともなかった.

  昨日はツキがあったんだかなかったんだか・・・

 

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2011年10月 6日 (木)

ファルコン 9

  ペーパークラフトロケットシリーズ,今回は
1/100スケールペーパークラフトによる ファルコン 9アメリカの民間企業「スペースX社」が開発した商業用打ち上げロケット,ファルコン 9.型紙は “The Lower Hudson Valley Paper Model E-Gift Shop” から(「ドラゴン」宇宙船は “pe2tr Card Models” から).

  2006年5月24日,「スペースX社」が開発した「ファルコン 1」ロケットの初めての打ち上げが行われた.打ち上げは失敗に終わってしまったが,これは,本体だけでなく,液体燃料ロケットエンジンまでを民間主導で開発されたロケットの世界初の打ち上げであった.
  続いて,2007年,2008年に行われた打ち上げも失敗に終わってしまったが,2008年9月28日には初めて打ち上げに成功,次いで翌2009年には初の商業打ち上げにも成功した.
  「ファルコン 9」は,この「ファルコン 1」を大型化したもので,NASAが計画誘導している「商業軌道輸送サービス (Commercial Orbital Transportation Services : COTS)」の契約に則った有人宇宙船の打ち上げを想定して設計されている.
  第一段には,「ファルコン 1」と同じように,これも自社開発した「マーリン1C」エンジンを用いているが,「ファルコン 1」が1基のみだったのに対し,「ファルコン 9」では9基をクラスター化することで必要な推力を得る設計になっている.ただし,一般的なクラスターロケットでは,エンジンノズルが同心円状に配置されるのに対し,「ファルコン 9」では3基×3基というように,正方形に配置されているのがユニークである.
  初の打ち上げは2010年6月4日に行われ,見事に成功している.2010年12月8日には,やはり自社開発した宇宙船「ドラゴン」を搭載して打ち上げられた.無人の「ドラゴン宇宙船」は無事に地球周回軌道を2周,軌道離脱の前に高度約300kmで軌道操縦試験が実施された後に大気圏に突入,メキシコ沖の太平洋に着水して無事に回収された.民間で開発された宇宙船が地球周回軌道から地上に無事帰還したのはこれが世界初のことであった.
  第一段とほぼ同じ構造を持つブースターを本体両側に取り付けて打ち上げられる「ファルコン・ヘビー」ロケットも計画されており,これが実現すれば,サターン Ⅴ型ロケットに次ぐ打ち上げ能力を持つロケットとなるはずである.

  9基のエンジンノズルが正方形に配置されているロケット下部↓
1/100スケールペーパークラフトによる ファルコン 9(エンジン部分) う〜ん,この部分,ちょっと失敗だったか.イマイチ綺麗に作れなかった.しかし,こういうエンジン配置って,制御が難しくないんだろうか.こちらの方が(実物は)作りやすそうだけど.

   せっかくなので,ロケットとは別なサイトから「ドラゴン宇宙船」もダウンロードして製作.
1/100スケールペーパークラフトによる ドラゴン宇宙船ちなみに,国際宇宙ステーションにドッキングする時,ロシアのソユーズ宇宙船やヨーロッパ宇宙機関の「ATV」などは,ザーリャズヴェズダをはじめとするロシアのモジュールにあるドッキングポートにドッキングするが,この「ドラゴン宇宙船」は,ユニティやハーモニーにある「共通結合機構」に接続されるように設計されている.

  「ドラゴン宇宙船」とファルコン 9 を並べて一枚.
1/100スケールペーパークラフトによる ドラゴン宇宙船 と ファルコン 9
  完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ.→Falcon 9 (Dragon)

  Μ-Ⅴを彷彿させるような「寸胴」なデザインのこのロケット.それだけに,写真で見た印象ではやっぱりΜ-Ⅴと同じような大きさの印象で,これまでは「あんな小さなロケットで人が乗る宇宙船を打ち上げられるんだろうか?」と思っていた.しかし,実はこのロケット,全長54.3m,H-ⅡAにも匹敵しようかという大型ロケットだった.やっぱり,自分の手を動かしてみないと分からないことってあるもんなんだねぇ.

  というわけで,ややフライング気味ではあるが,スペースシャトルの後を継ごうかというロケットが登場.このロケット,まだ試験段階だが,いつか人を載せて飛行する日がやってくるのが待ち遠しい.

ロケットのペーパークラフトは是非↓こちらもご覧ください
PASA : Papercraft Aeronautics and Space Administration

 

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2011年10月 5日 (水)

やっぱり難しい

  昨日(4日)は昼間に市内某小学校で観望会.
  昼間の観望会ということで,観望対象は太陽.参加人数が多い(150名ほど)こともあり,安全面を考慮して,白色光で見ることは諦め,Hα望遠鏡のみでの観望とした.

  ところが.

  過去に何回か同じような観望会をした時の経験から言って,
「慣れない人にはプロミネンスは見えない」
のだ.慣れてしまえば「なぜ見えないかわからない」のだが,そう言ってみても「見えない」と言うのだから仕方がない.

  そこで,昨日の観望会では,実際にHα望遠鏡を覗いてもらう前に,

  太陽についての薀蓄.太陽は地球の109倍の大きさがある,太陽までの距離は1億5000万kmで,時速100kmで行くと170年くらいかかる,太陽の表面の温度は6000度くらい・・・などなど.
  それから,太陽の光がどれだけ強烈なのかを感じてもらうために,虫眼鏡で太陽の光を集めてプラスチックのコップを溶かす実験(普通ならここは紙を燃やす実験だが,それで火事でも起こしたら大変なので,硬質プラスチックを溶かす実験にした.これなら火は出ないが,固いプラスチックが簡単に溶けてしまったことに子供たちはかなり驚いたようだ).
  古いOHPから取り外したフルネルレンズを使い,虹を作る実験.いろいろに変化する虹ができるので,これもまた子供たちは大喜び.ひとしきり楽しませたところで,
「太陽の光って,普通は色がついて見えないけれど,本当はこうしていろんな色が混じり合っているんです.で,今日は,このいろんな色の中から,赤い方の色,それも特殊な色(←これがHα線のことだ)だけを取り出して見る望遠鏡で太陽を見てもらいます.だから,望遠鏡を覗くと赤く見えますが,太陽が赤いわけじゃなくて,赤い色だけ取り出して見ているから赤くみえるんです」
  そして,過去に撮ったHαの太陽像を見せて,
「太陽のヘリのあたりから,こうしてにょきにょきと伸びているものが見えますから,これをしっかり見てくださいね.これをプロミネンスと言います」

  と,たっぷり30分をかけて前フリをした後,Hα望遠鏡を覗いてもらった.

  参加したご父兄の中には,
「あぁ,ホントだぁ,良く見えますね.他になんか白い斑点も見えませんか?」
黒点やプロミネンスより見え辛い白斑までしっかり見分けた方もあったが,

「赤い丸いのしかわからない」
という人も.地面に図を書いて,
「このへんに,その丸いのから何か飛び出ているのが見えませんか?」
「えぇ・・・わからない・・・」

慣れている私は,望遠鏡を覗いた瞬間にプロミネンスが目に入ってくるのだが,それが見えないと言われると,どうして見えないのか分からない.

  そういえば,どこかで
「脳はそのままに,視覚だけ他人と入れ替えることができたら,とんでもない世界が見えるだろう」
というのを読んだことがある.色にしても,形にしても,大きさにしても,生まれてから今までの間の経験によって認識しているのだろうから,それが突然,視覚だけ別な人のものに入れ替わったりしたら,とんでもない世界に見えるんだろう.

  逆立ちしてみても,同じものを他人にどう見えているのかなんてわからないわけだ.
  難しいねぇ.こういう時,どうしたらわかってもらえるんだろう?

 

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2011年10月 4日 (火)

映画「はやぶさ」

  昨日(3日),楽しみにしていた,映画「はやぶさ」を見た.

  細かい感想などは,このブログをお読みの方の中にも「これから見る」という方もおられると思うので控えることにするが,「完全コピー」を謳っているだけに,細かい部分まで,関係者の記述や語ったことに基づいていて,「よくもまぁそこまでやったものだ」と思った.そもそもヒロインが架空の人物だが,「明らかにフィクション」の部分以外は,確かに全て「実際にあったこと」だったと思う.
  これからご覧になる方にぜひ知っておいていただきたいことが一つ(これはネタバレとは言え,映画ではその意味は全然語られていない).

  「はやぶさ」が行方不明となっている間のシーン.川口さん(映画中では川渕さん)が,ポットにやかんからお湯を注ぐシーンがある.実はこれ,川口さん自身が自著の中で語っていることだ.
  運用室のポットからぬるいお湯が出てくると,チームのメンバーが,「あぁ,『はやぶさ』ももう終わりなんだ」と感じてしまうだろうと考え,チームのメンバーで「『はやぶさ』はまだ終わっていない」という気持ちを共有するためにも,運用室のポットには常に熱いお湯を用意しておいたのだとか.
  こういう細かいところに気を配り,実は本人も「無理かもしれない」と思いつつもそれを少しも表に出さず(映画では,行方不明の間の運用会議にコンビニ(?)で買ったおやつを持って鼻歌まじりに現れるシーンもある.これが事実だったかどうかは良く知らないが,おそらくそれに類似した行動はあったのではないかと思う),「少しも心配していない」という“フリ”をすることでメンバーの士気を保ったのだろう.

  もちろん,帰還のシーンは涙した.もっとも,これは「よっぽどどーしよーもない」映像作品でないかぎり,どんなものでも涙だっただろうが.

  ちなみに,この映画,「ぴあ映画生活」の「満足度ランキング」でトップになったらしい.

  さて「はやぶさ」の映画はあと2本.そちらの方も楽しみにしていよう.

 

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2011年10月 3日 (月)

対面

  一昨日(1日),長野県伊那市内のホテルに一泊,展示されている私のペーパークラフト ロケットに会いに伊那市創造館へ.
  そしてついに,可愛い娘たちと対面.
伊那市創造館に展示中のペーパークラフトロケットたち おぉ,カッコよく展示されている!まるで貴重な資料のようじゃないか.
  昨日の朝,地元のテレビでもこの企画展が紹介されていたので,この日はなかなか人出もあった.親子連れが,これをバックに写真を撮っているのを見るのはうれしいねぇ.

  サターンロケットたちを拡大して一枚.右側には月着陸船も.
伊那市創造館に展示中のサターンロケットたち さらにその右側には,「Μ-Ⅴ-5号機」とはやぶさ.
伊那市創造館に展示中のΜ-Ⅴ-5号機とはやぶさ
会場には,こんなものもあった.
伊那市創造館に展示中の宇宙船模型たち(JAXA提供) JAXAから借りてきた,様々な宇宙船の模型.

  む!

  これは!
伊那市創造館に展示中のスペースシャトル「エンデバー」の模型(JAXA提供) スペースシャトル.よく見ると,エンデバーなのだが・・・
  自分が苦労して作ったものだとどうしても贔屓目に見てしまうということを差し引いたとしても,
1/100スケールペーパークラフトによる スペースシャトル エンデバー(軌道上のモデル) こっちの方がずっといいじゃないか.
(ちなみに,JAXA提供の模型,垂直尾翼にドラッグ・シュートのための「切り欠き」がない(「エンデバー」は「チャレンジャー空中分解事故」の後に建造されたもので,最初からドラッグ・シュートを装備しているはずだ).「これ,垂直尾翼の形が違う」ってツッコミを入れてしまった(笑))

  他の展示もじっくり見た後は,寺薗淳也さん,皆神龍太郎さん,秋の『』さんによるトークショー.

  私としては,「ちょっと物足りなかったかも」という感じだったが,印象に残ったことが2つ.

  前半の「アポロは本当に月に行ったのか」というテーマでは,

  「どれが正しいのか判断がつかないなら,まずは王道をしっかり勉強することでしょう.それをせずに,ある情報を信じてしまい,それを肯定する資料ばかりを集めて云々するようになると,判断を誤ることになる」
これは,今の状況に当てはまる.周囲が「放射線を浴びると危険」というから,現在自分の住んでいるところも危険と思い込み,「危険だ」とする資料ばかりを集めて余計危険だと思って不安になる.挙句の果てに,「米のとぎ汁を目に吹きかけると良い」とかいうとんでもない話を本気で信じて大変なことになった例(ヨウ素がいいからと言ってうがい薬を飲んじゃったという話は有名)もあるとか.

  後半の「宇宙開発最前線」では,
「本当に好きなことを見つけたら,それに一生懸命になるでしょう.それで一生懸命やっているうちに,いつの間にかそれを極めているかもしれない.始めた時には周囲には下らないと思われているかもしれないが,それを続けているうちに,それこそ自分の人生を左右することになるのかもしれない」.
  同感.
  好きなことを見付け,それに一生懸命になって,いつか人にはなかなか真似できないほどになって,時々「くだらない」と評価されることもあるけれど,それでも,それで喜んでくれる人がいるなら,「もっと極めてやりたい」と思う.

  現地を夕方出発,日付が変わる直前に帰宅.
  なかなか有意義な旅ではあった.

 

この記事を読んで,「アンタだって,自分に都合のよい見解だけをとりあげて悦に入っているじゃないか」と思った方,いや確かに多少なりともそういうところはあるかもしれません.気をつけようと思います.とりあえずこちらをクリックして応援の投票をお願いできますか?→にほんブログ村 科学ブログ 天文学・宇宙科学・天体観測へ

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2011年10月 1日 (土)

不思議な感覚

実は今,長野県は伊那市のホテルにいる.
現在,伊那市創造館で開催されている「アポロは本当に宇宙に行ったのか?」という企画展に展示されている,私のペーパークラフト ロケットを見るためだ(以前の記事「初めての旅へ」参照).
水戸を発ち,途中列車が事故の影響で遅れたりしながら,バスと列車をのりついで6時間,
「はるばるやって来た」
という感じである.

自分の作品を見に,こうしてはるばるやってくるというのも実に不思議な感覚である.

明日,私の「可愛い娘たち」と対面することになる.
「親元を離れた娘たち」は私にどんな姿を見せてくれるのだろう?
その姿を見て喜んでくれている人はいるだろうか?

とても楽しみではある.

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