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2011年8月27日 (土)

トラブル続き

  いや私が「トラブル続き」なのは別に珍しいことではないのだが・・・

  ここのところ,あっちでもこっちでもロケット打ち上げのトラブルが続いている.

  現地時間今月18日03時25分(日本時間同日06時25分),バイコヌール宇宙基地からプロトンロケットが打ち上げられた.ペイロードは通信衛星「エクスプレスAM4」だった.打ち上げそのものは順調だったが,打ち上げ後,上段である「ブリーズM」に不具合が発生,「エクスプレスAM4」を予定の軌道に投入できず,通信が途絶してしまった.

  驚くべきことに,この打ち上げ失敗からわずか12時間後の日本時間18時28分(北京時間17時28分),今度は中国の「長世2号C」が酒泉衛星発射センターから打ち上げられたが,ロケットの故障のため,搭載していた科学技術試験衛星「実践11号04星」を予定の軌道に投入することができなかった.

  これだけでもややびっくりなのだが,さらに驚くべき,そして憂慮すべき事態が起こってしまった.

  ロシアと中国で打ち上げ失敗が相次いだ18日から6日後の24日バイコヌール時間09時,バイコヌール宇宙基地から,ISSへの無人補給船「プログレスM-12M」を搭載したソユーズ-Uロケットが打ち上げられた.しかし,打ち上げから5分20秒後にソユーズロケットの第3段にトラブルが発生,第3段は,プログレス補給船を乗せたまま,地上に落下してしまった.

  このニュースを知った時,
「あのソユーズが!」
と驚いた.ソユーズロケットと言えば,その原型や派生型まで含めれば打ち上げ回数は1700回を越え,その成功率は97%にもなる(厳密な意味では「ソユーズロケット」というのは一体どれを指すのか微妙なところなので,成功率も正確に見積もることは難しいが,それでも95%は軽く越えているはずだ)世界で最も信頼性の高いロケットだ.実際,プログレス補給船の運用が始まってから30年にもなるが,打ち上げに失敗したのは今回が初めてのことだという.
  幸いにも,ISSには充分な物資が備蓄されているので,日本の古川宇宙飛行士をはじめ,現在滞在中のクルーには直接の影響はないそうだが,問題はこれだけにおさまらない.
  今回失敗した「ソユーズU」も,ISSと地上の人員の往復に用いられる「ソユーズ宇宙船」を打ち上げる「ソユーズFG」も,基本的には構造が同じなのだ.ということは,同様の問題が,宇宙飛行士が搭乗した「ソユーズ宇宙船」を乗せた「ソユーズFG」ロケットで起こっても不思議はないわけで,そうなると大変なことになる.事実,次の「ソユーズ宇宙船」の打ち上げは1ヶ月以上延期されることになったらしい.

  さぁ大変.

  スペースシャトルが退役した今,ISSにクルーを運ぶ,そして,ISSからクルーを帰還させることができる唯一の宇宙船が「ソユーズ」なのに,これにもまた不具合が発生してしまった.これは深刻な問題である.(まぁそういうことにはならないだろうが)「ソユーズ宇宙船にも本質的に問題がある」ということにでもなれば,もうISSに人員を運ぶ手段がなくなってしまうのである.

  で,これでもまだ終わりではなかった.これほど深刻な問題でもなかったが,我が日本でも.

  H-ⅡAロケット19号機は,28日に情報収集衛星「光学4号機」を搭載して打ち上げられる予定だった.しかし,打ち上げが失敗した場合に備えた「指令破壊受信機」に不具合が見つかったため,打ち上げは延期されることが決定された.

  こちらの方は,もし不具合が発覚せずに打ち上げられても,打ち上げが成功であれば全く問題はなかったわけで,また「不具合が発覚せず,打ち上げも失敗,指令破壊装置が作動せずにロケットが墜落」なんていう惨事にならなっただけ良かったとも言えるが.

  さぁ大変.私が「トラブル続き」であっても,それはこのブログが「星屋のボヤき」になってしまうぐらいで大した問題ではないのだが,各国の宇宙開発関係者はおおわらわだろう.それぞれが問題を無事に解決してくれることを祈りたい.

 

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