« ダイヤモンドの星 | トップページ | 起こってほしくないことは »

2011年8月31日 (水)

フライト 3A

  ペーパークラフト国際宇宙ステーションシリーズ,第8回の今回は,フライト3A,STS-92ミッションのスペースシャトル「ディスカバリー」によるミッションである.
  このフライトの主な目的は「Z1トラス」および「PMA-3」(与圧結合アダプタ)の取り付けである.
  なお,このフライトには,日本の若田光一宇宙飛行士が,ミッション・スペシャリストとして搭乗していた.

  まずはSTS-92ミッションの「ディスカバリー」.打ち上げは2000年10月11日23:17(UTC,日本時間翌12日08:17).軌道到達後,ペイロード・ベイが開かれた.
軌道上のスペースシャトル「ディスカバリー(STS-92)」 ペイロードは上から直流変圧器(DDCU,左右両側の壁に取り付けられている小さな直方体のようなもの),スペースラブ・パレットに取り付けられたPMA-3,そして一番下がZ1トラス.なお,このフライトではドッキング・システムにサーマル・ブランケットが取り付けられていた.

  10月13日,「ディスカバリー」は無人のISSにドッキングした.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2000年10月13日の姿)

  10月14日,「ユニティ」天頂側の共通結合機構に「Z1トラス」が取り付けられた.取り付けにあたって,「ディスカバリー」のリモート・マニピュレーター・アームを操作したのは若田光一宇宙飛行士である.
  「Z1トラス」は骨組構造の構造体で,「コントロール・モーメント・ジャイロ(CMG)」と呼ばれる姿勢制御装置を4基備えている.
  なお,「Z1トラス」の取り付けにあたっては,その取り付け位置は「ユニティ」が視界を遮ってしまい,「ディスカバリー」の窓からは見えないため,カメラや宇宙視覚システム(SVS)によるモニター画面を見ながらの困難な作業であった.
1/100スケールペーパークラフトによる国際宇宙ステーション(2000年10月14日の姿)

  ↓取り付けられたばかりの状態の「Z1トラス」
「ユニティ」天頂側に取り付けられた「Z1トラス」(2000年10月13日) この段階では,「S-バンドアンテナ・システム・アセンブリ(SASA)」は暫定的な取り付け位置にあり,「Ku-バンドアンテナ」も折りたたまれた状態のままである.

  10月15日,このフライトでの最初の船外活動が実施され,「S-バンドアンテナ・システム・アセンブリ(SASA)」の「Z1トラス」右舷側下部の初期取り付け位置への移設,「Kuバンドアンテナ」の組み立てと「Z1トラス」左舷側上部への取り付け,「Z1トラス」左舷側後部への船外作業用の道具箱の取り付けなどが行われた.
1/100スケールペーパークラフトのよる 国際宇宙ステーション(2000年10月15日の姿) この段階の「Z1トラス」を拡大して一枚.
「Z1トラス」 (2000年10月15日の姿) 続いて,同じ状態のものを船尾側から.
「Z1トラス」 (2000年10月15日の姿,船尾側から) ちなみに,「Kuバンドアンテナ」の先端にあるパラボラは,後になって向きを変えられるように工夫してある.

  10月16日,「ユニティ」の地球側共通結合機構に「PMA-3」(与圧結合アダプタ)が取り付けられた.フライト 2Aで「ユニティ」が取り付けられて以来,スペースシャトルのドッキングには「ユニティ」前方の与圧結合アダプタ「PMA-2」が使われていたが,今後しばらくの間は,この「PMA-3」が使われることになる.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2000年10月16日の姿)その「PMA-3」のあたりを拡大して一枚.
「ユニティ」の地球側共通結合機構に取り付けられた PMA-3この「PMA-3」が曲者で・・・
  このフライトで「PMA-3」が取り付けられた「ユニティ」地球側共通結合機構は,のちに「多目的補給モジュール(MPLM)」の結合に使われる.ということは,「PMA-3」はのちに移動されることになるので,接着するわけにはいかないのだ.かと言ってここは無重力の地球周回軌道上ではなく,もろ1Gの重力がかかる地球上である.うまく取り付けないと,重力に引かれて落ちる.苦心した挙句,「貼ってはがせる糊」で取り付けてあるのだが・・・これがやっぱり時々落ちる.実は,「こんなこともあろうかと!」というわけで,「ユニティ」地球側共通結合機構の裏側にコルクシートを仕込んであったりして,やろうと思えば「PMA-3」の方に虫ピンでも仕込んでやればうまく着脱はできるのだが・・・かと言って,これからのち,MPLMだって何度も着脱するわけで,あんまりやりすぎるとゆるゆるになってしまう.まぁとりあえず現在のやり方で何とかなっているうちはこのままにするつもり.

  10月18日,「Z1トラス」の右舷側側面に直流変圧器(DDCU)が,右舷側にもう一つの船外作業用道具箱が取り付けられた.そして,キールピンが正面から右舷側に移設され,「Z1トラス」上部から「グラップルフィクスチャ」が取り除かれて,このフライトの作業が完了した.
1/100スケールペーパークラフトによる国際宇宙ステーション (2000年10月18日の姿)作業完了時の「Z1トラス」↓.
作業完了時の「Z1トラス」(2000年10月18日)
  10月20日,STS-92「ディスカバリー」が分離.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2000年10月20日の姿) この時点でもまだ無人である.
  「ディスカバリー」分離後の「Z1トラス」(船尾側から)↓.
「ディスカバリー」分離後の「Z1トラス」(2000年10月20日)背面に取り付けられている「サーマル・ブランケット」を外すと,
「Z1トラス」背面の「コントロール・モーメント・ジャイロ」 そこに4基の「コントロール・モーメント・ジャイロ(CMG)」がある.
  さらに,実際の国際宇宙ステーションで有名な写真と同じアングルで一枚.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2000年10月20日,正面から)
  「フライト 3A」としてはここまで.

  その後,11月1日に「プログレス補給船(M1-3)」が分離.第一次長期滞在クルーを乗せた「ソユーズ(TM-31)」のドッキングに備え,「ズヴェズダ」後方のドッキングポートを空けるためである.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2000年11月1日の姿)
  ・・・ふぅ,長かった・・・

  ここまでお読みいただいた方,お付き合いありがとうございます.

  完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ→ “Flight 3A

  我ながら「よせばいいのに」と思いつつ,ここまで細かく再現することに挑戦してしまった.しかし,国際宇宙ステーションの製作は始まったばかり.この調子で最後までたどりつけるのか?

 

この記事を読んで,「この調子で最後までってのは相当大変そうだねぇ」と思ってくださった方,こちらをクリックして応援の投票をお願いします.→にほんブログ村 科学ブログ 天文学・宇宙科学・天体観測へ

|

« ダイヤモンドの星 | トップページ | 起こってほしくないことは »

ペーパークラフト」カテゴリの記事

ペーパークラフトISS」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/11449/41312600

この記事へのトラックバック一覧です: フライト 3A:

« ダイヤモンドの星 | トップページ | 起こってほしくないことは »