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2011年5月 3日 (火)

小天体同士の衝突

  2010年12月,小惑星帯にある小惑星「シャイラ」が突然増光,その後,彗星のような姿になっていることが観測された.
  この「シャイラ」をハッブル宇宙望遠鏡などが詳しく観測した結果,彗星の尾のようなものは,本体から2つの方向に放出されたダストによるもので,その中からは,彗星に特徴的な成分が検出されなかった.
  これらのことは,長辺が110kmほどの「シャイラ」に対し,直径30mほどの小天体が30度以下という浅い角度で衝突したと考えることで説明がつくらしい.そして,「シャイラ」の表面には,直径300mほどのクレーターができ,放出されたダストは66万tに及ぶと考えられている.

  この広い宇宙で,110km程度の大きさの天体に,30m程度の大きさの天体が衝突するなんてことが起こるもんなんだねぇ.

  小学生の頃に読んだ本だっただろうか.宇宙における星の分布は,「北海道と九州にハエが2匹いるようなもの」で,そんな星同士が衝突するなんてことは起こらないと書いてあったと記憶している.それが,1994年,木星にシューメーカー・レビー第9彗星が衝突,「起こるわけない」と思っていた天体同士の衝突が目の前で起こってしまった.「こりゃ大変!」ということで,世界中で,地球に衝突しそうな天体を探すプロジェクトが立ち上がり,世界各地で,地球近傍の小天体の捜索と同時に,数百にもおよぶ小天体の監視が続けられている.

  ここ数年の間に,木星への小天体の衝突が数回観測されている(これは多分,衝突の頻度が増しているのではなく,観測技術の進歩によって,そういった衝突を観測できる確率が上がったのだと思う).そして今度は小天体同士の衝突だ.となれば,「地球は大丈夫なんかいな」ということが気になるところではあるが,NASAの “Current Impact Risks” によれば,衝突の危険度を示す“トリノ・スケール”が“1”となっている天体が2つ(トリノ・スケールは10が一番危険)あるだけ,その衝突の可能性も,3万分の1程度と見積もられている.
  どうやら,我々が気にする必要は全くなさそうだ(まんま「杞憂」?).もっとも,世界各国の政府や宇宙機関ではちょっと気にしていて,「いざ!」という時には「こんなこともあろうかと!」と言ってほしいものではある.

 

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