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2011年5月27日 (金)

小惑星探査

  昨日の記事にはアメリカの小惑星探査機「オシリス・レックス((OSIRIS-REx : Origins-Spectral Interpretation-Resource Identifications-Security Regolith Explorer)」のことを書いた.
  記事を書いた時には,「オシリス・レックス」がいったいどんな格好の探査機なのか知らなかったのだが,その外見の想像図を見て驚いた.
「『はやぶさ』によく似ているじゃないか!」
もちろん,細かく見ていけば違いはいろいろとあるのだが,ぱっと見た印象はそっくりで,まさに「アメリカ版はやぶさ」といったところだ.
  ソビエト連邦時代に開発された,ソ連版宇宙往還機「ブラン」がスペースシャトルにそっくりで,「スペースシャトルのコピーじゃないか」と指摘された時,「目的を突き詰めれば,今の技術力なら誰が設計しても同じような姿になる」を言われたことがあった.小惑星探査機もやっぱり同じで,「微小重力の天体に行ってサンプルを持ち帰る」目的を突き詰めれば,やっぱり「はやぶさ」のような形になるということなのかもしれない.サンプル採取の方法が,「サンプラー・ホーン」ではなくて,「マニピュレーター・アーム」になっているあたり,「はやぶさ」の失敗(サンプルを持ち帰れたのだから,結果的には成功であっても,サンプル採取のための弾丸は発射されず,「予定通り」ではなかった)を踏まえ,別な方法を採用したということなのかもしれない.このあたり,NASAの「日本のようは後進国に負けておれるか!」というプライドが垣間見えているような気がする.

  さて本家「はやぶさ」の方だが,持ち帰ったサンプルの分析の最新の結果が発表されている.それによると,「イトカワ」が誕生したのは太陽系の誕生から少なくとも600万年以上後のことだと推定されるという.分析の結果,「イトカワ」から採取した微粒子には,太陽系が誕生したとされる45億6800万年前に存在したアルミニウムの同位体がわずかしか存在していないことが判明,太陽系誕生から630万年以上新しいと推定された.以前には,この微粒子が700℃以上の高温に晒されていたらしいことが分かっており,今回発表された分析結果とあわせて考えると,「イトカワ」の元となる「母天体」が,およそ45億年前に誕生,時期は分からないが,この天体に別な天体が衝突して破壊され,現在の「イトカワ」になったということだ.

  分析に使われた微粒子は大きさが0.1mm程度.そんなに小さなものからこれだけのことがわかってしまうのだから凄い.
  「はやぶさ2」に「オシリス・レックス」,いずれも打ち上げられるのはもう少し先のことだが,それぞれがどんな成果をもたらしてくれるのか.打ち上げ,目的の小惑星とのランデブー,タッチダウンとサンプル採取,地球への帰還,そしてサンプルの分析・・・あぁ,何もかも楽しみだ.その日が来るのが待ち遠しい.

 

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