« 月だけ | トップページ | ちょっといい話 »

2011年5月11日 (水)

アレス I-X

  ペーパークラフトロケットシリーズ,今回は
1/100スケールペーパークラフトによる アレス Ⅰ-X スペースシャトル引退後のアメリカの有人宇宙飛行計画「コンステレーション」計画において,初めて打ち上げられたテスト・ロケット,アレス Ⅰ-X.型紙は “AXM Paper Space Scale Models” から.
  その実現により,「世界から使い捨てロケットは姿を消すことになるだろう」とまで言われたスペースシャトルだったが,維持・運用には当初予定したより大幅に費用がかかり,また,2度にわたって乗組員全員が犠牲になる事故が発生(STS-51L と STS-107),安全性にも問題があることが明らかとなり,残った全機の退役が決定された.このことにより,世界の打ち上げロケットは,再び使い捨て型,そして宇宙船もカプセル型へと戻ることとなった.
  この状況の中,アメリカは再び月への有人飛行を含む「コンステレーション計画」を開始した.この計画では,スペースシャトルの技術を生かしつつ,有人宇宙船「オライオン」を打ち上げるロケットと,貨物を打ち上げるロケットを別々に開発する予定であった.
  その中で,人員打ち上げ用ロケットは,当初 “CLV : Clue Launch Vehicle” と呼ばれ,基本的にはスペースシャトル打ち上げに用いる SRB を第一段に用い,その上に,アポロ計画の時に用いた “S-ⅣB” を参考に開発した第二段を加えて,先端に「オライオン」宇宙船を搭載するという計画であった.
  様々な案が検討された後,テスト・ロケットとして完成したのがこの アレス Ⅰ-X である.4セグメントの固体ロケットモータ(スペースシャトルSRBとほぼ同じ)に模擬の第5セグメントを追加した第一段,模擬上段,さらに模擬乗員モジュールおよび脱出装置からなり,2009年10月28日に打ち上げられた.打ち上げそのものは成功,各種実験も成功したが,第一段の3つあるパラシュートのうち一つは開かず,もう一つも中途半端にしか開かなかったため,第一段は海上に激しく落下,著しく損傷した.
  計画では2013年に「アレス Ⅰ-Y」,2014年1月には実物の「オライオン」宇宙船を搭載した「アレス 」を打ち上げるはずだった.また,「オライオン」のカプセルや脱出塔のテストを行うために,マーキュリー計画の時のリトル・ジョー,アポロ計画の時のリトル・ジョー と同様のロケットも打ち上げる計画であった.しかし,2010年2月,オバマ大統領が「コンステレーション計画」そのものの中止を表明したため,これらの打ち上げは全て中止となり,「コンステレーション計画」での打ち上げは,この アレス Ⅰ-X が最初で最後となった.

  アレス Ⅰ-X の全長は94m,アポロ計画以来,発射台に据えられた「最も背の高い」ロケットであった.
  ということで,サターン Ⅴ型と並べて一枚.
1/100スケールペーパークラフトによる サターン Ⅴ型 と アレス Ⅰ-X 確かに背が高い.
  試しに,スペースシャトルと比べるとどうなるかということで,ディスカバリー(STS-41D)と並べて一枚.
1/100スケールペーパークラフトによる スペースシャトル(STS-41D ディスカバリー) と アレス Ⅰ-X スペースシャトルと比べるとこんなに高い.
  で,一段目はこの SRB とほとんど同じということで,比較しやすいように一枚.
1/100スケールペーパークラフトによる スペースシャトル(STS-41D)の SRB と アレス Ⅰ-X 第一段 ・・・なるほど,確かに「そのまんま」ではある.だが,実は製作にあたって結構苦心したのがこのあたり.特に下部のスカートのあたりは,型紙ではテクスチャで表現されているものを,実機の写真を参考にして自作してみた.
  全体としては単純な形のロケットなので,その他はほとんど苦労することなく完成.

  完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ.→Ares Ⅰ-X

  ただし!

  こういう細長いロケットなので,倒れないように立てておくのが大変!実は一番苦労したのが「スタンド」だったりする.機体の内部にピアノ線を仕込み,細い木材を使って作った塔に磁石でくっつけられるようにしてある.
「よし,結構うまく行ったぞ!」
と思っていたのだが,水戸市でも震度6弱を記録した東北地方太平洋沖地震ではものの見事に転倒,さらに棚から転落して激しく損傷,ロケット上部は作り直すハメとなったのだった.

  それにしても・・・

  なんともまぁ不格好なロケットではある.まして,見るからに不安定そうで,このロケットが実用化されていたら,宇宙飛行士たちはコレに乗るのはさぞ嫌だっただろうねぇ・・・

   ロケットのペーパークラフトは是非↓こちらもご覧ください
  PASA : Papercraft Aeronautics and Space Administration

「このロケットが実用化されなくて,宇宙飛行士たちは実はホッとしているかも」と思う方,こちらをクリックして共感(?)の投票をお願いします.→にほんブログ村 科学ブログ 天文学・宇宙科学・天体観測へ

|

« 月だけ | トップページ | ちょっといい話 »

ペーパークラフト」カテゴリの記事

コメント

中川さま
今回は、マウスのくりくりをどこまでまわしても、ずーーーーーと長いロケットの胴体が続き、なんじゃ、これ?と?????
になったら、やっと、すこしわけがわかってきました。そうしたらまた、ずーーーーとのくりくりが続き、またまた?????になって、またすこしわけがわかり、そして、またずーーーーーと????で、結論は宇宙飛行士はほっとした。
わたしも、途中で、また笑いころげながら、最後にほっとしました。
こうして写真にとることができているのは、地震にもめげず(めげたのだった?)
中川さんの修理と、立てるための苦心のたまものですね。
地震にめげない、自信作完成、おめでとう。
秋の個展中に、詩の朗読会をすることに決めて、準備を整えています。そのために
いわき市にある草野心平館を訪ねたいと思い、きょうの昼間、地図をひろげて見ていました。水戸からだと、割合にちかいようですね。そちらの宿泊施設は、お婆ひとりでも泊まれるでしょうかしら。
明日にでも、ふれあいの里の管理事務所にお電話して、確かめてみます。
車の運転をようしないので、奈良からだとJRを乗り継いで、ということになりますが。日程がまだ未定なのですが、心平さんの詩の朗読もすることにしたので、もっと下準備の知識がいるのです。
いつになるか・・・・
もしお目にかかれたら、楽しいでしょうね。

投稿: 鳥越ゆり子 | 2011年5月11日 (水) 20時53分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/11449/39884588

この記事へのトラックバック一覧です: アレス I-X:

« 月だけ | トップページ | ちょっといい話 »