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2011年4月24日 (日)

ハッブル宇宙望遠鏡

  21年前の今日,STS-31ミッションのスペースシャトル「ディスカバリー」が打ち上げられた.ペイロードは,ハッブル宇宙望遠鏡.
  打ち上げ当初,いくつかのトラブルで,期待をはるかに下回る性能しか発揮できていなかったが,ソフトウェアの開発など,地上の努力によって,予定の半分を上回る性能を達成した.そして,スペースシャトルによる修理を経て,当初の予定をはるかに上回る性能が発揮できるようになったのであった.

  以来,この宇宙望遠鏡は様々な観測で活躍し,いくつもの重要な発見をした.しかし,それに勝るとも劣らない業績は,「美しい天体写真の数々」だと思う.
  実は多くの写真は,普通の写真ではなく,水素や酸素,その他様々な物質が放射,あるいは反射する特定の波長の光で観測した複数の画像を合成した「擬似カラー」の画像である.その結果得られた「色」は,実はその天体付近での物質の状態や,物理的条件を反映しているので,そのまま科学的な資料として大変価値の高いものだが,それをだた画像として眺めても,それには妖しいまでの美しさがある(近年,アマチュア天文家でも,同じような撮影・合成技術を用いる人も多く,「ハッブルカラー」などとも呼んでいる).その美しさは,多くの人の心をとらえ,天文に興味のなかった人をも惹きつけるだけの魅力がある.やはり,「科学とは美しいもの」なのだろうか.記憶が定かではないが,有名な物理学者が,ある数式を導き出そうとする時,「自然を表す数式は美しいはずだ」という観点で考えたとか.なんとなくわかるような気もする.

  2009年5月,STS-125ミッションのスペースシャトル「アトランティス」によって,最後のサービスミッションが行われた.軌道上にある人工衛星を補足,修理や改修をして再び軌道にもどすなどということはスペースシャトルにしかできない芸当である.最後のサービスミッションで,ハッブル宇宙望遠鏡の寿命は最低でも2014年まで延びたとのことだが,今度故障したらもう修理することができない.
  後継機として,ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が計画されているが,我々としては残念なことに,これは可視光での観測は行わないらしい.ここはひとつ,ハッブル望遠鏡には何とかして長生きをしていてもらいたいものだ.

 

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