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2011年4月16日 (土)

H-II

  ペーパークラフトロケットシリーズ,今回は
1/100スケールペーパークラフトによる H-Ⅱ 日本初の純国産大型衛星打ち上げロケット,H-Ⅱ.型紙は “ぱっくん航空隊” から.
  日本の宇宙開発は,1955年3月,東京大学生産技術研究所が行った,「ペンシルロケット」の水平発射実験によって幕を開けた.その後,同研究所(の糸川研究班)は東京大学宇宙航空研究所となり,固体燃料ロケットである「カッパロケット」を開発,大気観測等で実績をあげていた.これは後に,L(ラムダ)-4Sロケット5号機によって日本初の人工衛星「おおすみ」の打ち上げに成功,続いて様々な科学衛星,探査機打ち上げへと発展してゆくことになる.これに対し,通信・放送・気象といった実用衛星に関しては,1962年に研究調整局航空宇宙課が科学技術庁内に発足,調査・研究を開始した.翌1963年には同課内に宇宙開発室が設置され,1964年にはこれらに代わって科学技術庁宇宙開発推進本部が発足,発展的な再スタートを切ることとなった.
  当初は,第一段に東大が開発した固体燃料ロケット,第二段に液体燃料ロケットを使う二段式のロケットを独自に開発する予定であった.しかし,二段目に用いる液体燃料ロケットエンジンの開発が遅れたこと,日米間の折衝によって,アメリカから技術が供与されることになったことなどから,とりあえず独自のロケット開発は見送られることとなった.
  1969年には宇宙開発推進本部に代わり,科学技術庁の下部機関として宇宙開発事業団が発足,アメリカのデルタ・ロケットを元に「N-Ⅰ」ロケットが開発され,日本の大型実用衛星打ち上げが始まった.そして,「N-Ⅱ」,「H-Ⅰ」と開発を進めつつ,主要技術の国産化比率を高めて行き,「H-Ⅰ」では国産比率が最大で98%にまで到達,特に第二段用には液体酸素・液体水素を用いた「LE-5エンジン」の自主開発に成功した.
  こうした中で培われた技術・経験を基にして,第一段用液体燃料エンジンの開発も始まった.開発試験中に死亡事故が発生するなど,開発は難航したが,1994年,国産初の第一段用液体燃料エンジン「LE-7」の開発に成功,続いて,これも純国産の固体燃料ブースター「SRB-EM」の開発にも成功した.こうして遂に純国産,そして,第一段,第二段ともに液体酸素・液体水素を用いるものとしては世界初となったH-Ⅱロケットが完成したのである.
  初の打ち上げは1994年2月4日.これも日本初となる大気圏再突入実験衛星「りゅうせい」が,性能確認用ペイロード「みょうじょう」とともに打ち上げられた.「りゅうせい」は1時間半で地球を一周後,大気圏に突入,太平洋上に軟着陸して回収にも無事成功した.こうして,日本初の純国産大型液体燃料ロケットの打ち上げ,日本初の大気圏再突入実験とも大成功をおさめたのであった.
  H-Ⅱロケットはこの後,2号機,3号機,4号機,6号機と順調に打ち上げられたが,1998年2月に打ち上げられた5号機では通信放送技術衛星「かけはし」の制止トランスファ軌道への投入に失敗してしまった.次いで1999年11月に打ち上げられた8号機は,1段目エンジンが推力を失ったため指令爆破,2回連続で打ち上げ失敗という事態になった.これを受けて,原因究明と,後継機であるH-ⅡAの開発に力を注ぐため,予定されていた7号機の打ち上げをキャンセル,H-Ⅱロケットは日本の宇宙開発から姿を消すこととなった.

  実物のH-Ⅱロケットは,フェアリングに独特の模様が描かれている.型紙にはそのような模様が描かれていなかったので,写真を見て,自分で入れてみた.
1/100スケールペーパークラフトによる H-Ⅱ(横から) まぁ,悪くはないかなと.
  その他,H-ⅡAH-ⅡBと同様,機体側面のパイプ等を自作,SRBと本体との接続方法を変更するなど,多少のディテールアップを施してある.

  完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ.→H-Ⅱ

  ちなみに,コイツが完成したのは震災前.震度6弱を記録した本震の際にコイツも倒れたが,幸いなことに倒れただけで全く無傷だった.

  これで「H-Ⅱ ファミリー」がとりあえず揃ったわけで,3機を並べて記念撮影.
1/100スケールペーパークラフトによる “H-Ⅱファミリー”  こういうロケットのペーパークラフトの型紙は,どうしてもアメリカのものが多いのだが,やっぱり日本人としては,日本のロケットを揃えたい・・・と思っていたところで,「N-Ⅰ」の型紙を手に入れた.あとは「N-Ⅱ」「H-Ⅰ」の型紙が欲しいなぁ.誰か作ってくれませんかねぇ(←やっぱり他力本願).

ロケットのペーパークラフトは是非↓こちらもご覧ください
PASA : Papercraft Aeronautics and Space Administration

 

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