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2011年3月24日 (木)

避難所にて

  現在までに,水戸市内の避難所でも,まだ避難所生活を送られている方々がいる.
  昨日(23日)夜,その避難所で観望会を行った.避難所での生活で,張り詰めた神経を少しでも緩めて頂けたらという想いから実施したものだ.

  昼間は時おり雨も降る天気だったが,夕方にはとりあえず晴れ間が広がり,なんとか実施となった.
  避難所には80名ほどの方が生活しておられたが,参加されたのはその半分くらい.

  望遠鏡をとりあえずシリウスとに向けて観望会開始.
  ところが,全員がようやく見終わる頃までに,空はほとんど雲に被われてしまった.
「曇っちゃいましたねぇ」
なんて話をしていたところ,参加した子供の一人が,大きな望遠鏡をしげしげと眺めていて,
「この中にロケットとかはいってそうだね」
・・・む・・・
「ロケットか?ロケットならあるぞ.特別に見せてあげるからちょっとこっちに来てごらん」

『こんなこともあろうかと!』ペーパークラフト ロケットのうち,先日の地震で損傷しなかったものと,昨日までに修理が終わっているもののいくつかを用意してあったのだった.
  このロケットを囲んで,集まってきた子供たちと,そのご家族とでしばし話が盛り上がった.
「こういう型紙って,どこで手に入れるんですか?」
「インターネットで結構無料でダウンロードできるんですよ」
「おうちに帰ったら作ってみようか!」
「是非挑戦してみてくださいね.あ,いや,君は大きくなったら,本物のロケットを作ってよ」
そこには,明るい笑顔があった.

  帰り際には,観望会に参加した子供が,
「またね〜」
と手を振ってくれた.

  正直,この観望会の実施にあたっては,
「こんな大変な時にそんなこと」
と,避難生活をされている方の心情を害してしまうのではないかという不安もあった.本当に実施して良いのかという迷いもあった.でも,参加して下さった方はみんな笑っておられた.
  また,この観望会に参加された方々も,この避難所に来られるまでは見ず知らずだっただろう.それが急に共同生活をすることになったのだから,気苦労もあるだろう.そんな方々が,お互いに仲良くなり,少しでも気楽に避難所暮らしができるように,ほんのわずかながら手助けができたようで,とても嬉しかった.

  私のような仕事をするものは,大震災のような非常時には何の役にも立てない.そのことが,震災発生後,とてももどかしく,辛かった.被災地以外で,日本中の多くの方が,多少なりとも「被災した方々のために何もしてあげられない」というもどかしさを感じておられたことだろう.そんな中,自分自身が最も得意とすることで,避難生活をされている方に,ほんのわずかでも役に立つことができたとすれば,私はとても幸せなのだと思う.

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コメント

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投稿: つるつる亭やかん | 2011年3月25日 (金) 20時57分

 島根県の松江星の会です。
 被災されているにも関わらず、避難所で観望会をされたとMLで拝見しました。
 このような時に大変だと思いますが、避難者を何とか元気づけようと頑張る姿に敬服しました。地元の皆様も含め、早く元の生活に戻れますように。
 こちらは地方の小さな団体ゆえ、たいした事はできませんが、先日19日に観望会で義援金を呼びかけました。
http://matsueastroclub.web.fc2.com/report/report201101-06/report_201101-06.html#L_20110319

投稿: 松江星の会 佐藤 | 2011年3月25日 (金) 23時42分

力作のコレクションやメカが損壊したとのことで心配しておりましたが、さすがですね。
避難所で「笑顔のため」「ひとときの安らぎのため」に観望会をされて、受け入れられるのは、日頃のご活動のたまものだと思います。
震災に対して立ち上がる天文屋集団「伽利略騎士団」活動を立ち上げました。是非!

投稿: 星空公団(はらだ) | 2011年3月26日 (土) 19時39分

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