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2010年10月26日 (火)

「はやぶさ」カプセルからまたさらに微粒子

  今年6月に帰還した「はやぶさ」から届けられた回収カプセルの中から,サンプルを回収する作業が続いている.
  そして,JAXAは25日,その回収カプセルの中から,約800個の微粒子が見つかったと発表した.これまでに見つかったものと合わせ,地球外物質の可能性のある微粒子は,860個に増えたとのことだ.電子顕微鏡を使った調査の結果,これらの微粒子にはケイ素やマグネシウムなどが含まれているという.

  合計800個を越える微粒子,しかもケイ素やマグネシウムなどを含む「岩石質」のものとなれば,イトカワ表面から持ち帰ったものが結構含まれているんじゃないかと期待したいところだが,“はやぶさ打ち上げの際に混入した桜島の噴煙”の可能性もあるのだとか.

  なるほど,確かにその可能性は高いのかも.ただ,打ち上げ時には,当然,そういうものが混入しないような対策はしてあったはずだから,そういうものが混入してしまうのであれば,イトカワ表面をバウンドしたような時にだって,表面から舞い上がった塵だって入って良さそうなものだが・・・
  しかし,0.01mm以下という大きさを考えると,大気のないイトカワ表面での塵よりも,大気によって舞い上がり,空気中を漂っている噴煙の方が混入しやすいような気もする.

  いずれにせよ,これから始まるもっと詳しい調査の結果を待たねばなるまい.

  ところで,その「詳しい調査」だが,ここまでに行った電子顕微鏡による調査の他,兵庫県にある大型放射光施設「スプリング8」,そして北海道大学の同位体顕微鏡といった最新鋭で大型の実験施設を用いる.
  以前,テレビ番組の中で,「はやぶさ」プロジェクトマネージャーだった川口教授がお話されていたが,こういう施設を用いて分析できるのが,「サンプルリターン」の大きなメリットなのだ.探査機を打ち上げるためには,ロケットを用いなければならず,そのロケットの搭載重量の制限から,なるべく探査機は軽くしなければならない.探査機上での分析を前提とするならば,搭載できる分析装置の大きさや重さにも当然厳しい制限があり,かなり限定された分析しかできないということになる.さらに,これまた当然のことながら,探査機は一度打ち上げてしまったら,もう二度と手が出せない.「打ち上げた後に改良」というわけには行かないので,目標の天体に到達するまでに数年かかるような太陽系探査のような場合は特に,どんなに最新鋭の分析器を搭載した探査機でも,目的地に到着した頃には,「搭載している分析器は既に旧式」ということになってしまうわけだ.
  しかし,持って帰って来てしまえばこっちのもの.目的の天体に探査機が到着,そこでサンプルを採集して無事に地球に送り届けられれば,その後はいろいろやれるということになる.今回のように,帰還した時点での最新の技術を用いた大型の分析器も使えるだろうし,厳重に保管しておくことによって,「これから先に開発される技術」を使った調査だってできるわけだ.

  大型の分析装置を用いた調査は12月頃から始まるらしい.はてさてその結果やいかに!
  まだ当分の間は「はやぶさ」から目が離せない.

SETI@home 現在の順位 世界…66,947位(/1,132,304人)国内…2,517位(/29,617人)
Einstein@home 現在の順位 世界…8,816位(/279,224人)国内…207位(/4,070人)

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