« 地味ではあるけれど | トップページ | 半分だけど »

2010年7月30日 (金)

日本の宇宙開発

  先端技術大賞の授賞式で,「はやぶさ」のプロジェクトマネージャーだった川口淳一郎教授の記念講演が行われた.

  「日本の宇宙開発は,あまりにも米・旧ソ連と比べ遅れている」

  日本で初めて人工衛星「おおすみ」の打ち上げに成功したのが1970年のこと.その前の年には,アメリカがアポロ11号によって有人月着陸を果たしているのである.「おおすみ」を打ち上げたのはL-4Sロケット5号機.全長16.5m,低軌道投入能力26kgという小さなロケットであった.それに対し,前年にアポロ11号を打ち上げたサターンⅤ方ロケットは全長110.6m,低軌道投入能力は100tをゆうに越える.

  「(惑星探査の)ビギナーにもできそうなものとして小惑星とのランデブーを構想していたが,なかなか実施に移せなかった.NASAはそれをいとも簡単にやってしまった」

  その“いとも簡単にやってしまった”というのが,どの探査機を指しているのか正確なところは知らないが,ちょっと調べてみたところ,“NEAR”という探査機が1996年2月16日に打ち上げられ,2000年2月14日,小惑星「エロス」とのランデブーに成功,2001年2月12日には軟着陸に成功している(ただし,離陸はしていない).
  ちなみに,この“NEAR”,打ち上げ時重量は約800kgの探査機であった.打ち上げたのはデルタⅡロケットで,全長40m弱,低軌道投入能力は最大で6.1tというロケットであった.
  「はやぶさ」が打ち上げられたのが2003年5月9日.小惑星「イトカワ」に到着したのが2005年9月12日.「はやぶさ」は打ち上げ時重量が510kg.打ち上げたのがΜ-Ⅴロケットで全長30.7m,低軌道投入能力1.8tのロケットである.
  「はやぶさ」は,“NEAR”より打ち上げで7年,小惑星到達で5年後のことということになる.その間,両国ともに技術の進歩はあっただろうが,打ち上げたロケットの大きさの差は歴然である.そして,「はやぶさ」は世界初の技術をいくつも使った,世界的にも最先端の探査機であった.より小さなロケットで打ち上げ,より進んだ技術を使い,世界で初めて月以外の天体から地球に帰って来た探査機となったわけだ(NASAの探査機「スターダスト」がヴィルト第2彗星に接近した後カプセルを地球に投下,無事回収されているが,これは月以外の天体に「着陸」したわけではない).

  およそ40年前,日本の宇宙開発はアメリカのそれと比べ物にならないほど遅れていたはずだ.しかし,それから40年後,

  「NASAには「はやぶさ」のようなものは出せない」

  と言いきれるほど先進的なミッションを成功させてしまった.そして現在,小型ソーラー電力セイル実証機「イカロス」が次々の世界初の成果をあげている.「あまりにも遅れている」はずだった日本の宇宙開発だが,いつの間にか,少なくとも惑星間航行技術に関しては世界の最先端を疾走しているのだ.

  40年の間にこれほどまでに急速な発展を遂げた日本の宇宙開発技術,さて次はどんな興奮をもたらしてくれるのだろうか.

今年の観望会 予定…60 実施…33 中止…19 延期…2 屋内(外)で天文教室…6 勝率….550(33勝27敗)
昨日(29日)は雨のため城里町ふれあいの里天文台は閉館. 連勝は2でストップ,貯金が1つ減って6.

SETI@home 現在の順位 世界…67,828位(/1,110,235人)国内…2,537位(/29,276人)
Einstein@home 現在の順位 世界…9,204位(/261,812人)国内…215位(/3,946人)

この記事を読んで,「40年でこれだけ追い上げたというのはやっぱり凄い」と思った方,こちらをクリックして共感の投票をお願いします.→にほんブログ村 科学ブログ 天文学・宇宙科学・天体観測へ

|

« 地味ではあるけれど | トップページ | 半分だけど »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

観望会」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 日本の宇宙開発:

« 地味ではあるけれど | トップページ | 半分だけど »