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2010年6月20日 (日)

やっぱり生の方が

  小惑星探査機「はやぶさ」は,地球大気圏に突入して燃え尽きる直前,地球の姿を撮影した.
  その時の地球の画像が,スミアなどを除去され,綺麗に修正された上で公開された.

  ・・・

  でも,私はやっぱり「生のまま」の画像の方が好きだ.最初に公開された画像には,スミアがいっぱい.地球は左上隅の方に写っていて,画像の送信中に通信が途絶(内之浦のアンテナで電波を受信できなくなった.大気圏への突入はその後)したため,画像の下1/5ほどが切れてしまっている.
  「はやぶさ」は日本時間13日19時51分.高度7万kmで回収カプセルを分離した.この時,カプセルを正確に分離するために,最適な角度で姿勢を安定させており,カメラは地球から見て後方を向いていた.カプセル分離後,機体を回転させ,地球を撮影する予定だったが,このことそのものはミッションとして何の意味ももたない.カプセル分離から大気圏突入までわずか3時間しかなかったが,まさかカプセル分離より地球の撮影を優先させるわけにはいかなかった.カプセル分離を確認するまでは「はやぶさ」は身動きできなかったのだ.
  地上局からカプセル分離の指令が送信された後,「はやぶさ」からは分離装置が作動したという信号が送られてきたはずだ.しかしそれはあくまで「分離装置が作動した」ということであって,「正常に分離した」といういことではない.分離が確認されたのは,「はやぶさ」の姿勢が乱れたということによってであった.宇宙空間で何かものを放出すれば,その反作用で姿勢が乱れるのだ.
  その「姿勢が乱れた」状態から,地球撮影のオペレーションが始まったのだ.カメラがいったいどこを向いているのかも分からないような状態で姿勢を立て直し,機体を反転させて地球に向け,数度撮影を試みたのち,ようやく地球の姿をとらえた.しかし,その画像を送信中に内之浦との交信ができなくなった.
  実は私も太陽観測衛星「ようこう」運用の現場を体験しているし,電波天文衛星「はるか」の運用の場に居合わせたことがある(こちらは参加したわけではない).だから,この「はやぶさ」最後のオペレーションが行われていた運用室(私がいたのは内之浦の方で,相模原の運用室は外から見たことしかないが)の雰囲気はそれなりに想像できる.「はやぶさ」が最後に送って来た「生の画像」はそんな運用室の状況をも雄弁に物語っているような気がするので,私はやっぱり修正されていない「生の画像」の方が好きだ.

  「天文教室」のネタにすべく,あちこちのサイトをうろうろしている.昨日はいろんな動画を見つけたが,やっぱり感動的だ.不覚にも何度も涙してしまった.こういうものをまとめてDVDでも出してくれないものだろうか.

SETI@home 現在の順位 世界…68,832位(/1,102,958人)国内…2,548位(/29,104人)
Einstein@home 現在の順位 世界…9,486位(/259,918人)国内…219位(/3,917人)

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