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2010年5月31日 (月)

サターン I SA-6

  ペーパークラフトロケットシリーズ,今回は
1/100スケールペーパークラフトによる サターン Ⅰ SA-6 (A-101) 「アポロ計画」の初期,模型とは言え初めてアポロ宇宙船を搭載して飛行したロケット,サターン .モデルはまさにアポロ宇宙船の模型を搭載して初めて打ち上げられた SA-6 (A-101)ミッションの時のもので,型紙は “surfduke's Moonport Project” から.
  サターン Ⅰ 型ロケットは,のちに史上初の有人月面着陸を成功させるサターンⅤ型へと続くサターンシリーズの最初の型である.このロケットの第一段は “S-Ⅰ” と呼ばれ,既にあったジュピター大陸間弾道ミサイルの燃料タンクを中央に配置,その周囲をレッドストーン短距離弾道ミサイルの燃料タンク8本で囲む構造になっている.そして,中央のタンクと周囲の8本のうち4本(白く塗装されたもの)は液体酸素タンクとして,残りの4本(黒く塗装されたもの)はケロシンのタンクとして用いられた.また,エンジンは,これも新たに開発したものではなく,既に弾道ミサイルのエンジンとして用いられたものを改良した H-Ⅰ エンジンを8基束ねることで要求される大推力を得る設計になっている.
  サターン 6回目の打ち上げとなる SA-6 (A-101)ミッションでは,実際に宇宙飛行士が搭乗した場合と同じ重量,重心位置になるように作られた,「アポロ宇宙船」の指令船,機械船,および打ち上げ時に緊急用として装備される脱出ロケットのダミーが搭載された.のちに実施されるであろうアポロ宇宙船の有人ミッションでもロケットが安定して飛行できることを確認する必要があったからである.
  打ち上げは1964年5月28日に行われた.打ち上げから76.9秒後,第一段の8基のエンジンのうちの一つが予定より早く燃焼を終了してしまったが,搭載された自動制御装置の働きで残り7基のエンジンが予定より2.7秒長く燃焼,ロケットは予定通りの軌道を飛翔した.第一段のエンジンが予定より早く停止したことは予期せぬ出来事であったが,これによって自動制御装置の機能が充分有効であることが確かめられたのであった.
  ダミーのアポロ宇宙船は無事に地球を周回する楕円軌道に投入された.地球を4周ほどしたところでバッテリーが尽きて通信が途絶したが,その後も軌道上を計54周,6月1日に大気圏に突入してカントン島東部に墜落した.

  遂にサターンロケットが搭乗!・・・はいいんだけど,これは作りにくかった!組み立て説明書は英文だけ.写真はパーツシートの表紙にある実機の写真だけで,図は一切なし.部品の取り付け位置や向きがイマイチわからなかったりすることも度々.挙句の果てには「部品番号77から84は写真を参考に組み立ててくっつけろ」とか書いてあるし.しかもその写真はダウンロード元のサイトには一切おいてない.ネットをあちこちさまよって実機の写真をかき集めてみたものの,これに続くサターン ⅠB やサターン ならともかく,サターン の写真は数が少ない上に不鮮明なものばかり.さらに,一部は設計ミスなのか全然寸法が合わないし・・・等々々々・・・・
  とは言え,待望のサターンロケット.実機と同じように,私にとっても,将来サターンⅤ型を作るための「技術試験」という意味合いもあるので,今回は各段が分離するギミックもちゃんと作ってみた.
1/100スケールペーパークラフトによる サターン Ⅰ SA-6(各段を分離した姿) せっかくなので,上から順に紹介.
  まずは先端部分,指令船とエスケープ・タワー.
1/100スケールペーパークラフトによる サターン Ⅰ SA-6(ダミーの指令船とエスケープ・タワー) タワーのトラスを作るのは大変と言えば大変だが,アポロ リトル・ジョーで既に経験済みだし,実機が大きいだけにマーキュリー・カプセルのエスケープ・タワーよりもずっと楽.ちなみに,トラスと指令船の接合部分にはアポロ リトル・ジョーのパーツを流用してちょっと手を加えてある.
  そしてコイツがダミーの指令船の上に乗った状態.
1/100スケールペーパークラフトによる サターン Ⅰ SA-6(ダミーのアポロ宇宙船とエスケープ・タワー) 姿勢制御装置のスラスターなど細かい作業ではあったものの,これもアポロ リトル・ジョーで経験済みだったのでそれほど苦戦せず.

  ・・・順調だったのはここまで・・・

  次は“S-Ⅳ”と呼ばれる第二段.
1/100スケールペーパークラフトによる サターン Ⅰ SA-6(第二段“S-Ⅳ”) 型紙のまんま作ると,上部が曲がってしまう.仕方なく,上部との接続部分に細工をして何とかモノにした.一番問題だったのは,下よりの側面にへばりついている三角形と筒状のパーツ.実際にはこれらの作業は最後だったが,これらは部品番号77と78.「写真を参考に作れ」って言われても,どう組み立ててどこにつけたら良いものやら・・・あちこちを調べて,これらはインターステージを挟んで第一段と第二段をつなぐパイプの接続部分と,第二段のエンジンに点火する際,燃料をエンジン側に偏らせるために加速するための「アリッジ・ロケット」と呼ばれる小型の固体燃料ロケットであることが判明.それでもどこに取り付けて良いものかは最後まで判然とせず.実機の不鮮明な写真を見る限りこれでいいような気はするんだけど.

  次は第一段と第二段をつなぐインターステージ.
1/100スケールペーパークラフトによる サターン Ⅰ SA-6(インターステージ) コイツも,ここだけならば何の問題もないのだが,側面についているパイプ(これは部品番号84)がやや問題.普通に取り付けたのでは,第一段との接続部分が非常にカッコ悪いので,インターステージ本体から少し浮かせて取り付け,第一段との接続部分は自作.

  で,もっとも苦戦したのが第一段.
1/100スケールペーパークラフトによる サターン Ⅰ SA-6(第一段“S-Ⅰ”)まず大変だったのが外側の8本.「紙を細く綺麗に丸める」という作業はなかなか大変なもので,それを8本もやるとなるとかなり大変なのだ.

  でもまぁこれはただ単に大変だっただけ.

  問題はその下だった.エンジンフェアリングの部分は,パーツのまま作ると何と寸法が小さくて燃料タンク一式が入らない.仕方なく印刷の際の拡大率を変えて何部も印刷,何度か作りなおしてようやくモノにした.が,一難去ってまた一難.8枚のフィンは別に問題なくクリアしたものの,(写真では分からないが)その間についている小さなフィンのようなもの,調べてみたら「タービン・エグゾースト・ダクト」と言うのだそうだ(それが一体何なのかはいまだに謎)が,コイツの向きがわからない.どうしても分からなかったので諦めて「多分こうなのだろう」という向きで取り付けた(実はたった今正しかったことが判明した!).

  そしてまた一難.底部にあるエンジン・ノズル.その上の部分は拡大して作ったはずなのに,元もままの大きさだとノズル同士が干渉して正しい位置に取り付けできない.仕方なくこの部分は縮小して作り,ようやく突破.が,今度は外側のエンジンのジンバル(エンジンの首ふり機構)を操作するアームと思われる部品,どう考えても長すぎ・・・結局これも自作した.

  さらにまた一難.部品番号80~82.これは一体何かもわからず.パーツの残りと実機の写真を見比べて見ると,どうやらインターステージとの接続部分近くにへばりついている小さな円筒形のものらしい.これもあちこちを調べ,「レトロ・ロケット」という小型の固体燃料ロケットであることが判明したものの,パーツをどうやってどう組み合わせたら写真の形になるかは遂に分からず,結局これも自作.

  実はダウンロード元のサイトには,このロケットを打ち上げたケープカナヴェラル空軍基地の37B発射台の型紙もあり,せっかくだから作ろうと思っていたのだが,また「寸法が合わない」とかで苦戦しそうだし,それに乗っけてしまうと,第一段のエンジン部分が隠れてしまうしということでヤメ.でもせっかくなので,スタンドも少し凝ってやろうということで,別な型紙をいくつか組み合わせて↓

1/100スケールペーパークラフトによる サターン Ⅰ SA-6(展示用スタンド) 小さな作業はちょっと大変だったけど,これは結構すんなりできた.なかなかいい感じだ.サターンシリーズのスタンドはこの作戦でいこう.

・・・とまぁ今回は散々苦労してしまったが,完成した姿はなかなかのもの.苦労も酬われたというものだ.

  とりあえずアポロ リトル・ジョーとツーショット.
1/100スケールペーパークラフトによるアポロ計画のロケットたち 2010年4月13日 リトル・ジョーに比べると相当でっかい(当たり前か!)それにしても,リトル・ジョーよりサターン の方が打ち上げが先だったというのは驚きだ.

完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ.→Saturn Ⅰ (SA-6)

そして,いつものようにこれまでに作ったロケットたちと並べて記念撮影.
1/100スケールペーパークラフトによるロケットたち 2010年4月13日 前列左から,A-4RTV-A-2 “Hiroc”バンパー Wacヴァイキング 7ヘルメス RV-A-10ヴァイキング 10ジュピター-Cヴァンガード TV-0ヴァンガード TV-1ヴァンガード TV-2ヴァンガード TV-3
2列目左から,コスモス 3M (Interkosmos-11)スタールト-1L-4S-5Μ-4S-2Μ-3C-1Μ-3H-1Μ-3S-1Μ-3SⅡ-1Μ-Ⅴアリアン ブルー・ストリーク
3列目左から,R-7 スプートニクツィクロン-3マーキュリー リトル・ジョーマーキュリー・レッドストーンマーキュリー・アトラスジェミニ・タイタンアポロ リトル・ジョー
最後列左から,H-ⅡA 202型ソユーズ-U + TMA-1プロトン-K (ズヴェズダ打ち上げ時)スペースシャトル コロンビア (STS-1)スペースシャトル チャレンジャー(STS-6)スペースシャトル ディスカバリー (STS-128),サターン SA-6 (A-101).

  こうして並べてみてもなかなかの迫力だ.こりゃあいずれ作るサターン ⅠB が楽しみだぞと.
(いやはや長文失礼)

ロケットのペーパークラフトは是非↓こちらもご覧ください
PASA : Papercraft Aeronautics and Space Administration

SETI@home 現在の順位 世界…69,566位(/1,098,628人)国内…2,555位(/29,017人)
Einstein@home 現在の順位 世界…9,685位(/258,639人)国内…225位(/3,902人)

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