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2010年1月23日 (土)

バイコヌール宇宙基地

  人類初の人工衛星「スプートニク1号」を打ち上げたのはバイコヌール宇宙基地,人類初の有人宇宙飛行を達成した「ボストーク1号」を打ち上げたのもバイコヌール宇宙基地,人類初の船外活動を行ったアレクセイ・レオーノフ飛行士を乗せた「ボスホート2号」を打ち上げたのもバイコヌール宇宙基地.宇宙開発にお いてはまさに伝統のある基地と言っていいだろう. 

  昨年12月21日,日本人宇宙飛行士の野口聡一さんを乗せたソユーズ宇宙船が,そのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた.数日後にはISSに到着,野口さんは5ヶ月間の長期滞在に入った.

  ということは今さらここに書くようなことでもないが.

  ややっこしいのは・・・

  バイコヌール宇宙基地があるのはカザフスタン共和国のバイコヌール市.しかし,旧ソ連時代,そこはチュラタムと呼ばれており,(当時の)バイコヌールから500kmも離れた場所だった.そもそもこの基地は大陸間弾道ミサイルの基地として建設されたものなので,基地の正確な場所を隠すため,チュラタムにあるのにバイコヌール基地と命名されたらしい.その基地周辺に建設された都市は1966年に市に昇格,レニンスクと命名された.カザフスタン共和国はソ連崩壊後に独立,1995年にはレニンスク市はバイコヌール市と改名した.
  ところが,バイコヌール宇宙基地は旧ソ連時代からロシアの重要な宇宙基地であったため,カザフスタン共和国にあるこの基地もあくまでロシアの所有ということになっており,バイコヌール市そのものもロシアの祖借地である.

  明日の茨城新聞日曜版に掲載される「いばらき星空散歩」のコーナーは「野口さんが乗っているISSを見よう」という内容なのだが,その最初の原稿には,野口さんの乗ったロケットを打ち上げたのは「ロシアのバイコヌール宇宙基地」と書いた.しかしさて困った.基地そのものはロシアの所有なので,「ロシアのバイコヌール宇宙基地」と書いてもあながち間違いとは言えないのだが,基地は(地理的に)ロシア国内にあるわけではない.しかし,バイコヌール市はロシアの祖借地なのでやっぱり「ロシアのバイコヌール宇宙基地」と言ってもあながち間違いでもない.でもやっぱり基地があるのはカザフスタン共和国なのである.
  しかも,ロシアというのはロシア連邦という国名でもあるが,同時に地域を指す言葉でもある.「ロシアの」と言えば多くの人が(なんとなくではあっても)「あぁ,あのあたり」と思い当たるだろう(まさか赤道直下だとか南半球だとか思う人はいないだろう)が,「カザフスタンの」と言われても「カザフスタンってどこ?」というのが正直なところで,なかなかピンと来ない人が多いのではないだろうか.

  とまぁいろいろ迷った挙句,あちこちのニュースを見てみた結果,「カザフスタンのバイコヌール宇宙基地」という記述が多かったのでやっぱり「カザフスタンのバイコヌール基地」に変更することにした.しかし,「ロシアの」を「カザフスタンの」になおすと3文字増えてしまう.記事のスペースが少ないので,3文字増えたらどこかを3文字減らさなくてはならず・・・四苦八苦.

  明日掲載される記事もこうした苦労の末のものなんですよ・・・

SETI@home 現在の順位 世界…72,546位(/1,058,166人)国内…2,660位(/28,259人)
Einstein@home 現在の順位 世界…10,288位(/248,839人)国内…221位(/3,676人)

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ロシアのアムール州のボストチヌイに新しい基地を建設中です、切り離したロケットから漏れる有毒なジメルメチルヒドラジンなどで土壌汚染が深刻で、多額の借地料が負担で、広い太平洋にブースターロケットを落下させることができます

投稿: 気ままな老人 | 2010年7月16日 (金) 18時29分

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