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2009年9月30日 (水)

大きな星と小さな星

  星雲・星団の写真を撮影し,ホームページに掲載するにあたっては,方々の資料をあたり,その天体についていろいろ調べている.その際,イモヅル式にいろんなことを知ることができるのも私にとっては大きな楽しみでもある.

  先月26日から27日にかけて城里町ふれあいの里天文台の屋上で撮影した,
ケフェウス座の 散開星団 & 輝線星雲 IC1396
ケフェウス座散開星団 & 輝線星雲 IC1396.この画像左上に写っている星が「ガーネットスター」と呼ばれる星であることは知っていたし,その色や明るさから見ても赤色巨星であろうことは想像に難くないが,かつて最大の恒星とされていたということはこの天体のページの解説を書くためにいろいろと調べるまでは知らなかった(私のような立場の人間がそんなことを知らなかったのは怠慢かもしれないのだが).

  天文教室の折,時々「一番大きな星って何ですか?」という質問を受ける.私も,どこかで読んだ記憶があって,それが固有の名前を持たない星だということは知っていたのだが,改めて調べてみると,現在知られている恒星の中ではおおいぬ座VYWOH G64(大マゼラン星雲の中)が最大とされていて,その大きさは太陽の2000倍程度もある(ただし,そもそもWOH G64は地球から16万光年以上も離れているのでその大きさを正確に測定することなんてほとんど不可能だし,おおいぬ座VYにしても中心部からガスが流出しているのでどこまでが恒星でどこからがガスの塊なのかを判断するのが難しいのだとか).
  まぁ正確な話はとりあえずおいといて,現在知られている「一番大きな星」となると,よく知られているアンタレスやベテルギウスで太陽の数百倍から1000倍程度,おおいぬ座VYやWOH G64 と呼ばれる恒星で太陽の2000倍程度ということになるか.

  反対に,「じゃあ一番小さな星は?」と聞かれることもあるが,こちらの方はややこしい.小惑星まで「星」と呼んで良いのであれば,小さいもので直径数m(そのくらい小さな小惑星だとそもそも球形とは限らないから直径というのも変だが)のものもある.ちなみに,手っ取り早いところで,NASACurrent Impact Risks にリストアップされているものの中で最小は 2008 VM とよばれる小惑星で,推定直径は3m.昨年10月にスーダン上空で地球大気圏に突入した 2009 TC3 は推定直径が0.9~4.5m(いやしかし,よくもまぁこんな小さなものを見つけられるよねぇ).太陽系を漂うように,それでも太陽のまわりを回っているであろう「流星物質」に至っては直径数cmとか数mmなんてものもあるだろう.流星として見られた時には既に星とは呼ばないだろうが,それが地球に落ちてくる前となると,どこまで小さいものを「小惑星」と呼ぶのか難しい.
  こう考えてくると話が非常にややこしくなってくるので,「星」を「恒星」に限って考えてみる(もっとも,最近では「恒星」と「惑星」の区別も難しくなってきているようだが).これは褐色矮星であろうことは想像に難くない.そして,とりあえず私が調べられる範囲で最も小さい褐色矮星はりゅうこつ座の方向にあって,直径は木星よりほんの少し大きい程度,質量は木星の100倍弱ということらしい.

  最も小さいもので太陽の10分の1程度(それでも地球の10倍!)最も大きなもので太陽の2000倍程度.いやはや恒星もいろいろだ.でもこれで子供の素朴な疑問にもとりあえずちゃんと答えられるぞと.

今年の観望会 予定…97 実施…57 中止…24 延期…3 屋内(外)で天文教室…13 勝率….588(57勝40敗)
実は昨日(29日)も観望会が予定されていたのだが,ベタ曇りであえなく中止.連勝は2で止まり,貯金が1つ減って17.

SETI@home 現在の順位 世界…74,214位(/1,019,757人)国内…2,689位(/27,351人)
Einstein@home 現在の順位 世界…11,432位(/239,155人)国内…244位(/3,499人)

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