« 中秋の名月・・・ | トップページ | 月. »

2008年9月16日 (火)

褐色矮星

  「恒星」と言えば「自ら光と熱を出している星」.
  我々にとって最も身近な恒星である太陽の表面温度は6000度,夜空に見えている星のほとんど(いや「全て」と言ってもあながち間違いとは言えないほど)は2000度から50000度.いずれ普通に生活の中で実感できるような温度ではない.
  しかし,これら一般的な恒星よりもずっと軽く(木星の質量の13〜75倍程度.ちなみに太陽は約1000倍),恒星のように明るく輝くことができない褐色矮星も多数存在している.「UKIDSS/LAS-ユーキッズ・広域サーベイ」のデータの一部から,温度が400度〜1100度という「T型星」が28個発見された.中でもおとめ座の方向,30光年の距離にあるULAS1355は推定温度が280度(絶対温度で約550度.普通の恒星の温度なら絶対温度と摂氏で大した違いはないが,このくらいの温度だと摂氏で表した時と絶対温度で表した時でずいぶんと違ってややこしい)というから驚きだ.金星の地表が平均で460℃だから,それよりずっと低い.また,ろうそくの炎が大体千数百℃,アルコールランプの炎が1000℃程度,タバコの火の温度が850℃だから,280℃なんて温度は身の回りに普通にある温度ということになる.

  太陽を含む恒星が「燃えている星」と表現されることが多いが,私はその表現が好きではない.一般的な感覚から言って「燃えている」=「炎」であり,酸素と結合する反応のことで,恒星が生み出すエネルギーである核融合とは本質的に違うものだからだ(水素の核融合を「水素燃焼」と呼ぶこともあるので,そういう意味では「燃えている」と言っても間違いではないのだろうが,誤解を招きやすいと思う).ところが,その温度が280℃ともなると一般的に目にする「炎」よりよっぽど低いわけで,もはや「燃えている」というイメージにすらならない.

  いやはや,世の中いろいろ,宇宙もいろいろだ...

SETI@home 現在の順位 世界…83,674位(/873,564人)国内…3,037位(/24,398人)
Einstein@home 現在の順位 世界…14,700位(/208,475人)国内…280位(/3,087人)

この記事を読んで,「タバコの火より低い温度の星があるなんて!」と思った方,こちらをクリックして共感の投票をお願いします→にほんブログ村 科学ブログ 天文学・宇宙科学・天体観測へ

|

« 中秋の名月・・・ | トップページ | 月. »

天文」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 褐色矮星:

« 中秋の名月・・・ | トップページ | 月. »