« 見てみたい | トップページ | やっぱりね... »

2008年5月18日 (日)

プラネタリウムを作ろう!

    昨日(17日)は夕方まで晴れ.満月近い月もしっかり見えていたので,「これなら(城里町ふれあいの里)天文台は開館だろう」と思っていたのだが...
  20:00頃までには時々月が見える程度の曇り空になってしまった.通常なら閉館になる天気だったのだが,昨日は某大学の天文部が宿泊しているということでやや無理やり開館.
  でもやっぱり星は見えず,ドームの中で望遠鏡の説明をしているうちに雨まで降り出した.

  大学の天文サークルと言えば,学園祭などで自作のプラネタリウムを上映するというところも多い.そこで,天文部の面々にホームページに掲載している私の自作プラネタリウム“PPLS-1 を紹介しつつ,プラネタリウムを作ってみることを勧めてみた.何人かのメンバーは興味津々の様子.ぜひ作ってみてくださいね.

  プラネタリウムを作る楽しさは「星々と何らかの関係を持つ」ことだと思っている.恒星原板に穴を開けたあとに夜空を見上げたとき,「あぁ,あの星の穴はこの間開けたなぁ」と思えてそこに見えている星が自分のものになったような気になれる(そう言えば,以前,PPLS-1の投影を見たアメリカ人に You've recreated the universe! とか言われた.そうだ,自作プラネタリウムを投影している会場では私は神なのだ!全知全能でないだけにその宇宙にも欠陥がいっぱいあったりするわけだが).プラネタリウムの恒星球を作るためには,投影するべき全ての星について,最低でも位置と明るさは調べなくてはならないから,その星が実際の夜空のその場所で輝いていることは私にとって「そんなの関係ねぇ」ことではなくなるのだ.
  実は「星々となんらかの関係を持ちたい」と思っていることが私が星屋であることの所以でもあったりする.自作プラネタリウムに限らず,写真でも観望でも同じだ.
  7年前,当時国立天文台の台長だった海部先生の講演を聞いた.その時の
「宇宙の果ては認識の果て」
というお話に大変感銘を受けた.
  宇宙の年齢は137億歳で,宇宙の地平線は我々から137億光年.つまり,137億光年より先の光はまだ我々に届いていない.宇宙で一番速いのは光だから,137億光年より先の宇宙からは何の情報も伝わることはなく我々には認識できないので,何の因果関係ももたない.因果関係をもたないということは我々にとっては「ない」ことと同じなので認識できる最も遠いところが「宇宙の果て」なのだということだ.
  天動説が信じられていた時代,天球までの距離はあまり考えられていなかっただろうから,天球=空であり,当時の人々にとって「宇宙の果て」とはつまり地上十数kmだった(現代においても天体までの距離を実感できていなければ実感としての宇宙の果てはやっぱり当時と変わらないのだろうと思う).それが,月や太陽,惑星までの距離が分かるようになり,さらにその外の宇宙の広がりが認識できるようになったことで,我々人類にとっての「宇宙の果て」はどんどん広がっていったのである.
  これは「人類にとっての宇宙の果て」ということであり,「私個人にとっての宇宙の果て」とはやや意味合いが違うと思う.知識として知っていてもそれを実感できなければ認識できたことにはならないと思うのだ.
  このことは私の「遠い天体への憧れ」につながっている.遠い天体を見たり,写真に撮ったりすることで,私はその天体を認識することができる.認識できないまでも,非常に小さいながらその天体と私の間に因果関係が発生することになり,私にとって「その天体の存在」が確定し,それによって「私にとっての宇宙の果て」を広げることができるのだと思っている.
  「認識できないものは存在していないのと同じ」という考え方は私が「たくさんの天体を見たい」と思い,「たくさんの天体の写真を撮りたい」と思うことにつながっている.たくさんの天体を見,たくさんの天体の写真を撮ることで,言い換えれば私にとっての「宇宙の密度」を高めることになると思う.
  私は自作プラネタリウム“PPLS-1を作るにあたって,8.5等星まで,約65,000個の星の穴を開けた.このことで,8.5等以上の明るさの星のほぼ全て(変光星だったりすると漏れているかもしれない)と私は因果関係をもつことになった(その星がそこで輝いていることが“原因”で,“結果”として私が恒星原板上に穴をあけたわけだから).実際の夜空を見上げ,そのことを実感できる嬉しさは・・・やっぱり実際に作ってみないとわからないかも.

  8.5等星まで65,000個の穴を開けるなんていうことは私のように頭のネジが2,3本はずれた「いっちゃってる人」じゃないとちょっと無理かと思うけど,6等星までの数千個なら結構やれると思う(キットも発売されているようだし).6等星ということは肉眼で見えるほぼ全ての星ということになるわけだ.「夜空に見える全ての星を自分のもににする」嬉しさを一度味わってみてはいかがだろうか.

注: 8.5等星まで65,000個の穴をあけてやろうなんて考えると人生を狂わせてしまいかねない.大変危険なので良い子は絶対にまねをしないように(笑).また,プラネタリウムを作る楽しさにハマってしまったことで,あなたの健康や精神,そして人生にいかなる影響があったとしても当方では責任を負いかねます.

天文台が開館したとは言っても一つも星が見えなかったからやっぱりこれは“中止”だろうなぁ.
今年の観望会 予定…28 実施…16 中止…8 延期…2 屋内で天文教室…2 勝率….571(16勝12敗)
5連勝のあとこれで5連敗.貯金が1つ減って4.連勝で稼いだ貯金をすっかり吐き出してしまった.

SETI@home 現在の順位 世界…90,322位(/820,488人)国内…3,324位(/23,383人)
Einstein@home 現在の順位 世界…19,281位(/198,598人) 国内…375位(/2,967人)

この記事を読んで,プラネタリウムを作りたくなった方もそうでない方もこちらをクリックして応援の投票をお願いします→にほんブログ村 科学ブログ 天文学・宇宙科学・天体観測へ

|

« 見てみたい | トップページ | やっぱりね... »

自作プラネタリウム」カテゴリの記事

観望会」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: プラネタリウムを作ろう!:

« 見てみたい | トップページ | やっぱりね... »