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2008年3月24日 (月)

遠いつながり

  東京大,北海道大,広島大などの研究チームが,山形県の板垣公一さんが2006年に発見した超新星2006jcの観測から,「宇宙のちり」誕生の瞬間をとらえ,その結果は今日から始まる日本天文学会春季年会で発表される.
  超新星2006jcは,2004年にも増光しており,板垣さんはその時の増光も観測していた.さらに,過去50年間のアーカイブ画像ではこの天体は見えたり見えなかったりしており,増光が繰り返されていたらしい.繰り替えされた爆発は外層での爆発で,この爆発によって水素やヘリウムに富む外層が外部に放出され,炭素や酸素でできた中心部だけになっていて,2006年10月に観測された爆発はその生涯最後の超新星爆発だったということらしい.この超新星は2007年4月には暗くなったが,その時期に赤外線天文衛星「あかり」で観測したところ,赤外線で明るく輝いている姿がとらえられた.これは超新星爆発で放出されたガスが急速に冷えてちりとなり,そのちりが放出した赤外線をとらえたものだという.さらに分析の結果,このちりの主成分は炭素で,その他ケイ素や鉄なども含まれていることがわかった.
  言うまでもなく,我々(少なくとも地球上の)生物でもっとも重要な元素は炭素である.しかし,宇宙にはもともと水素やヘリウムしかなかった.炭素を含む様々な元素は恒星内部での核融合,あるいは超新星爆発の際に合成され,その超新星爆発によって宇宙空間にまき散らされる.それが数億〜数十億年という気の遠くなる時間を経て我々の体を作っているのだ.我々の体と夜空に輝く星々は遠いところでつながっているのだ.

  話は変わって...
  昨日(23日)昼間は晴れ.城里町ふれあいの里天文台のHα望遠鏡(コロナドのPSTだけど)を使わせていただいてプロミネンスの撮影に挑戦してみた.
太陽のプロミネンス 2008年3月23日14:59(JST)撮影
初挑戦ということもあってまだまだ下手だけど,幸いそこそこ目立つプロミネンスが出ていてとりあえずその姿だけは撮ることができた.
  このわれらが母なる星太陽も,われらが住んでいる地球も,数十億年前,宇宙に漂うガスやちりから生まれた.そのガスやちりも,それより昔に輝いていた恒星が残してくれた遺産なのだろう.そしてその太陽も,数十億年後には後に続く世代のために遺産を残してこの宇宙から姿を消すことになる.この宇宙ではそういった世代交代が繰り替えされて現在に至り,そしてまた未来にも繰り替えされていくのだろう.

  ・・・

  なんていうことを考えていると気持ちが大きくなって日々の小さいことなど忘れてしまえそうなものだが,現実にはそうもいかない.
「太陽活動も新たな周期に入ったというし,やっぱりHα望遠鏡も欲しいなぁ...でも先立つものがないか...」
どうしても下世話な悩みから離れることはできないのであった.

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