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2007年9月27日 (木)

星の子孫

  私が天文に関わっていて最も大きく最も強く感じるロマン.それは
「我々は星の子孫である」
ということ.
  およそ137億年前,宇宙が誕生してすぐの頃は,この宇宙には水素とヘリウムしかなかった.その水素とヘリウムを材料にして誕生した「第一世代」の恒星たちが,自らの体内で核融合を起こす.最初は水素の核融合でヘリウムが作られる反応が起こるが,水素が尽きるとヘリウムの核融合が始まり,炭素や窒素,酸素といった元素も作られるようになる.そしてより質量の大きな星ではさらに炭素等が核融合を始め,もっと重い元素(鉄まで)が作られる.
  そして,星の人生(星生?)の終末,軽い星は体内のガスを放出しながら萎んで静かにその生涯を終え,重い星は超新星爆発を起こし,華々しくこの宇宙から文字通り散っていく.その超新星爆発の莫大なエネルギーによって,さらに重い元素も作られる.
  ・・・
  つまり,我々が普段目にしたり,触れたりしているものを作っている元素のほとんど全ては(長い歴史の中で核分裂等で変化したものもあるだろうが)星の中で作られたものだということだ.もちろん,我々の体を作っている元素も例外ではない.ということはつまり,我々の体を作っている元素は,遠い昔,この宇宙のどこかで輝いていた星の内部で作られ,数十億年という気の遠くなるような時間を経てめぐりめぐって我々の体の材料になったのだ.我々は星の遠い子孫なのである.

  日本のX線天文衛星「すざく」によって,おひつじ座の方向,約10億光年のところに,およそ100億年前に起こったと思われるスターバースト(超新星が一斉に爆発する現象)によって重元素(酸素,炭素,鉄など)が宇宙空間にばらまかれた証拠が見つかった(元ネタはこちら→「すざくによる観測」).この時にばらまかれた元素の一部が自分の体の一部になっているのかもしれないと思うと全身の毛が逆立ち手足が震えるほどの感動を覚える.

  我々の母なる星太陽の寿命もあと50億年.そのさらに100億年後くらいには,太陽が作り出した元素が材料になった生物がこの宇宙のどこかに誕生するのかもしれない.

SETI@home 現在の順位 世界…242,404位(/692,322人)国内…8,777位(/20,667人)
Einstein@home 現在の順位 世界…94,015位(/176,848人) 国内…1,685位(/2,704人)

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