« 失敗 | トップページ | 熱い南極 »

2007年9月29日 (土)

クエーサー

  この宇宙が膨張していることはよく知られていると思う.時々,これに異を唱える人も見かけるけど,観測事実は宇宙が膨張していることを裏付けるものがほとんどで,今やその異論が認められる可能性はほぼ0に等しい.しかもどうやら宇宙膨張は加速しているらしい.
  Quasi Stellar Object(準恒星状天体)略して Quasar(クエーサー).
  この種の天体,実はまだ謎だらけ.しかし,非常に明るいので,遠方にあってもよく見え,たくさんのクエーサーが発見され,その分布もだいぶわかるようになってきている.
  宇宙膨張がもし加速しているのだとすれば,遠方に見えるクエーサーは現在推測されているより実はもっと遠くにあるはずだ.現在,クエーサーの距離は,クエーサーからやってくる光の赤方偏移(遠ざかる速さが速いほどスペクトルが赤い,つまり波長の長い方向にずれる)と宇宙膨張の速さの見積りによって距離を推測しているからである.
  一方,非常に多数の銀河が観測され,その分布状態にもある程度の見当がついている.
クエーサーと銀河の分布に見当がついていれば,クエーサーと銀河が地球から見てちょうど重なって見える位置にある時に起こる「重力レンズ効果」の割合も推測でき,その結果からは「重力レンズ効果」が見られる天体は全天でせいぜい2,3個なのだそうだ.
  ところが,理化学研究所が今年の日本天文学会秋季年会で発表した研究によれば,全天で2万3000個ほどみつかったクエーサーの中で,重力レンズ効果を示しているものが11個見つかった.クエーサーが遠くにあれば遠くにあるほど,その間に銀河が入って見える可能性が高くなる(混雑している駅のホームで,電車を降りてから階段までの距離が長ければ長いほど人にぶつかる可能性が高くなることでイメージできるかも?)ことから,実はクエーサーが推測されているより遠くにある,つまり宇宙膨張は現在考えられているよりもっと速いということになるのだ.

  ・・・

  と書いておきながら...
  実は難しくてよくわかってなかったり(笑).

  まぁそれはそれとして,この「クエーサー」という天体,実は私にとっては非常に微妙な位置づけの天体だったりする.その遠さゆえ,その光をとらえることにはものすごく魅力を感じるし,憧れの天体であることに間違いはない.なにせ,最も近いクエーサーの中の一つである
クエーサー “3C 273”
3C 273(↑)ですらその距離は15〜20億光年といわれるのだから.
  かと言って...
  やっぱり大きな望遠鏡でもなかなか眼視では捉えられない(何度か口径20cmで挑戦したけど見えなかった)し,写真に撮ってみても点にしか写らず,写真としての面白みには欠けるので今ひとつ撮影意欲がわかない.それでいながら,上に掲載した画像はそこそこお気に入りで,時々眺めたくなるので不思議だ.時々別なクエーサーの写真を撮ってみようと思いつくのに,直前になるとやっぱりやめてしまう.
  クエーサーは私にとって「妖しい魅力をもった実に不可思議な天体」なのである.

SETI@home 現在の順位 世界…233,903位(/693,092人)国内…8,514位(/20,687人)
Einstein@home 現在の順位 世界…94,173位(/176,969人) 国内…1,690位(/2,707人)

|

« 失敗 | トップページ | 熱い南極 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: クエーサー:

« 失敗 | トップページ | 熱い南極 »