2020年8月30日 (日)

最近の作品など.

すごーく久しぶりの更新.

1ヶ月に一度更新しないと更新できなくなるそうなので.

とりあえず最近の作品の写真など.

India_rockets_200527

インドのロケットたち.左から SLV-3,PSLV,GSLV-MkII,GSLV-MkIII.

New_shepard

ブルー・オリジンのニュー・シェパード.

今後も月一回程度,ほそぼそと更新して行く予定.

 

 

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2017年6月13日 (火)

フライト ULF-1.1

  ペーパークラフト国際宇宙ステーションシリーズ,第57回の今回は,フライト ULF-1.1.

  2006年7月6日,STS-121ミッションのスペースシャトル「ディスカバリー」がドッキングした.「コロンビア号空中分解事故」以来,ISS滞在要員は2人になっていたが,このフライトで第13次長期滞在クルーにドイツ人宇宙飛行士のトーマス・ライターが加わったことにより,元の3人体制に戻っている.

  まずはSTS-121「ディスカバリー」↓.
1/100スケールペーパークラフトによる STS-121「ディスカバリー」

STS-114ミッション時(上)とSTS-121ミッション時(下)のドッキングシステム横のツールボックス↓.
STS-114ミッション時(上)とSTS-121ミッション時(下)のドッキングシステム横のツールボックス

ユニティ」船首側の「PMA-2」にドッキングして↓.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2006年7月6日の状態)

ドッキングした状態の「ディスカバリー」↓.
国際宇宙ステーションにドッキングした STS-121「ディスカバリー」

  7月7日,「ディスカバリー」のペイロード・ベイから多目的補給モジュール「レオナルド」が取り出され,「ユニティ」地球側の共通結合機構に取り付けられた.なお,このフライトからは,「レオナルド」も側面のビジュアル・ターゲットが無くなっている.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2006年7月7日の状態) ビジュアル・ターゲットが無くなった「レオナルド」↓.
ビジュアル・ターゲットが無くなった「レオナルド」

  7月11日,予備ポンプモジュールが「ESP-2」に設置された.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2006年7月11日の状態)「予備ポンプモジュール」が設置された「ESP-2」↓.
「予備ポンプモジュール」が設置された「ESP-2」

  7月14日,「レオナルド」が取り外され,「ディスカバリー」のペイロード・ベイに格納された.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2006年7月14日の状態)

  7月15日,STS-121「ディスカバリー」が分離.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2006年7月15日の状態)

  フライト ULF-1.1 としてはここまでだが,次の フライト 12A までの間に,

  8月4日,「クエスト」右舷側外壁と高圧タンク外壁に2つの材料曝露実験装置(MISSE-3MISSE-4)が取り付けられ,「S1トラス」地球側に外部照明装置が取り付けられた.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2006年8月4日の状態) 2つのMISSEが取り付けられた「クエスト」↓.
2つのMISSEが取り付けられた「クエスト」S1トラス」地球側に取り付けられた外部照明装置↓.
「S1トラス」地球側に取り付けられた 外部照明装置

・・・ということで,実に久しぶりにシャトルのフライト.

でも,このフライトは多目的補給モジュールによる物資補給がメインで外観的には地味に変化しただけ.
次のフライト12Aで大幅に変化するのだけれど,ここでそれを紹介できるのはいつのことになるやら.
(4月から職場が変わって,なかなかここを更新する時間がとれてなかったり)
まぁ気長に待ってやってくださいませ.

完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ→ “Flight ULF-1.1

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2017年4月23日 (日)

ペガサス-XL

  ペーパークラフトロケットシリーズ,今回は
1/100スケールペーパークラフトによる ペガサス-XL アメリカの民間企業「オービタル・サイエンシズ」が開発・運用を行い,「オービタル・サイエンシズ」とATK社の航空宇宙・防衛部門が合併した「オービタルATK」が運用を引き継いだ,空中発射型衛星打ち上げロケット.型紙は“Aries Paper Models”から.
  地上からロケットを打ち上げることに比べ,地上施設が小規模で済むこと,天候に左右されにくいこと,高高度では気圧も低く,重力も小さく,空気抵抗や重力による損失が少なくて済むこと等,様々な利点が考えられることから,「ロケットを空中から発射する」というアイディアは,古くから検討されてきた.観測ロケットとしては,高高度に到達させた気球から打ち上げる「ロックーン」と呼ばれるタイプは一部実用化された.一方,航空機に搭載して打ち上げる形式のものは,観測ロケットでも実用化された例がほとんどなく(ただし,スケールド・コンポジッツ社の「スペースシップ・ワン」「スペースシップ・ツー」は一応このタイプではある).人工衛星打ち上げ用の空中発射型ロケットは,2017年4月現在まで,「ペガサス」シリーズが最初にして唯一実用化された機体である.
  「ペガサス」シリーズは,基本的に全段固体の3段式ロケットであるが,オプションとして液体燃料ロケットである「HAPS」を第4段として用いることもできる.「ペガサス」の初の打ち上げは1990年4月.初期のペガサスはNASA所有のNB-53B「ボールズB」を母機として発射されていた.後に,オービタル・サイエンシズ社所有のロッキード L-1011 トライスター(改)「スターゲイザー」を母機とする「ペガサス・ハイブリッド」,母機は同じで,第1段,第2段共に固体変量ロケットモータを延長した「ペガサス-XL」も登場,2013年6月まで計42機が打ち上げられた.
  その後しばらくは打ち上げが途絶えていたが,2016年12月に約3年半ぶり,運用が「オービタルATK」に受け継がれて以来初めての打ち上げが行われ,NASAのハリケーン観測衛星「CYGNSS」の軌道投入に成功している.

  別角度の写真を一枚.
1/100スケールペーパークラフトによる ペガサス-XL(左後方から) 実はコレ,上記2016年12月の打ち上げライブを見ていて作りたくなって作ったもの.ちなみに,元の型紙は1/48.コレを1/100で作るためには48%に縮小印刷して作る必要があった.また,機体前方のロゴマークも「オービタル・サイエンシズ」のものだったのを「オービタルATK」のロゴに変更している.
  まぁ機体としては単純な形で,それほど小さな部品があったというわけではないのだが,尾翼後端のカーブ等はかなり苦労した.

  こうなると,「スターゲイザー」も作りたくなるのだが,そちらの方は無料で良い型紙が見つからず(有料のものはあるのだけれど,有料のものでは他にもっと作りたいのが山ほどあったりするので「スターゲイザー」の製作はとりあえず見送り.

完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ.→Pegasus-XL

ロケットのペーパークラフトは是非↓こちらもご覧ください
PASA : Papercraft Aeronautics and Space Administration

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2017年3月22日 (水)

フライト 22P

  ペーパークラフト国際宇宙ステーションシリーズ,第56回の今回は,フライト 22P.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2006年6月27日の状態) 2006年6月27日,プログレス補給船(M-57)が「ピアース」地球側のドッキング・ポートにドッキングした.

・・・

今回もこれだけ.しかも写真も使いまわし.

でも!

次はいよいよスペースシャトルの飛行再開♪(フライト ULF1.1 (STS-121))

完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ→ “Flight 22P

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2017年3月21日 (火)

ファルコン 9 v1.2 フル・スラスト

  ペーパークラフトロケットシリーズ,今回は
1/100スケールペーパークラフトによる ファルコン 9 v1.2 フル・スラスト(OrbComm OG2 M2)    アメリカの民間企業「スペースX社」が開発した商業用打ち上げロケット「ファルコン 9」,「ファルコン 9 v1.1」の改良・発展型,「ファルコン 9 v1.2 フル・スラスト」.型紙は“AXM Paper Space Scale Models”から.
  スペースX社が開発・運用している「ファルコン 9」ロケットシリーズは,始めから打ち上げ後に回収,再利用することを目指していた.2008年9月に初めて打ち上げに成功した「ファルコン 1」,エンジンをクラスタ化,機体を大型化し,2010年6月,民間企業が独自開発したロケットとして世界で初めて人工衛星の打ち上げに成功した「ファルコン  9 (v1.0)」と開発を進めながら,「グラスホッパー」という試験機を用いて,ロケットを垂直に着陸させる実験を繰り返していた.「ファルコン  9 (v1.0)」の改良・発展型である「ファルコン 9 v1.1」では,6号機(v1.1としては初号機)で逆噴射しつつ海上への着水実験を実施,9号機(v1.1としては4号機)で初めて着陸脚を装着して打ち上げを行っている.その後も海上への着水実験は続けられ,2015年1月に打ち上げられた14号機からは,第一段上部に姿勢を制御するための「グリッド・フィン」が取り付けられた.この14号機で初めて,太平洋上に浮かべた無人船「ドローン・シップ」への降下が試みられたが,この時はグリッド・フィンが予定通りに動作せず,傾いた状態で落下,爆発してしまった.続く15号機は海上の波が高く,回収は断念したものの,予定していたポイントに垂直に軟着水させることに成功している.さらに,17号機で再び「ドローン・シップ」への降下が試みられたが,この時も失敗に終わっている.
  ここまで,第一段の垂直着陸と回収には失敗しているものの,打ち上げそのものは全て成功,第一段の着陸成功も時間の問題と思われた.しかし,2015年6月に打ち上げられた19号機は打ち上げから139秒後に爆発,搭載していたドラゴン宇宙船も,ISSへの全ての補給物資もろとも失われた.この頃,ファルコン 9 は一月に1,2回打ち上げられていたが,この事故により,打ち上げはしばらく凍結された.
  続く20号機の打ち上げは,19号機の事故から半年後の2015年12月のことだった.事故後の「Return to Flight」であることから,打ち上げを成功させることに重点を置き,リスクは極力避けるのが普通だが,スペースXはここでも挑戦的であった.この打ち上げに改良型の“v1.2”を投入,ケープカナベラル空軍基地にある着陸地点「LZ-1」への第一段の着陸に挑んだのである.この場合,衛星打ち上げのため,切り離された時点でかなり速度のついた第一段を逆噴射,射点近くまで戻す必要があるので,海上の「ドローン・シップ」に降下させるより何度が高くなるのである.なお,“v1.1”までは,安定性のため,エンジンの出力を低く抑えていたのだが,この20号機からは本来の出力がはっきできるようになっていることから,このタイプは「フル・スラスト」と呼ばれるのである.
  20号機がケープカナベラル空軍基地第40複合発射施設から飛び立ったのはアメリカ東部標準時2015年12月21日20時29分(日本時間翌日10時29分)のことであった.飛行は順調,打ち上げから2分24秒後に第一段を切り離した.逆噴射も正常に行われ,数分後,ケープカナベラル空軍基地の“LZ-1”上空に姿を現した.そして,まるでそこに軌道が敷かれているかのように着陸地点に近づき,打ち上げから9分40秒後,円形に広がる白煙の中に静止,「歴史的な着陸」に成功した.それはまるで,打ち上げの映像を逆再生しているかのような光景であった.海外メディアではこれを,アポロ11号の月面着陸の時の “The Eagle has landed”. になぞらえ, “The Falcon has landed”. と表現していた.そして,はるか上空では,打ち上げから14分後までに,搭載していた11機の通信衛星 “OrbComm-OG2”の放出にも成功していた.
  この時回収された第一段は,カリフォルニア州ホーソーンのスペースX本社にモニュメントとして立てられている.
  なお,この「歴史的な着陸」が行われた“LZ-1”は,1978年まで「アトラス」ロケットの打ち上げに使われていた第13複合発射施設があった場所である.

  ・・・というわけで,「歴史的な着陸」を成功させた「ファルコン9 20号機」.

  私もこの「歴史的な着陸」をライブ中継で見ていたのだが,着陸した瞬間,「うぉー,立った!」と叫んでしまった.別に私が何をしたわけでもないのだが,無意識にガッツポーズまでしてしまった.とにかくその時の映像のインパクトが凄かった.上にも書いたとおり,まるで打ち上げ映像を逆再生しているかのようだった.

  で,興奮して,すぐに“AXM Paper Space Scale Models”の Alfonzo氏に
「コレ作りたい!」
ってメッセージを送ったところ,ほどなくして彼から返事.
「今作業中だからもうちょっと待って」

え゛ぇ!

って,今着陸したばかりでんがな.仕事早っ!

  そして数日のうちに型紙がダウンロード可能に.
  早速作り始めたのだが,また Alfonzo氏からメッセージ.
「第一段の色味を少し変えたので,改訂版の方を使って」

え゛ぇ!

今度はちょっと遅っ!

仕方なく最初から作り直し.

・・・とまぁ,この話はちょっと置いといて.

まずは「OrbComm-OG2 M2」が格納されているフェアリング.
ファルコン 9 20号機 フェアリング この時の打ち上げは商用打ち上げなので,フェアリングはハンマーヘッド型.

v1.1 と v1.2↓.
ファルコン 9 v1.1 と v1.2

第一段下部の比較↓.
ファルコン 9 v1.1 と v1.2 第一段下部ただし,第一段下部が右のパターンに変更になったのは2014年9月打ち上げの12号機(v1.1)から.

  v1.1 と v1.2 の段間部〜第二段↓.
ファルコン 9 v1.1 と v1.2 段間部〜第二段 v1.2 ではここの部分が少し延長されているのがわかる.

  そして!件の着陸した第一段.
ファルコン 9 v1.2 着陸した第一段 模型を作ってみて驚いた.

  良く考えればわかることではあるのだけれど.
  ファルコン 9 v1.2 の全長は70m.着陸したこの部分の高さが60m近いことはちょっと考えればわかることではある.でも,映像を見ているだけでは,大きさの実感がない.こうして模型を作ってみると,その大きさに驚いた.60mもの高さがあるものが空から降ってきて,エンジンを逆噴射しつつ「ストン」と立ってしまうというわけだ.いやはや,凄いことだぞこれは!

  それとは関係ないし,とってもくだらないのだが,打ち上げのライブを見ている間の脳内でかわされた会話.
「第一段,聞こえて?打ち上げから4分で降下開始です.あなたは高度に気をつけて」
「衛星打ち上げの最中に気をつけられると思うんですか!」
「大丈夫,あなたならできるわ」
「お,おだてないでください・・・」
元ネタを知らない人にはなんのことかわからないだろうけれど.

  気を取り直して.

  展開された着陸脚↓.
ファルコン 9 v1.2 展開された着陸脚 普通に作る場合でも,この支柱の付け根は工夫のしどころ.単純にくっつけただけでは強度が低く,簡単にポロッととれてしまう.しかも,私の場合,展示のために運搬をする必要がある(この歴史的な機体を展示しないテはないでしょう!)のでさらに大変.散々考えたが,「運搬の際に壊れないように」作る方法は思いつかず,

「ならいっそ着脱式にしてやれ」というわけで,↓.
着脱式に仕上げた着陸脚 この脚(とグリッドフィンが取り付けられた段間部も),全部取り外しできるようになっている.まぁその工作も散々苦労したわけだけれど.

  展開したグリッドフィンの部分がこちら↓
展開した状態のグリッド・フィン 2017年1月打ち上げの29号機では,ライブ中継でグリッドフィンのすぐ上に取り付けられたカメラからの生映像が流された.このフィンが時折「クイックイッ」と動いているのが良くわかった.そして,ドローンシップ中央に降り立つ様は圧巻の映像であった.
  それにしても,コレで姿勢制御することを思いついた人は天才だと思う.

  最後に,打ち上げ時の姿と着陸した第一段↓.
ファルコン9 20号機 打ち上げ時の姿と着陸した第一段

この時回収した機体ではないけれど,もうすぐ回収した第一段を再使用する打ち上げが行われる.それが実現して,打ち上げ費用が劇的に安くなるのか,それともスペースシャトルの二の舞(再使用に際して補修・整備に費用がかかりすぎ,使い捨てロケットよりも高価になってしまった)になるのか.さらに,近いうちに「ファルコン・ヘビー」の打ち上げも行われるようだし.ますますスペースXから目が離せない.

完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ.→Falcon 9 v1.2 Full Thrust  (OrbComm-OG2 M2)

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2017年3月 8日 (水)

フライト 21P

  ペーパークラフト国際宇宙ステーションシリーズ,第55回の今回は,フライト 12S.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2006年4月27日の状態)2006年4月27日,プログレス補給船(M-56)が「ズヴェズダ」後方のドッキング・ポートにドッキングした.

  6月19日,プログレス補給船(M-55)が分離.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2006年6月19日の状態)

・・・今回もこれだけ.しかも,写真も以前のものを使いまわしだったり・・・

次の「フライト 22P」もプログレス補給船がドッキングするだけだが,その次はいよいよスペースシャトル飛行再開♪

とりあえず,

完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ→ “Flight 21P

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2017年3月 7日 (火)

アリアン 44LP

  ペーパークラフトロケットシリーズ,今回は1/100スケールペーパークラフトによる アリアン44LPヨーロッパ宇宙機関が開発した衛星打ち上げロケット,アリアン 3 の拡大・増強型,アリアン 4(44LP).型紙は”Niels papermodels ”から.
  アリアン4の開発は1983年に始まった.アリアン 3 と比べると,第一段及び第三段を延長,それまでのアリアンロケットシリーズに比べ,かなり長い印象のロケットである.さらに,使用する固体燃料ブースター(PAP (Propulseurs d'Appoint à Poudre)ブースターと呼ばれる)も全長を延長したものが用いられ,液体燃料ブースター(PAL(Propulseurs d'Appoint à Liquide)ブースター)も使用することが可能になっている.こうした外見上の違いの他,新開発のアビオニクス装置,複数の衛星の同時打ち上げを可能とするデュアル・ペイロード・キャリアなど,新たな装置が加えられ,打ち上げ能力,様々なペイロードへの適応能力が格段に向上している.
  日本のH-ⅡA,アメリカのアトラス Ⅴデルタ Ⅳ等と同様,ペイロードに合わせて打ち上げ時に使用するブースターの種類や数を変更することができ,以下のタイプが存在する.
  アリアン 40 : コアステージのみ.
  アリアン 42P : 固体燃料ブースター(PAP) × 2.
  アリアン 44P : 固体燃料ブースター(PAP) × 4.
  アリアン 42L : 液体燃料ブースター(PAL) × 2.
  アリアン 44L : 液体燃料ブースター(PAL) × 4.
  アリアン 44LP : PAP × 2 + PAL × 2.

  モデルは1988年6月15日,アリアン4の初めての打ち上げの時のもので,PAPブースター × 2, PALブースター × 2 の “44LP” の構成であり,ヨーロッパ宇宙機関の気象衛星「メテオサット P2(後にメテオサット 3と呼ばれることになる)」,アメリカの民間企業による通信衛星「パンナムサット Ⅰ (PAS-1)」,アマチュアの通信衛星「オスカー13」の軌道投入に成功している.
  アリアン4の登場は,折しもスペースシャトル・チャレンジャー号の空中分解事故(1986年1月28日)によって,アメリカが人工衛星打ち上げ能力を喪失している時期であり,一時は世界の衛星打ち上げ市場の実に90%をアリアン4が専有,2003年2月15日の打ち上げを最後に退役するまでの間に116回の打ち上げが行われている(うち失敗3).

  エンジン部分↓.
アリアン 44LP エンジン部分

  第一段下部とブースター↓.
アリアン 44LP 第一段下部とブースター PAL(液体燃料ブースター)が想像していたよりずっとでかかった.

  アリアン 3とアリアン4のPAPブースター比較↓.アリアン 3 と アリアン4 のPAPブースターアリアン 3 に液体燃料ブースター2つつければアリアン4♪
とか思っていたけど,全然違ってたのね.

  普通ならここで「アリアンロケット一式勢揃い♪」の写真を載せるところなんだけれど,アリアン V だけ自分一人では取り出せないケースの中に入っているので,そのうち機会があれば.

  そういえば,昨年,某所での展示会の準備中,梱包作業が終わらないまま帰宅する途中でコンビニに寄ったところ,棚にあった「イタリアンサラダ」を「アリアンサラダ」と空目.そのことをツイッターでつぶやいたところ,いつも型紙を提供していただいている@kazufukuda さんから返信.その時のやりとり.

私「帰宅途中のコンビニにて,『ん?アリアンサラダ?』と一瞬目を止めたら『イタリアンサラダ』でした」
福「ドレッシングは非対称ジメチルヒドラジンと四塩化二窒素,または液体酸素と液体水素からお選びいただけます」
私「ジメチルヒドラジンはちょっと刺激が強そうですねぇ.量は少なくていいので,ブタジエン系のものはあります?」
福「3と5はもれなく,4はお好みでブタジエン系のスティックをお付けいたしております.」

アリアン3以降の推進系はそういうことです(笑).

完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ.→Ariane 44LP (Meteosat P2,PanAmSat Ⅰ & Oscar 13)

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2017年2月22日 (水)

フライト 12S

  ペーパークラフト国際宇宙ステーションシリーズ,第54回の今回は,フライト 12S.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2006年4月1日の状態) 2006年4月1日,第13次長期滞在クルー(Expedition 13)を乗せたソユーズ宇宙船(TMA-8)が「ザーリャ」地球側のドッキング・ポートにドッキングした.

  4月9日,帰還する第12次長期滞在クルー(Expedition 12)を乗せ,ソユーズ宇宙船(TMA-7)が分離. 1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2006年4月9日の状態)

・・・今回もこれだけ.この状態はもう少し続きます.

完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ→ “Flight 12S

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2017年2月10日 (金)

TT-500A-8

  ペーパークラフトロケットシリーズ,今回は
1/100スケールペーパークラフトによる TT-500A-8   TT-500の第二段を強化した,日本初の宇宙実験用ロケット,TT-500A-8.型紙は非公開(種子島在住の@mageshiman1025さん作).
  第二次世界大戦後の米ソによる宇宙開発競争は,アポロ計画による「人類初の有人月面着陸の成功」をもって,一応の決着を見た.そしてその後は「宇宙環境の利用」という点に関心が移り,アメリカはスカイラブ,そしてスペースシャトル,旧ソ連はサリュートやミールといった,宇宙でのプラットフォームによって様々な実験が行われるようになって行った.日本においても同様に宇宙環境利用への関心が高まって行ったが,当時の状況では,アメリカに頼らざるを得ず,材料実験など,日本国内での産業にとっても重要な実験でさえ,国外関係機関の審査を通過させた上で実施する必要があった.
  こうした状況への問題意識から,日本独自で宇宙環境を利用した実験を行うために開発されたのが日本初の微少重力実験用ロケットであるTT-500Aで,TT-500ロケットの第二段を増強,材料実験機能として頭胴部に4台の電気炉を搭載していた.
  打ち上げ後,最高高度約250kmに到達した後,大気圏に再突入するまでの約6分間,実験装置はほぼ無重量状態に保たれる.その間搭載した電気炉により加熱,保温,そしてヘリウムガスによる冷却を行い,実験終了後はパラシュートを展開して海上に着水,回収される.
  モデルは1980年4月14日に種子島宇宙センター竹崎射点から初めて打ち上げられた時のものだが,機体に描かれている文字は「TT-500A-8」.号機番号はTT-500からの通し番号であり,この時打ち上げられたのは「8号機」であった.この打ち上げでは,ニッケル系合金製造実験,アモルファス半導体製造実験が行われた.この後,1983年8月の13号機まで計6機が打ち上げられ,様々な材料実験が行われた(1981年8月の10号機までは,TT-500から引き継いだ地上設備の試験も平行して行われている.

↓TT-500 と TT-500A.
TT-500-1 と TT-500A-8 TT-500Aの方は,第一段と第二段が同じ太さになった分,TT-500より作るのが楽♪

完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ.→TT-500A-8

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2017年2月 9日 (木)

フライト 20P

  ペーパークラフト国際宇宙ステーションシリーズ,第53回の今回は,フライト 20P.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2005年12月24日の状態) 2005年12月24日,プログレス補給船(M-55)が「ピアース」地球側のドッキング・ポートにドッキングした.

2006年3月3日,プログレス補給船(M-54)が分離.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2006年3月3日の状態)

3月20日,ソユーズ宇宙船(TMA-7)が,「ザーリャ」地球側のドッキング・ポートから,「ズヴェズダ」後方のドッキング・ポートに移動した.
1/100スケールペーパークラフトによる 国際宇宙ステーション(2006年3月3日の状態)
今回もこれだけ.
プログレス補給船(使い回し)を1機くっつけ,別なプログレスを外し,ソユーズを移動しただけです.はい.

完成写真の大きな画像はこちらからどうぞ→ “Flight 20P

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