ペーパークラフトロケットシリーズ,今回は

「Μ(ミュー)計画」の第4世代となる機体,Μ-3SⅡ.型紙は塩屋天体観測所から.
1986年は76年周期で太陽に近づくハレー彗星の回帰年であった.世界各国はこぞって探査機の打ち上げを計画,日本もその例外ではなかった.ところが,地球の重力を振り切って惑星間空間に探査機を打ち上げるためには,既存のΜ-3Sでは力不足であることが明らかであった.
そのような背景で開発されたのがこのΜ-3SⅡである.第1段のみはΜ-3Sの流用だが,全てのロケットモーターを大型化,補助ブースターにL-4Sの一段目を改良して使うなどして推力の向上をはかった.ところが,肝心のハレー彗星探査機「さきがけ」を打ち上げる直前になって第1段の能力不足が判明した
ため,超音速飛翔時の空力的改善のために,補助ブースターの先端にキノコ状の突起「スパイクノーズ」が取り付けられた.Μ-3SⅡそのものは3段式ロケットだが,オプションとして最上段に種々のキックモーターを付加することができ,この場合は4段式となる.
惑星間軌道投入用キックモーターを付加された1号機および2号機でハレー彗星探査機「さきがけ」「すいせい」をそれぞれ打ち上げ,3号機はX線天文衛星「ぎんが」,極軌道投入用キックモーターを付加された4号機で磁気圏観測衛星「あけぼの」,月軌道投入用キックモーターを付加された5号機で工学実験探査機「ひてん」,6号機で太陽観測衛星「ようこう」,7号機でX線天文衛星「あすか」を打ち上げ,Μシリーズでは最高の打ち上げ回数を誇る.
このロケットはこれまでのΜシリーズに比べて形が複雑なので,モデルもちょっと複雑.Μシリーズのロケットを作るのは結構飽きてきていたのだが,コイツを作るのはちょっと楽しかった.なかなか良くできたモデルなのだが,型紙通りだとブースターの先端に取り付けるスパイクノーズが平面的なので,どうしようか考えた末に,スパイクノーズの棒の部分は紙を丸めて作り,先端の球形の部分(球形なのか半球なのか実機の画像ではよくわからないのだが,とりあえず球形にした)は紙粘土を丸めて作ってみた.
例によって,これまでに作ったロケットたちと並べて記念撮影.

(前列はΜシリーズ,左から,L-4S-5,Μ-4S-2,Μ-3C-1,Μ-3H-1,Μ-3S-1,Μ-3SⅡ-1,Μ-Ⅴ.中列左から,コスモス 3M (Interkosmos-11),マーキュリー リトル・ジョー.後列左から,ソユーズ-U + TMA-1,H-ⅡA 202型,スペースシャトル ディスカバリー (STS-128),アリアン Ⅰ)
これでΜシリーズのロケットは勢ぞろい.Μシリーズだけ並べてみると,

ウルトラマン兄弟のようだ.
実は私,失敗した「Express」の打ち上げの時,太陽観測衛星「ようこう」運用のために内之浦宇宙空間観測に滞在中だった.前日には打ち上げの予行演習が行われ,想定打ち上げ数分後には「ロケットは順調に飛行しています」というアナウンスがあった.翌日には本番の打ち上げが行われ,私もその打ち上げを間近で見ていた(世界のロケットの中では小さい方かもしれないが,間近で見る打ち上げはもの凄い迫力!).とりあえず打ち上げが終了,観測所の食堂で「そういえば今日は“順調に飛行しています”ってアナウンスなかったねぇ」「本番はやらないのかな」なんて呑気な会話をしていたのだが,実際は失敗していた.そりゃアナウンスがなかったわけだ.
ちなみに,電波天文衛星「はるか」の最初のアンテナ展開のオペレーションの時も宇宙空間観測所に滞在中,オペレーションは初日にうまく行かず,2日目のリトライで成功した.火星探査機「のぞみ」の最初の地球スイングバイの時もやはり宇宙空間観測所に滞在中(この時はオペレーションそのものは別な場所で行われていたが,宇宙空間観測所でもトラッキングをしていたと記憶している),「のぞみ」はスイングバイに失敗してしまった.どうも私は日本の宇宙開発にとって縁起の悪い人だったらしい.
SETI@home 現在の順位 世界…72,577位(/1,049,122人)国内…2,647位(/28,041人)
Einstein@home 現在の順位 世界…10,495位(/246,521人)国内…224位(/3,628人)
この記事を読んで,「アンタもしかしてどこに行っても縁起の悪い人なんじゃ・・・」と思った方,こちらをクリックして同情(?)の投票をお願いします.→
最近のコメント